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“勝ち組”人生を歩んでいた大人気マンガ家。地位と名誉に溺れて周りを見下しまくった結果、これまでと「真逆」の世界に転移させられて!? 手に汗握る因果応報コミック

  • 2024.9.23

『マンガの神様、罰をお与えください!』(天栗めし子/KADOKAWA)は、売れっ子だからと調子に乗り、全方位を舐め続けていたマンガ家に因果応報な出来事が襲いかかる物語だ。

主人公・富沢タイキは、累計発行部数2億5000万部を突破した大人気マンガ家。年収は3億超え、人気アイドル声優と結婚し、映画化も決定…まさに「勝ち組マンガ家」として順風満帆な人生を送っていた。

しかし、遊ぶために締め切りを破り、休載しまくる。アシスタントを見下し、バカにし続ける。そう、タイキは人気マンガ家という立場に慢心し、やりたい放題やらかしまくる、典型的な「嫌なやつ」なのだ。どんなに人気のマンガ家だろうと、そんな横柄な人間を好きになる人はいない。あまりに酷い言動の数々は、思わず「明確な証拠付きで告発されて痛い目を見ればいいのに!」と願ってしまうほどだ。

だが、そうした日々は突然終わりを迎えることになる。タイキがいつものようにアシスタントへ執筆を丸投げして出かけると、謎の人物が「キサマはもうマンガ描かんでよろしい」と声をかけてきたのだ。不思議な光に包まれ、次に意識を取り戻すと、立場が「真逆」の世界に転移していた。

時間が巻き戻ったわけでも、異世界に転生したわけでもない。そこはタイキがマンガ家としてデビュー「していない」世界だった。この世界でのタイキは、あれだけ見下していたアシスタントとして働きながら、実家暮らしで祖母にお金をせびる無名のマンガ家だった。あまりの落ちっぷりにスカッとすると同時に、自分も因果応報な目に遭わないよう「謙虚に生きねば」と身が引き締まる。

あまりにもマンガの仕事をサボりすぎたせいで、画力も低下しているタイキ。アシスタントとしてもダメダメすぎて「役立たず」と罵られた挙句、職場をクビになってしまう。タイキが無職にまで落ちぶれる一方、元の世界で見下していた同期・落合吾郎は映画化が決まった大人気マンガ家として華々しく活躍していた。

さらにはタイキの妻だった大人気声優・カナも落合と付き合っているなど、絶望的な展開が繰り広げられていく。だが、タイキがこんな世界に来てしまった理由は、謎の人物の手によるところだけではないようで――?

本作は2巻で完結を迎える。どん底まで落ちたタイキは、地位と名声を取り戻すことはできるのか? 手に汗握る物語を、ぜひ最後まで見届けてもらいたい。

文=ネゴト / 押入れの人

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