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新木優子が明かす“不都合な記憶”とは? 空回った経験を「改ざんしたい」

  • 2024.9.27
新木優子 クランクイン! 写真:上野留加 width=
新木優子 クランクイン! 写真:上野留加

石川慶が監督と脚本を務めるAmazon Original映画『不都合な記憶』が、Prime Videoにて9月27日より世界独占配信される。本作の舞台は、人類の宇宙移住が進んだ近未来。宇宙に浮かぶ高級レジデンスに暮らすナオキとマユミは、一見誰もが憧れる完璧な夫婦だ。しかしゆがんだ愛情を持つ夫のナオキは、自分を愛してくれていたころの妻を求め、彼女をアンドロイドにして何度も作り変えていた。マユミを演じるのは、多くの映画やドラマで主演、ヒロインを務めてきた新木優子。そんな彼女が自身の人生のなかで“不都合な記憶”だと思っていることとは?

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■アンドロイドならではの動きに注目

――最初に台本を読んだときの感想を教えてください。

新木:まず、宇宙での生活が舞台になっているというスケールの大きさに驚きました。SFというジャンルに挑戦するのが初めてだったこともあり、最初に読んだときは想像がつかない世界観でした。一方で、内容自体は人間味があるという点が、とても印象的でしたね。

――宇宙に出ても人間は変わらないところがあると感じられるストーリーになっている。

新木:そうですね。どこまでいっても人間らしさを失わない、もっと言えば、そう簡単に変われるものじゃないと思わせてくれる内容でした。きっと、人が宇宙で暮らせるようになる時代は、まだまだ先だと思いますが、それでも、「きっとこうなるんだろうな」と、台本を読み終えたときに感じていました。

――本作で新木さんは、科学者の夫によってアンドロイドにされた妻・マユミを演じます。アンドロイドという役を演じる機会はそう多くない気もしますが、演じるのは難しかったですか?

新木:アンドロイドならではの動き方をするのが難しかったですね。例えば、人間なら崩れ落ちてしまうけれど、アンドロイドだから固まって硬直してしまうというシーンなどは、体的にきつい体勢で撮影していました。舞台が宇宙空間なので、重力を感じさせないように動かないといけないのも難しかったです。

――そういう意味では、動きの面も注目の作品。

新木:そうですね。無重力に見えるよう頑張りました。

――心情面では、マユミを演じるうえで意識していたことや難しかった点はありましたか?

新木:マユミはナオキに何度も作り直されるので、バージョンがいくつもあるんです。ただ、だからといって彼女の性格が変わる訳ではない。その都度で何かの記憶が欠落していくという点を意識する必要はありましたが、1人のマユミという存在であるのは変わらないので、心情面はあまり悩むことなく演じられましたね。

■タイの“チャトゥチャック市場”に行きました!

――石川監督からはどのようなディレクションがありましたか?

新木:先ほどお話したアンドロイドらしい動きや、皮膚がえぐれたときの吐息の漏れ方などは監督とすり合わせながら撮影していました。ただ、全体を通じて「こうして欲しい」とディレクションされたことはあまりなかったです。というのも、撮影に入る2週間前から(撮影地の)タイへ訪れて、撮影の準備をする時間があったんです。その期間中に監督と(ナオキ役の)伊藤英明さんと台本を読み合わせする時間もいただけて、作品の理解を深めることができました。

――事前に理解を深めて共有する時間があったから、撮影時にはそれほどディレクションがなかった。

新木:そうだと思います。


――本作は長期に渡り海外で撮影が行われたと聞きました。その中で、日本での撮影との違いを感じることはありましたか?

新木:タイは日本よりも暑かったです。でも、建物に一歩入ると今度は空調が効いてすごく寒くて(笑)。その温度差が体的には厳しかったですね。体調を整えるという面では、特に気をつかっていました。

――食事はいかがでしたか?

新木:ご飯はおいしかったです! お米もありましたし、辛いものを食べ過ぎないようにすれば、特に問題なかったです。あと、滞在していた場所の近くには、ありがたいことに日本食が売られているスーパーがあったんですよ。日本のものが恋しくなったら、そのスーパーに行けばそろえることができたんです。それも心の支えになっていました。

――私、大人になってから海外に行った経験がないのですが、日本食とかも置いているんですね。

新木:もちろん行く場所にもよると思いますが、海外でも日本を感じられる飲食店はありますし、日本食のレストランもありますよ! 海外の観光地などで、日本でもなじみのある食べ物が置いてある場所は、意外とある気がします。

――新木さんはご自身のYouTubeチャンネルでいろいろな場所に旅されています。撮影でタイに滞在中も、合間の時間でどこかへ行くことはできましたか?

新木:“チャトゥチャック市場”に行きました! アクセサリーや家具などいろいろなものが集まっていて、見て回るだけでも楽しかったです。観光地としても面白かったですし、タイを存分に感じられる場所だったので、思い出に残っていますね。あと大きなショッピングモールにも行きました。もうテーマパークみたいでしたね。地下の食品エリアには、タイの伝統的なお菓子がいっぱい売っていたりご飯も楽しめたりしてワクワクしました!

――思い出もたくさん作れたんですね!

新木:はい。海外に2ヵ月半も滞在したことがなかったので、最初は「どんな風に過ごせばいいんだろう」と思っていましたが、純粋に楽しかったですし、あっという間でしたね。

■空回ってしまった記憶を改ざんしたい

――本作は『不都合な記憶』というタイトルですが、新木さん自身が取り消したい“不都合な記憶”はありますか?

新木:なんだろう…。例えばバラエティー番組に出させていただくことがあるんですが、バラエティーって不思議なものでして。何か面白いことをしなきゃ!みたいな気持ちに勝手になってしまうんです。その結果、番組中に空回ってしまった経験が何度もあるのですが、その記憶を改ざんしたいですね。

――改ざん!

新木:はい(笑)。皆さんの記憶からは消さなくてもいいんです。私のなかで「上手くいった!」という記憶に改ざんできれば(笑)。


――最後に、作品を楽しみにしている方々に見どころを含めたメッセージをお願いします。

新木:人って生きていくうえで、自分が見えていないところでも、誰かに支えられて生きることができていると思うんです。本作を通じて私は、1人ではできないことがあるし、生きていけないということを改めて実感しました。“人と生きる”ということについて考えさせられる作品です。ナオキという人物は道を踏み外してしまったかもしれませんが、私は誰しもが彼のようになりうる危険性を抱えている気がします。考えるきっかけになる作品だと思いますので、年代や性別を問わず、様々な方に作品を見ていただきたいですね。

(取材・文:M.TOKU 写真:上野留加)

Amazon Original映画『不都合な記憶』は、Prime Videoにて独占配信中。

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