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『君は冥土様。』上田麗奈が感じた“家族と居場所”がもたらす温かい絆

  • 2024.9.29
テレビアニメ『君は冥土様。』雪 / シュエ役の上田麗奈 クランクイン! 写真:吉野庫之介 width=
テレビアニメ『君は冥土様。』雪 / シュエ役の上田麗奈 クランクイン! 写真:吉野庫之介

テレビアニメ『君は冥土様。』が、10月5日よりテレビ朝日系全国24局ネット「NUMAnimation」枠・BS朝日・AT-Xにて放送開始。本作は、ごく普通の高校1年生・横谷人好と、ある日突然人好の家へやってきた元暗殺者のメイドさんを軸にしたアクションラブコメディ。ひとつ屋根の下での共同生活をきっかけに、ひとりぼっちだったメイドさんに“家族”ができるまでの物語が描かれる。クランクイン!では、ヒロインの雪 / シュエ役を演じる上田麗奈にインタビューを実施。本作の魅力とともに、自身の“家族”である愛猫とのエピソードを語ってもらった。

【写真】上田麗奈のインタビュー撮りおろしが満載!

■優しくて温かな後味が残る作品

――原作を読まれた際の印象は?

上田:人好くんの常識的なツッコミと、雪さんの素直さが生み出すボケのバランスが絶妙で、コミカルなシーンが多く、全体として温かくほっこりした雰囲気がベースになっている作品だなと感じました。一方で、雪さんの過去や暗殺者としての経験が描かれるシーンでは、シリアスな雰囲気も漂っていて、その切り替えが本当に見事なんです。

さらに、雪さんが人好くんとの出会いをきっかけに少しずつ心を開いていく様子や、家族や自分らしさをテーマにしたストーリー展開も魅力的で、最後には優しくて温かな後味が残る、素敵な作品だと思います。

――雪を演じるうえで大切にしたことは?

上田:序盤の雪さんは、自分の意志や「こうしたい」という気持ちよりも、定められたことをそのまま素直に言っているだけ、という印象が強いんです。心が伴っていないような感じというか。それは暗殺者として生きてきて、自分の感情を表に出してはいけない、もしくは出すことができないという状況に置かれてきた結果、自然と身についたものだと思うんですけど、そのクールさが彼女の本質ではなく、本当はすごく温かくて優しい子なんです。

内側に秘めた温かさを感じさせつつ、外側ではクールで機械的な部分が表に出る。その繊細なバランスを大切にして演じました。

――フラットな部分はありつつも、可愛らしさがにじみ出ていますよね。

上田:そうなんです。「人の役に立ちたい」という欲求がベースにある子なので、得意なことを語るときはギアが上がったり、逆に暗殺以外のことがうまくできなくて本気で落ち込んだり。そうした一つ一つの出来事に対して目まぐるしく心を動かしている様子を見ていると、裏表がない素直な子なんだなと感じます。

前の主人であるお館様に言われて人好くんのところにきたのも、彼女の素直さの表れだと思いますし、周りの環境や言葉に影響を受けて自分を変えていけるタイプの子だと思ったので、その変化やギャップも演じるうえで大切にしたポイントですね。

■名前通りの優しさと懐の広さを持つ“人好の魅力”

――主人公の人好について魅力に感じる部分は?

上田:名前の通り、“お人好し”なところが素敵だなと感じました。常識があり、善悪や倫理感がしっかりしているからこそ、突然やってきた雪さんに最初「うちでは雇えない」と断ったこともすごく理解できて、親近感が湧くキャラクターだなと思いますし、その常識を超えて「困っているから何とかしてあげなきゃ」とか「悲しそうだから元気づけてあげなきゃ」と行動に移せるところが本当に素晴らしいです。

雪さんもそうですが、人好くんも「相手のために何ができるか」を考えて行動できる。そして、ドジっ子な雪さんのことを受け止めてあげる懐の広さもあって、まさに名前にふさわしい、温かくて優しい人だなと思います。

――人好役の熊谷俊輝さんとかけ合いをした印象は?

