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アラフォーにこそメリット大! 推し活で自己肯定感を上げる【ヴォーグなお悩み外来】

  • 2024.9.29

推し活のメリットを最も受けているのは40代〜50代

Cheerful female friends enjoying at music festival

推し活は、特に20代など若い女性を中心に活発だ。100年生活者研究所の調べによると、推し活をしている20代〜30代は23.7%に対して、40代〜50代は15.2%。アラフォーにとって推し活はあくまで若い世代のトレンドで、少し他人事かもしれない。しかし実は、前半で詳しくご紹介した「推し活のメリット」をもっとも受けているのは、40代〜50代だそう。

「推し活をすることによって得られる精神的、身体的、社会的メリットは、40代〜50代が全体に高めの傾向にあります。20代〜30代に比べて、特に得られた効果として高いのは『出会いや友達が増えた(1.9倍)』『行動範囲が広がった(1.7倍)』『人との話題や会話が増えた(2.0倍)』『積極的に出かけるようになった(1.7倍)』でした」と、100年生活者研究所 研究員の髙橋薫さんは述べる。

10代20代の頃と比べると、結婚や子どもができることで気軽に友人と出かけたり飲んだりする機会が減少するアラフォー世代。彼らにとって、推し活は家族以外との交流の一因となっているのかもしれない。

社会的に孤立せずに心の安定が得られる

Two women are sitting and talking

髙橋さん自身、40代になって推し活を始め、たくさんのメリットを感じているそうだ。

「コロナ禍を機に、あるキャラクターにハマりまして。それまではまさか自分が推し活をするとは思っていなかったので、自分のことながら驚きました。今では、推しのグッズを買い漁ったり、推しが登場するイベントをインターネットで探して出かけたり、他の推し仲間とSNSでつながったりと、すっかり楽しい日々を送っています。推しがいることで仕事の合間に息抜きができ、心と頭の切り替えにもなります。また、イベントに参加するために今日も頑張ろうとか、会いに行くためにおしゃれをしようなど、活力も湧いてきますね」

イベントで出会った人と仲良くなったりと、交友関係もグッと広がったと続ける。

「そこで出会った60代の女性も、『まさかこの年でここまで愛情を持てるものに出会えるなんて!』と驚いていました。やはり共通の推しがいると一気に仲良くなれますね。推し活で得られた仲間、人間関係は私にとって宝物。仲間ができることによって社会的に孤立せず、心の安定が得られています」

推しを公言することは自分を肯定すること

Happy Valentines day background concept with megaphone, speech bubble heart shape, copy space text, 3D rendering illustration

推しができたことで、自己肯定感が高まる効果も実感しているそう。

「推しを恥ずかしがらずにオープンにすることは、社会に対して自分を自由に曝け出せているということ。だから自然と自分を肯定できるようになるのだと思います。わざわざ透明のバッグにキャラクターのグッズを入れるのが流行ったりと、今の日本には自分の推しを堂々と自己開示できるカルチャーが広がっていると感じますね。昔は自分が興味のあるアニメや漫画やゲームをアピールするのはオタクのイメージがありましたが、今は恥ずかしくなく公に言えるように社会が変わってきたのです」

「周囲に、対象がいることを公言している」人の割合は、推し層の約8割を占めるという。そして、この「公言の文化」は、推し活がここまで広がってきた要因のひとつでもあると、髙橋さんは分析。「SNSの普及や応援消費文化の浸透、イベント文化の発展、そして『他者に自分が興味のあるものを公言する文化』の広がりが、推し活をここまでメジャーなものにしたのだと考えます」

とりあえず出会いの場に行ってみよう

Group of people dancing at a music venue.

推し活のメリットは分かった。でも、残念ながら自分には推しがいない……。そんな人にアドバイスをするとしたら?

「まずはオープンになることが大切です。推すまでには至らなくても、自分が好きなものをSNSや友人にオープンにすることで、新たに興味を持つものと出会えるかもしれません。また、行った先で推しになるというパターンもあるので、友人の推しが出演するイベントに一緒に参加してみるというのもおすすめです。とりあえず出会いの場に出かけてみるのがいいのではないでしょうか」

パートナー探しと同じように、まずは出会いの場をつくるのが良さそうだ。推しの対象として人気が根強いのは、アイドルや歌手、ミュージシャンとのこと。友達と一緒に人気ミュージシャンのイベントに参加することから始めてもいいのかもしれない。

「今は推しがいなくても、ある日突然、心を奪われるような対象と運命的に出会う可能性があります。自分に合った推しとの出会いを楽しみに、前向きに行動してみてください! ウェルビーイングにつながる推し活に出会えるチャンスがあることを心に留めておき、心身ともに健やかで社会的にも豊かな生活を手に入れていただけたらと思います」。“アーティストの曲を聴き元気になれた時にとても幸せを感じ、感謝の気持ちがあふれて、周りにも自分にもより優しくなろうと思える”

“行動的にも知的にも世界が広がりました。また、過去の推し活した経験が、苦しい時にも今も頑張る力になる”。100年生活者研究所には、このような、推し活で人生が満たされるという声が多く届いている。推し活は若者のトレンドにとどまらず、私たちのウェルビーイングを高めるための重要な活動であると言ってよさそうだ。

髙橋 薫さん

100年生活者研究所 研究員。経営学修士。広告会社でマーケティング職、営業職、管理部門に従事。社会が様々な立場の人々の支え合いで成り立っていることを日々実感し、人生100年時代をどうしたらポジティブに生きていけるか、「多様多幸」に生きるヒントを探求している。40代で推し活をスタート。

Text:Kyoko Takahashi Editor:Kyoko Muramatsu, Yuna Shibata

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