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趣味も部活もクラスも選択科目も違った友人。それでも毎日一緒に帰っていたあの日々

  • 2024.9.26

わたしには、中学1年生と中学2年生で同じクラスだった「あの子」がいた。ここでは、A子ちゃん、としておく。A子ちゃんは小学校から女子校に通っていたそうで、その小学校へはバスで通学していたそうだ。わたしもちょっと抜けているところがあるが、A子ちゃんはわたし以上に世間知らずなところがあった。守ってあげたくなるような、色白で髪の毛がサラサラヘアーの可愛らしい友人である。

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中学1年生から塾に通い、家に帰ってからも日々の予習・復習など勉強をしていたようだ。中学1年生のときはわたしはバス通学だったため、行きも帰りもひとりだった。中学2年生になり、バスの定期代が上がったこととダイヤ編成で良い時間のバスがなくなり、電車通学に切り替えることとなった。バスは遅延もよくするし、トータルの時間を考えると電車の方が早いのだが、家も学校もバス停の方が近かったのである。

中学1年生のときは、A子ちゃんととりわけ仲が良いわけではなかったと思う。友だちの友だち、くらいの感覚だった。ところが中学2年生になるとクラス替えがあったため、中学1年生のクラスメートは貴重だった。A子ちゃんはその中のひとりだった。確か、お昼ごはんは推しが同じクラスメートと食べていたと思う(このクラスメートとは、ある事件をきっかけに絶交になるのだが……)。

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A子ちゃんと一緒に帰るようになったきっかけは思い出せないが、このクラスメートとは帰る電車の路線が違ったため、帰りはA子ちゃんと帰っていたのかもしれない。A子ちゃんは部活に入っていないため、わたしが部活のある曜日は一緒に帰っていなかった。また、わたしは電車を3駅しか乗らないため、学校から駅までの歩く時間や電車が来るのをホームで待つ時間を足しても、20分くらいだったと思う。趣味も部活もクラスも選択科目も違うため、特にこれといった話題はなかった。お互いのクラスのことや先生のこと、勉強のことを毎日話していたと思う。それでも、お互いが掃除のときは終わるまで待っていたし、わたしが放課後、同じクラスの友だちと話していたらA子ちゃんは待ってくれていた。

わたしが急遽、他のクラスメートと放課後に学校で勉強する、となったときはわたしの教室に来て、その事実を知ってショボンとしたA子ちゃんを、ひとりで帰らせてしまったこともある。なんやかんや5年くらいは一緒に帰っていた。A子ちゃんとは中学時代や高校時代は、学校がない休日に遊びに行くことはしなかった。大学生になって一度だけ映画を観に行ったことはある。お互い第1志望には受からなかったため、どこの大学に行っているかを明かしておらず、大学のことを深く聞けないままそれとなく遊んだと思う。それからコロナ禍になり、今日まで会ってはいない。

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今でもInstagramは繋がっていて、ストーリーの「親しい友だち」に入れてくれている。最近の投稿を見ていると、社会人になってわたしと同じように上京しているようだ。有給を取って、平日にディズニーランドに行っている様子も投稿していた。あの子に「久しぶりに会おう!」と連絡するきっかけがほしい。社会人になると出会いがなくなるというが、もしかしたらすぐそこに出会いはあるのかもしれない。

■白百合のプロフィール
自己肯定感高めだけれど繊細。進学校とコロナに奪われた青春を取り戻し中。趣味はカフェ開拓と読書。

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