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有村智恵が日本女子オープンの展望を予想!「フェードヒッター」が有利なワケとは?

  • 2024.9.29

有村智恵プロの連載第五弾。2024年日本女子オープンは3日目が終わり、竹田麗央と山下美夢有が首位で最終日を迎えました。そんな名勝負を予感させる戦いの展望を有村プロに語ってもらいました。

ハードなセッティングが実力者達の名勝負を生む

こんにちは、プロゴルファーの有村智恵です。いよいよ日本女子オープンですね! やっぱりナショナルオープンは雰囲気が違います。日本人に生まれたからには、絶対欲しいタイトルです。プロだけではなく、日本女子アマチュア選手権や日本女子ミッドアマチュア選手権の優勝者などにも出場権があるんですけど、プロアマ関係なく、その年のチャンピオンが決まるということで自然と選手たちの気持ちも高まってくるんです。

さて、今年の開催コースは大利根カントリークラブ西コースです。私も出場した2010年の日本女子オープンも同じコースだったのですが、そのときは東コースでの開催でした。東コースはドローヒッター向きの印象が強くて、フェードヒッターの私にはとても難しかったことを覚えています。今回開催の西コースはフェードヒッター向きとの評判を聞きました。大会史上最長の6,845ヤード・パー72の設定と深いラフ。これだけ聞くと飛ばし屋のフェードヒッター有利の予想が浮かんできますね。

好調を維持している竹田麗央選手なんかは、まさにそのタイプです。でも、大利根カントリークラブ全体の印象からすると、一概にそうは言い切れないと思っています。松林とバンカーが巧みに配置されている日本らしい名門コースなので、グリーンが左右どちらにあるのか、ピンポジションがどこかによってはフェアウェイにボールがあっても全く狙えないこともあります。飛距離が出る選手ほど松に近づきすぎて球を曲げる幅がとれなかったりするんです。やっぱり確かな実力者でないと上位で戦えないと思いますね。

出場選手を見るだけで楽しみになるメンバーが揃っていますね。まずは、なんといっても古江彩佳選手。海外メジャーを制して世界ランキング8位と現在の日本NO.1プレーヤーです。ショットの正確さと気持ちの強さ、パッティングの上手さを考えると4日間トップを走り続けて圧勝してしまってもおかしくないです。迎え撃つ日本勢も楽しみです。先ほど名前をあげた竹田麗央選手。賞金女王へ向けて国内ランキングトップを走っていますしコースとの相性も良さそうです。現在ランキング2位につけている昨年の賞金女王山下美夢有選手。今年はまだ優勝がありませんがパリオリンピック4位など好調を維持していますし、そろそろ勝利の女神が微笑みそうです。個人的にも勝たせてあげたい!って思っちゃいます。そして過去4年の間に2度優勝しているディフェンディングチャンピオンの原英莉花選手も忘れてはいけません。昨年もそうでしたが、彼女は女子オープンの週に急に調子を上げてくる印象です。気持ちの高まりを力に変えるのが上手い選手だと思います。そして忘れてはいけないのが上田桃子選手や申ジエ選手のような実力者たち。ハードなセッティングで激戦が予想されるだけに、経験豊富な彼女達も必ず上位に顔を出すはずです。

最後に1人、個人的にどうしても気になる選手がいるんです。アマチュアの山本優花選手。実は2014年から子供たちの夢をかなえるプロジェクト「智恵サンタ」という活動をしているんですが、彼女は子供のころに参加してくれたんです。まさしく夢を叶えて日本女子オープンの舞台に立ってくれました。とても感慨深いです。私も復帰したら一緒にトーナメントで戦いたいと思っています!

有村智恵

●ありむら・ちえ/1987年生まれ、熊本県出身。159cm。通算14勝(メジャー1勝)4月に双子の男の子を出産。

構成=岡田豪太
写真=田中宏幸
協力=取手国際ゴルフ倶楽部

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