「絶対に嫌」ぼっち男子がクラスで1番かわいい女子からの誘いを断った理由とは？“内緒の友達”との秘密の関係にむずきゅんが止まらない

アニメや漫画で描かれる“みんなには内緒の関係”には、いつもドキドキさせられる。『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった』（尾野凛：漫画、たかた：原作、日向あずり：キャラクター原案/KADOKAWA）は、ちょっと秘密の趣味をもつ女子との内緒の関係を描いた、新感覚ラブコメだ。

クラスで浮いた存在の男子・前原真樹（まえはらまき）の楽しみは、B級映画を自宅で鑑賞すること。自堕落に過ごすのもいいけれど、もしも自分に“友達”がいたら……と考えてしまわなくもない。ある日、前原は“クラスで2番目に可愛い女子”朝凪海（あさなぎうみ）とビデオショップでばったり出会う。前原と同じくB級映画好きの彼女は、前原に「友達になって欲しい」と告げてきて…。こうして、クラスの皆には内緒のふたりの友情が始まった。

“内緒の友達”であるふたりは、毎週金曜日の放課後に前原の家で遊ぶように。学校では住む世界が違う前原と朝凪だが、趣味を介したふたりの友情にそんな立ち位置は関係ないのだ。

第4話ではアニメショップやゲームセンターでの時間を楽しむふたり。しかし朝凪が席を外したタイミングで、朝凪の友人であり“クラスで1番可愛い女子”天海夕（あまみゆう）と前原が鉢合わせてしまう。天海は「せっかくだし皆で遊ぼう」と声をかけるが、前原はその誘いを断るのだった。この時に放たれた前原の言葉に、共感する読者も多いはず。

皆とワイワイ過ごすのは楽しいが、中には気を遣っている人もいるのではないだろうか……。このシーンは前原の朝凪に対する心遣いや信頼に溢れ、さらに学生生活特有の“同調圧力”について考えさせられるなど、なんとも印象的な一幕だった。

物語中盤、前原は天海とも“友達”になり、一気にラブコメらしくなっていく。前原へ気さくに話しかける天海に対し複雑な感情を覚える朝凪の姿や、彼女の過去など見どころがたくさんだ。“内緒の友達”である前原と朝凪の関係は今後どう進展していくのだろうか。なんとも続きが気になる1冊を、ぜひ手にとっていただきたい。

文＝ネゴト / 渡辺美咲