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【日本三大鳥居】福井「氣比神宮大鳥居」・広島「厳島神社大鳥居」もうひとつは?それぞれの特徴や魅力

  • 2024.9.24

鳥居とは神社の境域を示す門のことです。木や石でつくられていることが多く、その起源については、日本固有説や中国・インド起源説など諸説あります。今回は、日本三大鳥居に挙げられる福井県の「氣比神宮大鳥居」、広島県の「厳島神社大鳥居」、奈良県の「春日大社一之鳥居」にフォーカス。それぞれの特徴や魅力をご紹介します。

空襲で奇跡的に難を逃れた! 荘厳な雰囲気が漂う「氣比神宮大鳥居」(福井県敦賀市)

©️Shawn.ccf / Shutterstock.com

702年に創建されたと伝えられる「氣比神宮(けひじんぐう)」の大鳥居。朱色で高さは約11m、主柱間は7.45mあります。1901年には国の重要文化財に。

この大鳥居は、一般的な明神鳥居が発展した「両部鳥居(りょうぶどりい)」という形式で、左右の主柱の前後に稚児柱(ちごばしら)を持ちます。加えて、一番上にある笠木(かさぎ)の両端が反り上がり、主柱が内側に傾いているのが特徴です。佐渡ヶ島から漂着したムロでつくられたとか。

『氣比宮社記』によると、この大鳥居は、かつて氣比神宮の東の参道にあったものの、14世紀に暴風雨で倒壊。1645年に、江戸時代初期の大名である酒井忠勝(さかい ただかず)の寄進により現在の位置(表参道口)に再建されたといわれています。

そして1945年の空襲では、氣比神宮の社殿のほか、主要な建築物が焼失。しかし、この大鳥居は奇跡的に難を逃れました。

この大鳥居の大きな魅力は、その荘厳な佇まい。大晦日からお正月の三が日までは、終夜ライトアップを開催していて、光に照らされた威風堂々とした姿を拝むことができますよ。

なお、風雨や紫外線などで表面の漆が劣化するため、江戸時代から約30年ごとに漆の塗り直しや傷んだ木の補強を行っているそうです。直近では2017年に修復が行われました。

また、氣比神宮で神々を合祀するため、神宮を修営した際、突如、地下水が噴出したとか。その合祀された神々はいずれも大変長生きした神様だそうです。そのため、この地下水は神々のご神徳が宿る神水「長命水」として親しまれています。

氣比神宮を訪れたら、大鳥居はもちろんのこと、長命水も忘れずにチェックしたいですね。

氣比神宮

住所:福井県敦賀市曙町11-68

電話:0770- 22-0794

開・閉門時間:【4月〜9月】5:00~17:00【10月〜3月】6:00~17:00

交通アクセス:JR北陸本線「敦賀駅」から徒歩約15分

世界遺産を構成する文化財! 木造の鳥居としては日本最大といわれる「厳島神社大鳥居」(広島県廿日市市)

大鳥居と聞くと、厳島神社の社殿から約160m離れた海上に佇む、優美な大鳥居が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。この大鳥居は、高さ16.6m、棟の長さ24.2m、主柱まわり9.9m、総重量は約60tとされており、木造の鳥居としては、日本最大といわれています。

1875年に再建された現在の大鳥居は、平安時代から数えて9代目にあたるそうです。形式は左右2本の主柱の前後を袖柱(そでばじら)が支える「両部鳥居(りょうぶとりい)」で、主柱は上部で大貫(おおぬき)を通してつながっています。

さらに、その上には大鳥居の屋根下の棟にあたる、約4t分の小石が詰め込まれた箱状の笠木(かさぎ)と島木(しまぎ)が置かれているのが特徴的です。

また、笠木の西側には月光(三日月)が、東側には日光(太陽)の飾金具がつけられています。これは陰陽道による影響なのだとか。

主柱には耐久性や耐水性が高く防虫効果も高いクスノキを、袖柱には杉を使用。しかし、満潮時に柱の根元が海水に浸かるため、シロアリや海水によって傷みます。そのため、2019年6月から約3年半の歳月をかけて大規模修繕が行われました。

この大鳥居の魅力は、干潮時(潮位100cm以下)に歩いて行き、くぐれる点。間近で見る大鳥居は迫力満点です。しかし、大鳥居が海に浮かんで見える潮位250cm以上のタイミングでも、昔ながらの「ろかい舟」に乗れば、鳥居をくぐることができます。船上からしか撮影できない写真が撮れるほか、希望すれば櫓(ろ)と櫂(かい)を漕ぐ体験も! 満潮時に訪れた際は、ぜひ乗船したいですね。

厳島神社

住所:広島県廿日市市宮島町1-1

電話:0829-44-2020

交通アクセス:宮島口桟橋からフェリーで宮島桟橋へ約10分

朱色に塗られた最古の鳥居のひとつだった「春日大社一之鳥居」(奈良県奈良市)

春日大社の正式な入り口にある「春日大社一之鳥居」は、国の重要文化財に指定されています。794~1185年ごろに創建されたといわれていますが、現在の高さ6.75m、柱間5.2mの大鳥居は1638年に建てられたものです。

今は市街地のメインストリート「三条通り」との境界に位置。しかし、かつては春日大社と興福寺旧境内との境に立ち、結界としての役割を担っていました。

この大鳥居には、大きな鉄の輪がついており、春日祭やおん祭の際は、榊(現在はなぎ)が立てられます。江戸時代までは常に立てられていたそうです。

また、この大鳥居は朱色に塗られた最古の鳥居のひとつでした。一番上のまっすぐな横材と先細の支柱が特徴的です。この様式は春日大社発祥のため、「春日鳥居」と呼ばれています。

春日大社は、奈良時代のはじめ、平城京の鎮護のため、御蓋山(みかさやま)の山頂に、茨城県鹿島の武甕槌命(たけみかづちのみこと)を祀ったのがはじまりとされています。

平安時代になると皇族や貴族の春日詣が盛んになり、中世以降には武家や庶民にも信仰が広がり、現在では全国各地に3,000社を超える分社がつくられるほどに発展。

そのため、春日大社の境内には、平安時代末期から今日に至るまでに奉納された3,000基もの「万燈籠」が! 毎年2月の節分と8月14・15日には、すべての燈籠に火を入れる「万燈籠」の神事を行っていて、幻想的な雰囲気を楽しめますよ。

春日大社

住所:奈良県奈良市春日野町160

電話:0742-22-7788

開門時間:【3月~10月】6:30~17:30【11月~2月】7:00~17:00

交通アクセス:JR「奈良駅」「近鉄奈良駅」からバス(春日大社本殿行)で約11~15分「春日大社本殿」下車すぐ

日本三大鳥居の共通点は?

日本三大鳥居の共通点は、いずれも木造で朱色、そして重要文化財に指定されていることです。そのため、途中で再建されたり、修繕されたりしています。

[参考]

敦賀市

福井の文化遺産

ふくいドットコム|福井県公式観光サイト

一般社団法人 宮島観光協会

NARA Travelers Guide|公益社団法人 奈良市観光協会

[All photos by Shutterstock.com]

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