新木優子、“夫役”伊藤英明の狂気じみた演技に「本当にこういう人なのかも？って思ってしまうぐらい怖さも感じた」

【写真】一見すると普通の幸せそうな夫婦に見えるのだが…狂気をはらんだ“近未来ならでは”の2人

俳優の伊藤英明と新木優子が、9月26日に都内で開催されたAmazon Original映画「不都合な記憶」配信記念イベントに登場。初共演ながら相性がいいなと思ったエピソードなどを語った。

「不都合な記憶」とは

同作は西暦2200年の人類の宇宙移住が進んだ近未来を舞台に、天才科学者・ナオキ(伊藤)が自身の理想をかなえるために妻・マユミ(新木)をアンドロイドにし、歪んだ愛情を追求していく…という近い未来、身近に起こり得る“究極の愛の形”を描くサイコパスサスペンス・ロマンス。石川慶監督がメガホンをとり、2カ月に及ぶタイでの撮影を経てこのほど完成を迎えた。

西暦2200年の“完璧な夫婦”役を務めた伊藤と新木は、これが初共演。演じる上でお互いに相性がいいなと思った部分について聞かれると、伊藤は「長期にわたってタイで撮影していたので、たまに日本が恋しくなり、お米が食べたいなっていうタイミングで新木さんが、撮影で忙しい中、スタッフも含めて共演者の皆さんにおにぎりを振る舞ってくれて。そのおにぎりの具もすごく考え抜かれた具で(笑)。天かすにめんつゆみたいなもので、懐かしさというか、それでエネルギーをもらって活力が出て撮影に臨めました」と、ちょうど日本が恋しくなっているタイミングに、新木から日本食を振る舞われて感激したというエピソードを明かす。

それを受け、新木は「初期のほうにも振る舞ったんですけど、着いてからしばらくタイの生活になじむまで時間がかかり、結構私も(日本が)恋しいなって感じるときもあったので、そのタイミングとか。監督はもっと早くからタイに入られて準備していたとお伺いしたので、自分も食べたいし、ぜひ皆さんにも食べてもらおうと思って振る舞いました(笑)。タイの方にもおいしいって言ってもらえたのがうれしかったです」と当時を振り返った。

そんなふうに初共演ながらチームワークもばっちりだった2人だが、伊藤が演じるナオキはかなり歪んだ愛情を持つキャラクター。長期滞在での撮影ということで、撮影に入る前から台本について、物語についてなど、監督を交えて3人で熱量たっぷりにディスカッションしてきたという。

その上で、伊藤と対峙(たいじ)した新木は「感情を表すアクションだったり、そういったことの一つ一つをしっかりと納得できるように、すごくみんなで考えて諦めずにずっと話し合い、いろいろとスパイスを頂いて、私も気付かなかったところも教えていただきました」と回顧し、「私のいないところで(伊藤らが)撮影しているところを見学させていただいたときも、本当に英明さんじゃない、ナオキがそこにいる、というのが分かるぐらい全然違っていて。そもそもナオキと英明さんは全然違うキャラクターなんですけど(笑)。英明さんは情熱的で紳士的で、優しい方なのにすごく猟奇的な役を演じていて。その猟奇的なところが本当にこういう人なのかも？って思ってしまうぐらい怖さも感じて、本当に勉強になりました」と、間近で伊藤演じる狂気じみた夫・ナオキを見た印象も語っていた。

もし宇宙に持っていくとしたら何を…？

また、作品にちなんで実際に宇宙で暮らすとしたら何を持っていくか、というフリップトークも。

伊藤は「植物の種」と発表し、「こういう質問って細かい設定が分からなくて、無人島に持っていくなら？みたいな質問(の答え)なんですけど(笑)」とした上で、「宇宙で長く生活するならば、地球がダメになったのかなってところまで想像したんです。いろいろと植物の種ってありますけど、それを持って行って宇宙での生活に役立つようなものを育てて行きたいなと思いました」と、リアルな生活を見据えた答えを。

一方、「カメラ」と発表した新木は「私は英明さんとは全然違う設定で考えていて…たぶんもうご飯があって、暮らしていける宇宙に行くんだろうなと。ナオキとマユミみたいな宇宙に行くのかなって思っていたのでカメラを」と違う角度からの答えであると明かし、「そうじゃなかったとしても、自分の見たものを目だけでは収められないというか、自分が生きてきた証みたいなものを(残したい)。私自身もカメラで写真を撮るのがすごく好きなのですが、宇宙空間の写真を撮ることって現実には生きているうちにかなうか、かなわないか…って感じなので、ぜひそういう機会があったら写真を撮りたいなと思って、カメラにしました」と、近未来に思いをはせていた。

Amazon Original映画「不都合な記憶」は、9月27日(金)よりPrime Videoにて世界独占配信される。

◆取材・文・撮影=森井夏月