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「ママなのに」「産後なのに」って妬み? 過ぎた“褒めハラ”で周囲に引かれたママ友の謎行動に絶句

  • 2024.9.27
近頃は褒められるのさえも「褒めハラ」として嫌う人がいるという。実際、度が過ぎると嫌われる原因になるのも確かなことだ。ある40代女性は、近隣のママ友となじみたいがために褒めまくるママの言動がうっとうしく感じることすらあるという。
近頃は褒められるのさえも「褒めハラ」として嫌う人がいるという。実際、度が過ぎると嫌われる原因になるのも確かなことだ。ある40代女性は、近隣のママ友となじみたいがために褒めまくるママの言動がうっとうしく感じることすらあるという。

芸能人や著名人の見た目の若さを過剰に持ち上げるネットの反応や、それを取り上げた記事が、最近、“褒めハラ”と言われているらしい。

「出産したのにキレイ」「還暦なのに若い」など、「○○なのに」がつくのが特徴かもしれない。これは「○○」部分の固定観念に縛られている人が多いという証左でもあるだろう。

「ママなのに」「産後なのに」は妬み?

「ママなのに、ママに見えない自由さ」があったり、「産後なのにキレイに体型が戻っている」という一般人にはなかなかできないことを見て、ある種の妬みやそねみもあるのかもしれない。だから「褒めハラ」とハラスメント扱いされるのだろう。

昔から「褒め上手」になったほうがいいと言われていた。褒められて悪い気がする人はいない。褒めたほうが人間関係がうまくいくという「知恵」でもある。その一方、「褒め殺し」という言葉もあった。それが今では「ハラスメント」と言い方が変わった。

なんでもかんでも「ハラスメント」にすればいいというものではない。ひとつの事象やできごとについては、表裏のみならず、360度さまざまな意見があるのは当たり前。いいかげん、固定観念を取り払い、「あの人はあの人」「それも個性」と言える世の中になればいいのだが……。

「褒め上手」なママ友が嫌われるわけ

「褒めハラという言葉はどうかなと思いますが、ただ、褒めハラとしか言えないママ友がいるのも事実です」

そういうのはエリカさん(40歳)だ。9歳のひとり娘がいるのだが、半年前に転校してきた女児のママであるリナさんが、まさに褒め上手を超えた褒めハラを繰り返しているのだという。

「転校生だから、子どももママも、みんなで受け入れましょうという雰囲気だったんですよ。リナさんも溶け込もうと必死だった。彼女が必死になるのは、子どもが早く学校や友だちになじむためです。

気持ちがわかるから、私も家で娘に、仲よくしなさいねって言ってたんです。子どものほうは問題なく学校になじんでいったんですが」

問題だったのはリナさんの言動。「褒め言葉」が過ぎるのだ。ときに相手の思惑を超えたような言葉が飛んでくることもある。

「知的な方は違う」「とってもきれい」って……

「うちは子ども同士が同じクラスだし、家も同じマンション、同じフロアなので、彼女にとっては近づきやすかったんでしょう。私は共働きなんですが、彼女に会うと『わあ、エリカさん。今日も素敵なファッション。さすがですね、知的な方は違うわ』って。

最初は悪い気はしなかったけど、とにかく顔を見ると褒めまくる。仕事が忙しくて疲労がたまり、目の下にクマをつくっていたときでさえ、『キャリアウーマンって、どんなときもお肌の手入れも欠かさないんでしょう。とってもきれい』って。いや、このクマが見えないのかとツッコみたくなったくらいです」

着ているもの、外見、さらに持ち物まで毎度褒めまくられると、会うのがうっとうしくなっていったという。

「娘のことも夫のことも褒めまくる。うちなんて、ごく普通の共働き夫婦で、ふたりで働いたって収入もたかが知れてる。それなのに『親御さんの社会的地位が高いと、娘さんも立派に育つのね』って。ほとんど嫌味に近くなりますよね、それって(笑)」

褒めハラに引かれて謎行動に出た

ところがリナさんには、皮肉を言っている気配はない。本気で、いつでも褒めなければと思っているようなのだ。だからかえって、リナさんの本音が読めない。

「防御のように褒め言葉を繰り出すのは、彼女自身が心を開いてないからなんでしょう。それがわかるから、徐々にママ友が引いていく。そうするとさらに焦ったリナさんは、いろんな人に物をあげるという行為に出ています。

私もある日突然、真っ白なカシミヤのマフラーをもらったんですよ。『私がするより、あなたのほうが似合うと思う』って。

そんなものをもらう理由がないと返したんですが、ママ友の中には『ある日突然、キャビアをもらった』『もらいものなんだけどと、行列しないと買えない店のクッキーを持ってきた』と高級品で攻めまくられた人もいます。

もらう人もいれば、私のように返す人もいるみたいだけど、いったい彼女は何がしたいのかともっぱら噂だけが一人歩きしてる」

このままだと彼女の孤独は深まるばかり。褒めても褒めても、人の心がつかめるわけではないと言いたいのだが、それが彼女を傷つけるのではないかとエリカさんは心配になって何も言えずにいるそうだ。

「何人かのママ友と、このままじゃまずいよねと言いつつ、どうしたらわかってもらえるかで頭を悩ませています。中には、『言葉や物で人の心を支配しようとしている』と言い出している人もいるから、放置しておいていいとは思ってないんですが」

自分が自分であるままに人付き合いをすればいいのにとエリカさんは思う。だが、そうでない人がいるのを目の当たりにすると、説教くさいことを言うわけにもいかない。頭が痛いですよと、エリカさんは苦笑した。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。

文:亀山 早苗(フリーライター)

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