ツアーキャンセルしたタイラ、「100％回復するまで全力を尽くすだけ」

初来日となったサマーソニックで圧巻のパフォーマンスを披露した南アフリカ出身の歌姫、タイラ。今年3月、背中のケガの悪化を理由にツアーのキャンセルしていた彼女は、活動を再開した今の心境を『ピープル』にこう語る。「（ステージに復帰して）すごく気分が良いです。しばらくできなくて辛かったから。今の私にできることは限られているけれど、100％回復するまで全力を尽くすだけです」

2019年に17歳でファーストシングル「Getting Late ft. Kooldrink」をリリースした彼女は、南アフリカ発祥のアマピアノを取り入れたジャンルに縛られない音楽とパワフルなダンスが魅力。2023年7月に発表した「Water」が大ヒットを記録し、今年2月にグラミー賞で最優秀アフリカンミュージック・パフォーマンス賞を受賞した。そして3月にデビューアルバム『TYLA | タイラ』をリリースとまさに勢いに乗ったタイミングで、ツアーキャセルとなってしまった。

「自分自身に注意を向けて、スローダウンするときだと思っています。神様がスピードを緩めて呼吸をし、自分を大切にしなさいと言ってくれたのかもしれないと感じています」。回復への道のりは「時にもどかしい」気持ちにもなるが、激しい振り付けとツアースケジュールに耐えうる身体を取り戻すため、前向きに理学療法を受けているそうだ。「背中は身体の中でも大切なパーツですから、時間をかけるつもりです。より良く、より強くなるのが楽しみです」

この間、タイラはツアーに出る代わりにスタジオで新曲に取り組んできたという。「これまでとは違います。今年、私は大きく成長しました。いろんな面で進化したから、新曲は今のバージョンの私を映すものになっています」。こう話す彼女は完全回復を遂げ、満を持してツアーに乗り出すことを心待ちにしている。

「私がまだ新人だということに気づいてない人もいます。ステージで楽しむことを満喫しているし、自分のしたいこと、したくないこと、自分とは何なのか、まだ模索しているところです。ツアーはきっと素晴らしかったと思います。その時を楽しみにしています」

Text: Tae Terai