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刑事ドラマの犯人の似顔絵は似すぎちゃダメ?ドラマの現場で働くイラストレーターが知られざるテレビ業界の裏側を描くお仕事マンガ

  • 2024.9.28

世の中には、ドラマに登場するイラストの製作や俳優さんへの絵の描き方指導などを専門とするイラストレーターが存在する。竹書房のコミックエッセイ大賞「手塚るみ子賞」を受賞した『進め!イラストレーターin無茶振りテレビ業界~24時間眠らない現場~』(こいけまり/竹書房)は、テレビ業界ではたらくイラストレーターの知られざる仕事風景を描いたお仕事マンガだ。

作者のこいけまりさんは、刑事ドラマの犯人の似顔絵や時代劇の墨絵、タトゥーなどを描いているちょっと特殊なイラストレーター。単にイラストを描くだけでなく、時には俳優さんの代わりに手元のみドラマに出演することもあるという。

中でも印象的なのは、刑事ドラマで使われる犯人の似顔絵製作のエピソードだ。スタッフから犯人を演じる俳優さんの写真を渡され、それを参考に似顔絵を製作したこいけさん。上手に描きあげ、ディレクターにチェックしてもらうも「ちょっとそっくりすぎるなぁ」と言われ、描き直しを要求されてしまう。

そう、刑事ドラマでは犯人の似顔絵が「似すぎていてはダメ」なのだ。実際の似顔絵は目撃情報をもとに描かれるため、似すぎることがない。そのため、より本物っぽさを出すためにあえて曖昧な感じが必要なのだという。こうした「へえ!そうなのか!」と唸るようなドラマ現場の裏側を知れるのが何とも楽しい。

だが、その場で描き直しを要求されたこいけさんにとってはたまったものではなかっただろう。実際、要求に応えようと何枚も描いていく内にゲシュタルト崩壊を起こし、犯人の似顔絵製作は迷走を極めてしまっていた。

長すぎる待機時間で気を遣ってくれる俳優さんや、似顔絵を実際よりキツい表情で描かなければいけない悪役俳優さんなど、こいけさんの忙しすぎる日々にはさまざまな人物が登場。こいけさんが「魔界」と呼ぶほど混沌としたテレビ業界の裏側がたっぷり描かれているので、隅から隅までじっくりと楽しんでもらいたい。

文=ネゴト / 押入れの人

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