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ガムを噛むと、どんなメリットがある?飲み込むのはダメ?ロッテに聞いてみた

  • 2024.9.24

グミブームが白熱していますが、引き続きガムを愛食しているビジネスパーソンも多いのでは。眠気覚ましや歯磨きガムとして会社に常備している人も少なくありません。かくいう筆者も、デスクにガムのボトルを常備しています。

噛み心地が好き、リフレッシュになる以外にも、ガムにはさまざまなメリットが期待できるといいます。

今回は、ロッテ噛むこと研究部菅野範さんにお話を伺い、ガムを食べるとどんなイイコトがあるのか探っていきます。

ガムを噛むことで得られるメリットとは

──ガムを噛むことで、どんな効果が期待できるのでしょうか。肉体面、精神面でそれぞれメリットがありそうですが……?

肉体面でのメリット

・頭皮血流アップ

ガムを噛んでいる時と噛んでいない時の頭皮血流を測定した結果、ガム咀嚼により頭皮血流が増加することが確認されました。

また、1日のガム咀嚼時間が30分以上の人は、30分未満の人と比較して頭頂部の髪の毛が有意に太いという結果が得られています。

・フェイスラインが引き上げられる

女性に8週間に渡りガムを噛んでもらったところ、噛まなかった人と比較して、左右のフェイスラインの角度が上がったことがわかりました。

ガムを噛むことによる咀嚼筋などへの作用がフェイスラインの引き締めや顎下のたるみに影響を及ぼした可能性が考えられます。

・免疫物質を増加させる

唾液や粘膜で分泌される免疫物質「免疫グロブリンA(IgA)」は細菌やウイルス、花粉などのアレルゲンと結合して体内への侵入を防いでいますが、慢性的なストレスにより唾液中で減少すると報告されています。

ガムを継続的に「噛むこと」で唾液中のIgA濃度が増加することが明らかになっています。

・口腔発達

子ども向けのメリットとしては、口腔発達の面でもメリットがあります。

近年、ふとした時に口がポカンと開いている、「お口ポカン」の子どもが増えていると言われています。お口ポカンは、お口まわりの筋力が弱いことなどが原因で起こり、この状態が続くと、むし歯になりやすかったり、歯並びにも影響します。

子どもたちのお口まわりの筋力低下の原因としては、やわらかい食べ物が増え、食事で噛む回数が減っていることが挙げられます。お口ポカンを改善するためには、口を閉じる習慣を身につけたり、口を閉じたり舌を動かす筋肉のトレーニングが重要です。

フーセンガムを噛んで膨らませる「フーセンガムトレーニング」が、口腔機能やお口ポカンの改善に役に立つことがわかっています。

精神面でのメリット

・自律神経を整える

「噛む」というリズム運動によりセロトニン神経が刺激され、「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」分泌が増加し、自律神経を整えることにつながります

・ストレスを軽減する

日常生活や仕事、試験期間中などにガムを噛んでもらうと、ストレスや不安感、気分の落ち込みを低減する作用などが報告されています。

・集中力・判断力アップ

ガムを噛むことで、認知機能を司る前頭前野の血流がよくなり、集中力と判断力が高められます。

ストレス社会の現代において、「集中力を高める機会が増えた」「ストレスを感じることが増えた」という理由からガムを噛むようになった人が多い結果もアンケート調査の中からわかっています。

ガムが、パフォーマンスのいい状態で目の前のことに臨むためのサポートアイテムとして、仕事や勉強のお供になっていることが分かります。

ほか、こんなメリットも!

・数学の勉強中にガムを噛むことで成績アップ

中学生にガムを噛みながら数学の勉強をしてもらったところ、噛まずに勉強した人と比較して数学テストの点数の増加が大きく、成績もよかったことが報告されています。

グミじゃダメ? 「ガムを噛む」が大切なワケ

──「噛む」という行為だけで見るなら、グミやスルメ、おつまみ昆布などでも代用できそうですが、ガムである理由とは。

グミやスルメじゃダメということはありませんが、ガムの研究では、作業中に噛み続けたり、1回5~10分ほど噛んだりと、効果を得るのにある程度長い時間の咀嚼が必要となります。

ガムは噛み続けられることが特徴の食品ですが、他の食品ですと噛み続けるためには量を食べる必要がありますので、カロリー摂取が多くなってしまうことが考えられます。

また、ガムは無糖の製品もありますので、むし歯のリスクも下げられますが、糖を含む食品ですとむし歯の心配も出てくるかと思います。

さらに、ガムを噛むことで唾液がたくさん出てきます。唾液には口の中を清潔に保つ機能がありますので、日常からガムを噛んで唾液を出すことはおすすめです。

紙に出すのが面倒! ガムは飲み込んでもいい?

──ガムを食べたいけれど、毎回紙に出すのが面倒だったり、移動中だと出すのが難しかったりすることも。つい飲み込んでしまいたくなりますが、ガムは飲み込むと胃に溜まり続けるとか、臓器にくっつくとか、不安な噂も。そうでなくても、なんとなく「詰まりそう」なイメージはありますが、ガムは出さずに飲み込んでも問題ないのでしょうか?

ガムは飲み込んでも、消化管の消化液では分解されにくく、そのまま排泄されますので、飲み込んでしまっても問題はありません。

ただし、弊社としては、ガムは飲み込まずに紙に包んで捨てることを推奨しています。

ガムって腐るの? ガムの賞味期限と保存方法

──ボトルタイプをまとめ買いするときもあるのですが、気になるのが賞味期限です。ガムは賞味期限がないという話を耳にしたのですが、本当でしょうか。また、最近の猛暑により、常温保存をしておくとベタベタになるのではという心配も出てきました。ガムって賞味期限はあるのでしょうか。また、35℃以上の猛暑日に持ち歩いたり、冷房が切れた室内・車内に置いたりしても、問題ないのでしょうか。

ガムは含まれる水分が少なく、品質変化が少ないため、基本的には賞味期限がありません。ただし、直射日光や高温多湿のところを避けて保管し、開封後は早めにお召し上がりいただくことをお勧めしています。

ご回答者プロフィール

菅野範(かんのすすむ)

株式会社ロッテ 中央研究所 噛むこと研究部 チーフスペシャリスト。2007年に株式会社ロッテに入社し、機能性成分の研究開発に従事。2018年、噛むこと研究部に異動し、噛むことの健康効果に関するエビデンス取得を産学官連携にて推進。

<Edit:編集部>

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