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死の危険は身近に…プロが厳選する異色の恐怖映画(4)菌に感染して家庭崩壊…風変わりな恐怖を描いたカルト映画

  • 2024.9.25
写真:getty images

ホラー映画紹介Vtuver・ミミカ・モーフ氏に、配信で観られる映画作品の中から「本当に怖い映画」を厳選してご紹介いただく本企画。
今回は、通常のホラー映画では味わえない、一風変わった恐怖を描いた作品をセレクト。鳥による突然の襲撃、感染症、幽霊目線で進む異色ホラーなど、ユニークな5本をご紹介する。今回は第5回。

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『震える舌』(1980)
上映時間:114分
製作国:日本
監督:野村芳太郎
脚本:井出雅人
キャスト: 渡瀬恒彦、十朱幸代、若命真裕子、中野良子、越村公一

【作品内容】

三好昭(渡瀬恒彦)と妻の邦江(十朱幸代)、娘の昌子(若命真裕)の3人は、千葉郊外の団地に住んでいる。ある日、昌子は近所の沼地で虫取りをしていると、見たことのない珍しい蝶を発見。捕獲してようとするも取り逃がしてしまう。その夜、蝶が自身の目の中に侵入する恐ろしい夢を見た昌子。それからというもの、食事を口からこぼし、ガチョウのような歩き方をするなど、彼女の心身に異常が目立ち始める…。

一人娘がテタナス(破傷風菌)に罹患したのをきっかけに、幸せな家庭が崩壊していく過程を描いた、風変わりな恐怖映画。原作の三木清による同名小説は芥川賞を受賞している。

子供が破傷風にかかり、闘病する姿と両親が疲弊していくサマは現実そのもの。通常のホラー映画とは、恐怖のベクトルが全く違うため、ホラー映画の恐怖を楽しむというよりも、病気の怖さに恐れおののく作品となっている。

また、本作を観ていると現代医学の進歩に感謝したくなる。ある意味で教育的な映画でもあるのだ。

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