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【秩父三社のひとつ「宝登山」】歴史やダイダラボッチと日本武尊の伝説、見どころをご紹介!

  • 2024.9.25

秩父盆地の北側に位置する「宝登山」は、秩父三社のひとつです。山頂へは宝登山ロープウェイを利用して5分。四季折々の自然を眺めながらの空中散歩が叶います。今回は、そんな「宝登山」にフォーカス。ダイダラボッチや日本武尊の伝説のほか、見どころをご紹介します。

ロウバイ園で有名! 長瀞玉淀県立自然公園に属する「宝登山」

©️dD.Cunningham / Shutterstock.com

秩父郡長瀞町と皆野町にまたがる標高497mの「宝登山」は、山麓には宝登山神社と玉泉(ぎよくせん)寺、山頂には宝登山神社奥宮がある、古くから信仰の対象とされてきた山です。

12世紀に仏教僧である空圓(くうえん)が、宝登山の麓に玉泉寺を建立。このお寺はやがて既存の神社の境内に組み込まれ、神道と仏教の山岳修行が融合します。こういった神道神を仏教の仏の仮の姿とするような崇拝儀式は1868年まで続きました。

また山名の由来は、弘法大師が山頂に宝珠の翻るのを見て名付けたなど諸説あります。

宝登山は長瀞玉淀県立自然公園に属し、山頂のロウバイ園でも有名です。年間100万人を越える参拝者が訪れます。山頂には宝登山動物園があり、ニホンザルやニホンジカも!

2011年には、フランスの旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に選定され、世界的に知られるようになりました。

「宝登山」に残る2つの伝説

宝登山には、ダイダラボッチや日本武尊(ヤマトタケル)の伝説が残っています。ここでは、それぞれの伝説を簡単にご紹介。

ダイダラボッチの伝説

画像はイメージ

ダイダラボッチと呼ばれる巨人が、ひとつのモッコに武甲山、もうひとつのモッコに宝登山を入れ、尾田藤の長尾根を天秤棒にして担いできたものの、縄が切れ、モッコが地上に落下! 武甲山は固い岩だったため残りましたが、こぼした山は宝登山と箕山になったそうです。

日本武尊(ヤマトタケル)の伝説

日本武尊の御神霊の祀る「日本武尊社」 ©️dokosola / Shutterstock.com

日本武尊は大和朝廷の命を受け、東北地方に平和をもたらすために派遣されていました。その帰りに宝登山に登ることに。その途中で日本武尊とその家臣は山火事に巻き込まれてしまいます。絶体絶命のピンチに追いやられた彼らを救ったのは、黒と白のオオカミ(山犬)。

オオカミが火を消してくれたのです。その後、オオカミは彼らを山頂へと招き、神秘的に消えていったといいます。

オオカミが神の使者だと気づいた日本武尊は、感謝を捧げるため山頂に神籬(ひもろぎ)を立て、大山祇神と火神である火産霊神を祀ったそうです。

「宝登山」の見どころ4選

ここからは宝登山の見どころを4つご紹介します。

日本武尊によって創建されたと伝わる「宝登山神社」

©️atsushi nemoto / Shutterstock.com

日本武尊により創建されたといわれる「宝登山神社」は、本殿、幣殿、拝殿からなる権現造りが荘厳な印象です。欄間には「二十四孝」をはじめ、数多くの彫刻が施されています。

そのほか境内には、昭和天皇のご成婚を祝し、氏子の青年団が植えた立派な黒松・赤松(相生の松)や、地蔵菩薩を安置している「玉泉寺」、日本武尊の御神霊の祀る「日本武尊社」など見どころが点在しています。

また毎日、祈願祭を実施。家内安全、商売繁盛、火防盗賊よけ、交通安全、金運招福などの祈願を受け付けているため、願い事があれば祈願を申し込みたいですね。

さらに「吉祥寳守(きっしょうたからまもり)」という気品ある黒いお守りも。このお守りには、祈りが成就するようにという願いが込められているそうですよ。

日本武尊が神霊を祀ったとされる場所に佇む「奥院」

©️picture cells / Shutterstock.com

日本武尊が神霊を祀った宝登山山頂の、ゆかりの地には「奥院」があります。ひっそりと佇むその姿は、どこか神秘的です。

奥院では神社創立の由緒にちなんで、毎年5月2日(八十八夜)に、「つつじ祭り」とも呼ばれる奥宮祭が開催されています。

このお祭りでは、日本武尊の御神霊をみこしに乗せて宝登山を登り、山頂付近の奥宮で祭典を行うのです。途中、神楽師が演奏する笛・太鼓でにぎやかに奥宮まで進み、祭典後に神楽は奉納されます。

なお、奥院の狛犬はオオカミです。ぜひチェックしてみてくださいね。

ニホンザルがいる大きなサル山がある「宝登山小動物公園」

画像はイメージです

宝登山山頂には「宝登山小動物公園」も。1960年に野猿公園としてオープンして以来、自然の中で、ニホンザルやホンシュウジカなどと触れ合える施設として、子どもを中心に人気です。

大型の肉食動物はおらず、ウサギやモルモットといった小動物(約30種)に会えるのが魅力。なかでもニホンザルがいる大きなサル山は必見です。

入園料は大人500円(税込)、小人250円(税込)と良心的。宝登山ロープウェイの待ち時間を使って訪れるのもおすすめです。

約5分の空中散歩が楽しめる「宝登山ロープウェイ」

©️picture cells / Shutterstock.com

宝登山に架設されている「宝登山ロープウェイ」は、山麓駅から山頂駅の全長832mを約5分間で結んでいます。ゴンドラは「ばんび号」と「もんきー号」の2台。宝登山小動物公園で大人気のニホンザルとシカにちなんで名付けられました。

宝登山は四季折々の自然が見られるのが大きなポイントです。12月下旬~2月下旬はロウバイ、2月上旬~3月下旬は梅、5月中旬~6月中旬はシャクナゲなどを楽しめます。

そのため、山頂までの登山は厳しい、時間を短縮したいといった方は、宝登山ロープウェイを利用して空中散歩を満喫しましょう。

宝登山

住所:埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞

電話:0494-66-0258(宝登山ロープウェイ)

交通アクセス:秩父鉄道「長瀞駅」から徒歩15分

[参考]

国土交通省 観光庁

国際日本文化研究センター

ちょこたび埼玉|埼玉県公式観光サイト

ながとろ|(一社)長瀞町観光協会

[All photos by Shutterstock.com]

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