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改修中の国宝瑠璃光寺五重塔で四季がテーマのプロジェクションマッピング第2弾がスタート!インタラクティブな演出も必見

  • 2024.9.29

国宝瑠璃光寺五重塔(山口県山口市)では、約70年ぶりとなる檜皮葺(ひわだぶき)屋根全面改修の機会を捉えて空間アートプログラム「昇華-shouka-大内文化」が展開中。2024年9月8日からは、プロジェクションマッピング第2弾として、世界的に活躍する舞台芸術監督・森弘一郎さんが監修する作品が登場。大内氏の過ごした時間を「四季」に見立て、冬・春・夏・秋の映像と音楽で大内文化の世界を表現する。

国宝「瑠璃光寺五重塔」を覆うデザインシートを舞台としたプロジェクションマッピング
国宝「瑠璃光寺五重塔」を覆うデザインシートを舞台としたプロジェクションマッピング

「四季」に溶け込む大内文化の世界観

今回の作品も前回同様、改修中の国宝瑠璃光寺五重塔を覆うデザインシートを舞台に繰り広げられる。加えて香山公園塔影の池東側の通路では、人の動きに合わせて季節の演出が変化するインタラクティブなプロジェクションマッピングもスタート。大人も子どもも楽しめる仕掛けで話題を集めそうだ。

以下に、プログラムの見どころを紹介。

■[オープニング]大内菱が輝く新たな物語の始まり

新たな物語の始まりを象徴するオープニングシーン。五重塔が霧に包まれやがて霧が晴れると、タイトルと共に大内家の家紋「大内菱」が星のように輝きながら昇ってゆく。過去の思いが晴れ今もなお星となって大内家の人たちが見守っている様子が表現されている。

【写真】今回の作品のオープニングシーン。デザインシート上に踊る美しい光の演出に、目を奪われる!
【写真】今回の作品のオープニングシーン。デザインシート上に踊る美しい光の演出に、目を奪われる!

■[冬]雪景色の五重塔にたたずむ弘世公

弘世公がこれまでの自身の歩みと大内文化の繁栄へ思いをはせる様子が表現されている。寒さを感じさせる粉雪が降り、一の坂川が浮かび上がるなか、五重塔がしだいに雪に覆われてゆく。雪に包まれた五重塔の前に現れた弘世公の姿は冬の厳しさと共に、大内氏が乗り越えてきた困難を象徴している。

五重塔デザインシート:冬のシーン
五重塔デザインシート:冬のシーン

通路を歩くと積もった雪が人の動きに合わせて溶けていく演出も。

塔影の池周辺の通路:冬の演出
塔影の池周辺の通路:冬の演出

■[春]山口の地に咲き誇る桜と大内文化

桜が芽生え、幹が成長し、やがて満開の桜が一面を彩る見応えたっぷりの[春]のシーン。桜が根を張り咲き誇るまでに成長する様子は、大内文化が山口の地に根付き、さらに発展していく姿を象徴しているそう。さらに桜の色合いが交ざり合う様子で、さまざまな人たちや慣習を受け入れ独自の文化を生み出していく大内文化の精神性が見事に表現されている。

五重塔デザインシート:春のシーン
五重塔デザインシート:春のシーン

人の動きに合わせ、足元で桜の花びらが舞う通路での演出も楽しい。

塔影の池周辺の通路:春の演出
塔影の池周辺の通路:春の演出

■[夏]初夏に咲く睡蓮と満月に映える五重塔

初夏の雨が水面に波紋を広げ、睡蓮が美しく咲く印象的なシーンからスタート。やがて満月が五重塔の背後に現れ秋への移ろいを感じさせてくれる。泥の中で成長し清らかな花を咲かせる睡蓮の様子は、大内文化が現代まで清らかに成長してきた姿を象徴しているのだとか。同時に、初夏の雨が睡蓮を咲かせるように、大内文化が歴史の波紋を広げ発展していく様子も表現されている。

五重塔デザインシート:夏のシーン
五重塔デザインシート:夏のシーン

通路では、人が歩くたび、水面に新たな波紋が広がる涼やかな演出が実施される。

塔影の池周辺の通路:夏の演出
塔影の池周辺の通路:夏の演出

■[秋]舞い散る紅葉と大内文化の歴史

朝日が五重塔を照らし、紅葉が色付き地面に散り積もるなか、五重塔は何度もさまざまな色に塗り替えられ、最後には一筋の流れ星の輝きを浴びる。こうしたシーンは、大内文化の長い歴史と移ろいゆく時代の流れを象徴し、落ち葉が肥しとなって大内文化が後世に受け継がれていく様子を描いているのだそう。長い歴史のなかで、変わったものと変わらずに受け継がれてきたもの、現在の山口に息づく大内文化とは何かを問いかける表現がなされている。

五重塔デザインシート:秋のシーン
五重塔デザインシート:秋のシーン

通路では人の動きに合わせ落ち葉が舞う演出を実施。

塔影の池周辺の通路:秋の演出
塔影の池周辺の通路:秋の演出

監修は舞台芸術監督の森弘一郎さん

森弘一郎さん
森弘一郎さん

日本のダンスシーンを経て渡米。その後、舞台芸術の世界を知り、北欧デンマークを中心にヨーロッパへ活動の場を広げる。ダンスの枠を越え芸術的表現者として舞台芸術の道へ。劇場公演「くるみ割り人形HIPHOPバージョン」をはじめ数々の舞台でデンマーク国内最高評価六つ星を取得。同作品では、デンマーク最高峰の劇場アワード「Reumert Award」において3部門を受賞。「Danish Culture Canon」児童文化部門にも選ばれる。海外だけでなく日本の伝統文化や歴史に触れながら幅広く活動をしている。

「昇華-shouka-大内文化」プロジェクションマッピング概要

開催期間:2024年9月8日~2025年1月3日(金)

開催時間:19時30分〜22時(9月)、18時30分〜22時(10月)、18時〜22時(11月以降)

※12月31日は18時〜24時30分

開催場所:香山公園(山口県山口市香山町7-1)

※土日祝は山口県庁駐車場も利用可

今回の企画について担当者に話を聞いてみた。

ーー今回の企画の狙いは?

このプロジェクションマッピングを通して、大内文化の魅力を国内外の幅広い世代の方に体感していただくことで、国宝瑠璃光寺五重塔のさらなる認知度向上と本市への観光誘客の促進を図ることを目的としています。

ーー今回の企画のイチオシは?

世界的に活躍する舞台芸術監督森弘一郎さんによる監修で、映像と音楽で表現された大内文化の世界観は必見です。また、五重塔へ映し出されるプロジェクションマッピングの映像に合わせ、人の動きに反応して映像が変わるインタラクティブ体験は、大人から子どもまで時間を忘れるほど楽しむことができます。

ーーユーザーへのメッセージは?

山口市が誇る大内文化の最高傑作である国宝瑠璃光寺五重塔改修中の、今しか見ることができない特別なプロジェクションマッピングをお楽しみください

五重塔を覆うデザインシート上で躍動するこの特別な作品が鑑賞できるのは今だけ。貴重な機会を逃さないよう、現地に足を運んでみてはいかがだろうか。

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