上田:嘘偽りのないお芝居が本当に素敵で、マイク前で話しているその言葉が雪さんに真っすぐ届いていて、「この人の言葉には裏がなく、そのまま温かい言葉として受け取っていいんだ」と思わせてくれる魅力があるんです。

そのリアルさが、雪さんの浮世離れした部分を引き戻して地に足をつけさせてくれるような安心感を生み出しているように感じましたし、彼女を演じる私自身もすごく居心地がいいなと思えたのは、熊谷さんの人好くんだったからこそだなと思いますね。

――熊谷さんは現在高校2年生で、人好とも年齢が近いんですよね。そうした部分もセリフの温度感にリアルさを与えているように思いました。

上田:そうですね。熊谷さんは毎回感動しながらお芝居をされていて、それがとても印象的です。でも、学校で最近あったお話を聞いたり、現場でお母さんが作ってくれたおにぎりを食べている姿を見ると、「やっぱり高校生なんだな……」と感じさせられることもあって(笑)。そうしたギャップも含めて、本当に魅力的な役者さんだなと思います。

■「ここに居場所がある、家族がいる」という“安心感”

――本作のテーマにちなんで、“家族”とのほっこりエピソードを伺いたいのですが、愛猫のこたろうくん&しいなちゃんとの生活は最近いかがですか?

上田:こたろうはますます甘えん坊になってきました。昔から膝に乗る子だったんですが、最近では私がソファーのような少し高い場所に座っていても、わざわざ登って膝に乗ってくるようになったり、数時間一緒に腕枕でお昼寝をすることもあったり。以前よりも甘えたい気持ちが増してきたみたいで、リラックスしているんだなと感じられて、すごく嬉しいです。

しいなは前よりも食欲が増してきました。好きなごはんが少ない子なんですけど、最近お気に入りを見つけたみたいで、夜になると決まった時間に「ごはんくれー!」って鳴くんです。逆にこたろうは早朝5時ごろに「ごはんくれー!」って暴れるので、朝も夜もお互い大騒ぎしていて、毎日がにぎやかですね(笑)。

――可愛い……(笑)。猫ちゃんが生活の中心になっているのですね。

上田:そうなんです。朝は起こされてごはんをあげてから二度寝することもあれば、夜も定期的にごはんをあげに立たされることがあって、本当に生活の中心になっているなって感じます。

彼らがいるおかげで、「早く帰ろう」とか「朝ごはんをあげるためにちゃんと起きよう」といったように生活リズムも以前より整ったと思いますし、共存する大変さもありますが、だからこそ「大事にしよう」という気持ちが芽生え、自分の人生にとってプラスに働いているんだなと思いますね。

――上田さんの人生を豊かにしてくれた存在なんですね。

上田:本当に。彼らと離れているとき、外で自分へのご褒美に甘いものを食べたりしていると「なんだか人間らしい生活ができているな」と、ふと感じることがあって。そんな些細な瞬間も含めて、こたろうとしいなが私の人生を豊かにしてくれているんだなと実感しています。

――そうした“家族”の温かさや尊さは本作でも描かれていて。

上田:そうですね。「ここに居場所がある、家族がいる」という“安心感”は、この物語のキーワードになるのではないかなと思いますし、安心を得ることで、相手に感謝の気持ちが芽生え、もっと寄り添いたいという気持ちが自然と生まれる。そんな優しさや思いやりが、この作品にはあふれています。視聴者のみなさんにもぜひ、その優しい気持ちを感じていただけたら嬉しいです。

(取材・文・写真:吉野庫之介)

テレビアニメ『君は冥土様。』は、10月5日よりテレビ朝日系全国24局ネット「NUMAnimation」枠にて毎週土曜25時30分放送。

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