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身近に潜む危険を遠ざける! 後悔しないための「防犯」

  • 2024.9.25

身近に潜む危機を遠ざける

後悔しないための防犯

シティ読者に行ったアンケートでは、自身や家族・友人が犯罪被害に遭ったエピソードが多数寄せられました。こんなにも身近に危険はあふれているのに、「自分だけは大丈夫」と思ってしまうのはなぜ…。被害に遭って後悔しないために、今からできる防犯対策を始めましょう。

出典:シティリビングWeb

・マンションの入り口のオートロックを開けた瞬間、死角に潜んでいた人が飛び出してきて中に入ってしまった。(R.H)

・オフィス内で置引が発生。外部からの侵入者による犯行でしたが、社内が疑心暗鬼に…。(Y.U)

・予定のない来訪があったので居留守を使っていたら、傘でドアを叩くなどしていた。怖かった。(E.W)

・外食中にトイレにバッグを忘れたことがあります。ほんの数分で気づいて戻りましたが、お財布からお札だけが抜き取られていました。(S.K)

・交通系ICに数万円をチャージして満員電車に乗ったらスリに遭いました。チャージした時から目をつけられていたらしい。(S.A)

※アンケートはシティリビングWebで7/25~8/14に実施。有効回答数555

日本の犯罪件数って増えているの?

令和4年に20年ぶりに増加したことがニュースになりましたが、コロナ禍の影響が大きいため、悲観しなくてよい数字です。令和6年でちょうどコロナ前の水準に戻るとされており、注目すべきは令和7年の数字。ここでどう動くかで世の中の事情が見えてきます。(防犯アドバイザー・京師美佳さん)

出典:シティリビングWeb

自分の身は自分で守る世の中に

置引、盗難、不審者…危険を回避するためにはどうすればいいの?シティ読者から寄せられたエピソードを基に、有効な対策を聞きました。

出典:シティリビングWeb

教えてくれたのは…京師美佳さん

防犯対策専門家、防犯アドバイザー。自身の犯罪被害の経験から、被害に遭う人を減らしたいという思いで活動をスタート。さまざまなメディアでセキュリティー全般の情報を発信

【電車内での盗難】

・満員電車で身動きがとれず、いつのまにかハンドバッグの中からお財布を盗まれました。その後は電車に乗るときは、カバンを前に抱えるようにしています。(M.F)

「見えているから盗(と)る」ハンカチ1枚でできる対策

自分の意識が向かないところに荷物や貴重品を置かないことが大前提です。ファスナーがあるバッグならば閉める、口が空いたカバンであれば、一番上にハンカチをかけるだけでも対策になります。貴重品は一番底に入れることも有効。基本は、見えているから盗るんです。手を伸ばして一発では盗れない状態にしておくことが大切です。リュックは前に。背負ったままだと、チャックを開けたり切られたりする危険があります。気を付けたいのはスキミング。今は距離が離れていても読み取りできるような機械があります。そういうものを防止できる財布やバッグを選ぶのも手です。また、券売機でチャージしたところを見て、つけられて、ICカードをすられる、ということもあります。ATMなどでお金をおろすときもそうですが、周囲に怪しい人がいないかは確認するようにしましょう。

【変質者】

・女性専用車両に乗っていたとき、ある女性が突然怒りだして周りのものを殴り始めた。女性専用車両だから安心なわけではないと思いました。(K.I)

その場から離れること非常通報ボタンの位置の確認も

何か様子がおかしい人、不審な行動をしている人のほか、“トナラー”と呼ばれるあえて隣に座ってくる人も最近話題になっています。自分が怖い、気持ち悪いと思ったら、電車であれば車両を変えるなど、その場から速やかに離れてください。また何かあったときのために、車内の非常通報ボタンがどこにあるかを確認しておくことが重要。乗車したらまずはボタンの位置を確かめることを習慣にしましょう。突然何かが起きてもとっさに動けないことは多々あります。防災訓練と同じで、緊急時の動きを頭の中でシミュレーションしておくことが、対策につながります。

【痴漢】

・電車で寝ていたら、すいているのに隣に座ってきた男に痴漢されました。怖くて寝たふりしてしまったけれど、降りるときもついてきました…。交番のほうへ走ったら逃げたけれど、まっすぐ家に帰るのがとても怖かったです。(K.S)

危険な場所は回避“ながら行動”は絶対NG!

