関東の「美容院」“火曜定休”が多いのはなぜ？歴史的背景を美容師が解説

美容院を予約する際に注意が必要なのが定休日です。例えば関東地方の場合、「火曜日」を定休日とする美容院が多くあります。関東地方の美容院の多くが、火曜日を定休日としているのはなぜなのでしょうか。美容師の原木佳祐さんに聞きました。

Q.関東地方では火曜日を定休日としている美容院が多いのですが、どのような理由があるのでしょうか。

原木さん「これには歴史的な背景がありまして、戦時中や戦後の時代に電力不足にならないよう、現在でいう『計画停電』のようなものを実施していました。関東エリアではそれが火曜日だったため、電力を十分に使えない火曜日を定休日とする店舗が増えたといわれています。

また、この当時、『美容組合』が発足され、定休日が統一されていると美容師同士のセミナーや講習会などが行いやすかったことも理由の一つとして挙げられます。

次第に、顧客にも『火曜日は美容院は休み』というイメージが浸透したことで、現在もその名残として火曜日を定休日としている店舗が多いというわけなんですね」

Q.関東の理容院の多くは月曜日を定休日としていますが、どのような理由があるのでしょうか。

原木さん「美容院も理容院も同じ定休日にしてしまうと、火曜日に髪を切りたい人にとっては不都合なスケジュールになってしまいますよね。

そのため、関東以外のエリアの美容院と、関東エリアの理容院の定休日を月曜日にずらすことで、顧客に通ってもらいやすい曜日設定にできるというわけです」

Q.定休日を設けていない美容院もあるのでしょうか。その場合、どのようなメリットが考えられますか。

原木さん「定休日なしの店舗や不定休の店舗もあります。メリットとしては、より多くの顧客層を見込める点ですね。『曜日関係なくいつでも予約できる』というのはお客さまにとっても大きなメリットですから、新規顧客やリピーターの獲得に寄与してくれる可能性は多いにあります。

デメリットとしてはスタイリストの確保やシフトなどの調整が難しい点ですね。人気スタイリストになると予約が殺到し、休みが取りづらいことで過重労働につながるリスクもありますから、マネジメントや雇用の面では難しさがあります」

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関東エリアの美容院の定休日が火曜日というのは、戦後当時の歴史的な要因から生まれたことだったんですね。通いやすい日時というのも重要ですから、お店選びの際は定休日をチェックしてみてはいかがでしょうか。

オトナンサー編集部