50セント、恐喝と性行為目的の人身売買で逮捕されたショーン・コムズのドキュメンタリーをNetflixで製作

50セントがNetflixと組んで、ショーン“ディディ”・コムズにかけられた恐喝や性行為目的の人身売買、暴力行為などの容疑を描くドキュメンタリーを製作する。『レジー 伝説の大リーガー』や『コーマン帝国』など、著名人の半生をドキュメンタリーにしてきたアレックス・ステイプルトンが監督を務める。それぞれ自身の制作会社を通じて総指揮を務める2人は、声明でこう述べた。

「これは、人類に大きな衝撃を与える物語です。数十年に及ぶ複雑な背景を綴り、メディアで注目を集めたスキャンダルや、すでに陽の目に晒されている映像だけに留まりません。我々は確固たる信念を持って、声なき人の声を聞き、当事者による細やかな視点でお伝えします。彼にかけられた疑惑は非常に不穏なものですが、ショーン・コムズの物語が、ヒップホップとそのカルチャーのすべてではありません。一個人の行動が、広く貢献してきたこのカルチャーに影を落とさないよう訴える所存です」

先週、ニューヨークで逮捕、起訴されたコムズは、9月17日（現地時間）に行われた罪状認否で無罪を主張し、5000万ドル（約70億円）を担保に保釈を要求したが認められず、拘留されている。起訴状によると、コムズは長年にわたり、女性に対して暴力や虐待を行ったほか、意思に反することを強要し、「フリーク・オフス」という乱交パーティーでは、数日間にわたって女性たちに男性セックスワーカーとの性行為を強要し、その様子をカメラに収めることもあったとされる。検察は、目撃者や被害者の証言を得ているほか、ホテルの記録や使用された備品、録画映像も入手しているようだ。

50セントは昨年12月、自身の制作会社G-Unitでコムズのドキュメンタリーを製作すると発表。当時コムズはすでに4人の女性から訴えられており、50セントはX（旧ツイッター）にて、コムズが女性たちのシャンパンにあらかじめアルコールを混入させていたことを証言するラッパーのマーク・カリーの映像をシェアしていた。

ドキュメンタリーの収益は、性的暴行の被害者支援に使われるという。

Text: Tae Terai