電車では、“三角地帯”と呼ばれる、出入口付近の座席とポールの間には立たないようにしましょう。押し込めることができるため危険です。痴漢はおとなしそうな人を狙ってきます。振り返ってにらむだけでもやめることがあります。「デジポリス」という警視庁の防犯アプリもあるので、いざというときのためにダウンロードしておくのもよいです。道では、できるだけ広くて明るいところを選んでください。犯罪者は駅や駅付近のコンビニからターゲットを物色して追跡してきます。走って帰ると自宅を教えてしまうことになるので、いったん戻ってもいいので人がいる場所に出る、タクシーで大回りして帰る、家族に迎えに来てもらうなどしましょう。音楽を聞きながらなどの“ながら行動”は絶対にNG! 後ろから来る人にも車にも気づかないのでいろいろな意味で危ないです。

【置引】

・居酒屋でご飯を食べているときに、友人が置引の被害に遭いました。少し高めの椅子に座って、下の荷物置きに荷物を入れていたところを狙われたそうです。まさかそんなことがあるなんて信じられない…。(M.O)

自分の荷物から目を離さないガジェットの活用も手

カフェなどで、バッグや財布をテーブルに置いたまま席を立つということを、例えば海外旅行のときにするでしょうか? 日本人は危機意識が薄いとされていて、「周りに人がいないわけではないので大丈夫だろう」と思ってしまいます。レジやトイレなどで席を離れるなら、せめて貴重品だけでも持って移動してほしいです。電話で少し席を立つときなどは、絶対に自分の席が見えるところにいること。今はテレワークでパソコン作業をしている人もいるかと思います。できるならば一度閉じてカバンにしまい、本当は荷物ごと持って席を離れたいもの。どうしてもそれが難しい場合は、隣の人に一声かけておくのもありです。パソコン、バッグ、財布、スマホなど無くして特に困る物には、ビーコンやGPSなど忘れ物防止タグをつけて対策を。自分から一定の距離が離れるとアラームが鳴ったり、鳴らせたりします。

【自宅での危機】

・スマホに夢中で、マンションのオートロックを開けるときに別の人が後ろにいることに気づかなくてヒヤッとしたことがあります。結局その人はマンションの人だったので良かったのですが、気をつけなければと思いました。(S.U)

“音・光・時間・人の目”で不審者を寄せ付けない

「何かご用ですか」と声をかける、人がいるなら開けないなどで、不審者を敷地内に入れないようにしましょう。もし入ってきてしまったら、ポストを触らないこと。部屋番号を知られてしまいます。一人暮らしであれば一人だと悟られないことが大切なので、誰もいなくても「ただいま」と言いながら入る、電気をタイマーで付けるなどの対策を。また、居留守はおすすめしません。泥棒の在宅確認の場合もあり、鉢合わせが一番怖いです。男性の声でさまざまなメッセージが流れるアプリやグッズがあるので、それで追い返しましょう。自分が泥棒の気持ちになって自宅を見てみると、おのずと対策すべき点が見えてきます。補助錠やセンサーライト、防犯フィルムなど、侵入に時間がかかりそうと思わせること。おすすめは数百円で売られている防犯ステッカー。貼っているだけで防犯意識の高さが伝わります。日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語で書かれているものを選ぶことがポイントです。

“犯罪者が100%悪い”を前提に後悔しないための対策を

シティ読者のアンケートでは、自身の防犯意識の高さについて、高いと思う・低いと思うがほぼ半々の結果でした。防犯意識が低いのは問題ですが、高いと思っている人も要注意。「これだけ対策して知識もあるから大丈夫!」と過信してしまうからです。過信せず常に「〇〇かもしれない」という発想でいれば、危機から逃れることができます。日本は拳銃がそこかしこにあって、テロが頻発するわけではありませんが、安全な国でもありません。「自分だけは大丈夫」と思わず、明日はわが身と思って、防犯意識を持ちましょう。そして、もし被害に遭ったとしても、犯罪者が100%悪いので、自分を責める必要はまったくありません。ただ、備えていれば防げることはあるので、自分がイヤな思いをしないために、できることから対策をしていってほしいと思います。

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