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気絶するように寝て朝を迎えるのは、仕事のストレスと私なりの抵抗

  • 2024.9.28

社会人として働き出してしばらくした頃、私は眠れなくなった。睡魔がなくなったわけではない。寝ようとすると目が覚めて、30分、1時間と時間が経過していく。寝たという感覚はなく、ふと目を覚ますと夜中であたりはまだ暗い。そんな夜を何度も繰り返した。

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原因はわかっていた。仕事のストレスと、私なりのかすかな抵抗だ。私の中から出ていた、小さなサイン、もとに戻そうとしても治らず、さらにストレスとして蓄積していった。気がつくと1ヶ月ほどは同じような状態を繰り返していただろうか。寝られない夜があたり前のようになり、いつしか職場では顔色が悪いと言われるようになった。

私の抵抗といっても、自分の意志で寝ない選択をしたわけではない。むしろ逆だ。仕事に支障が出ないように、睡眠時間を確保する目的で就寝時間を決めていた。それを守ろうと意識をしていた。ベッドに入る時間を決めて、毎日同じ時間に寝ようとした。仕事から帰ってくると、疲れが眠気とともにやってくる。一度座るとソファーで眠ってしまうくらい似つかれている体をなんとか奮い立たせて、夕食を食べ、シャワーを浴びた。寝てしまうと就寝時間に眠たくなくなると思ったからだ。しかし、とてつもなく眠たいと思っていたことをすっかり忘れるように消えた睡魔。就寝時間になりベッドに入って布団をかぶると、ぱっちりと目が冴えたのだ。

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寝たい、仕事に支障をきたしたくない、という思いとは裏腹に、目をつむることがしんどくなった。たまらず目を開けて、暗くなった部屋を見渡す。何分見ても変わり映えしない部屋の中を何周も見回す。それでも眠くならない自分に嫌気が差し、ストレスで眠れなくなる悪循環を繰り返す。目を閉じているだけでも休息できていると体は感じるらしいと聞いてからは、せめて目だけは閉じようと無理やり目を閉じた。

気持ちよく目が覚める時間が来たと思い目を開けるとあたりはまだ暗い。スマホで時間を確認すると、時刻は深夜の1時。たった2~3時間しか寝ておらず、まだ夜明けには時間があった。また目を閉じるが、眠たくないため意識ははっきりとある。ただ横になって目を瞑っているだけ。いろんな考えが頭を巡るので、また眠れなくなった。次に意識がはっきりしたのは朝の4時。気絶するように寝ていたのだろう。夢を見た記憶はなく、ハッと飛び起きるような感覚だった。起床時間にはまだ少し早いため、横になったままで時間の経過を待つ。

たまにもう一度気絶しながらも、起床時間までの時間を潰した。時間が来たので体を起こしてベッドから出る。そのときに感じる絶望感と、不思議なくらいの体の重さに、また深くため息をついた。どうして眠れないのだろう。スッキリ起きられるには何をするとよいのだろう。スムーズに眠りにつける姿勢や布団のかけ方、枕を変えるなどいろんなことを試してもだめだった。

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夜眠くなかっただけかも知れないと思ったこともあったが、帰宅後は意識を失うくらい眠い。出勤前もこれでもかという睡魔がやってきて、毎朝出勤前に仮眠時間を取ることがルーティンになった。夜に深く眠れなかった反動を日中に取り返そうとしていた。

ただ、面白いことに、この現象は休みの日には起こらなかった。遅く寝て早く起きても熟睡できた。仕事が絡むと出てくる現象。体のSOSなのだと気づいてからはできるだけ体のサインを逃さないように耳を傾けた。

今はすでに改善しており、ぐっすり眠れている。楽しい夢も見る。朝が重たいときは変わらずあるが、これは多くの人が感じている程度だろう。改善のポイントは、仕事をやめたこと。仕事がストレスとなっておきた眠れない夜の日々。環境を変えたことでいつものように眠れるようになった。寝ることが楽しみになったときもあり、自分の体をいたわれるようになった。

眠れなかった夜のことは今でも鮮明に覚えている。それだけいつもと違う感覚があったのだろう。深夜の情景を描く今どきの曲が、切なさや哀愁を連れて妙にリンクしたような感じがした。

■kanon.のプロフィール
自分らしさ、今を楽しむためには、を考える駆け出しの社会人。 HSPの持ち主。強みに変えられる生き方を探し中。

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