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ジェームズ・キャメロンが原爆をテーマにした新作映画への着手を発表!「アバター」シリーズなど今後のプロジェクトの現状は?

  • 2024.9.23

ジェームズ・キャメロンが、来年夏に北米で刊行される予定のチャールズ・ペレグリーノのノンフィクション「Ghost of Hiroshima」の映像化権を取得。すでに権利を得ているペレグリーノの「Last Train From Hiroshima」と合わせ、原爆をテーマにした映画の製作に着手する意向を明らかにした。「Deadline」など全米複数メディアが報じている。

【写真を見る】「アバター」シリーズから離脱する可能性を語っていたジェームズ・キャメロン。今後の動向は?

長年映画化を目指していた題材に、ようやく着手する意志を固めたジェームズ・キャメロン [c]Everett Collection/AFLO
長年映画化を目指していた題材に、ようやく着手する意志を固めたジェームズ・キャメロン [c]Everett Collection/AFLO

『タイタニック』(97)や『アバター』(09)などで科学コンサルタントを務めたペレグリーノが2010年に発表した著書「Last Train From Hiroshima」は、第二次世界大戦中に出張先である広島の造船所へ通勤している途中に被曝し、その3日後に故郷である長崎で2度目の被曝を経験した“二重被爆者”である日本人男性、山口彊氏の体験を中心に綴られたノンフィクション作品。

20年以上前からこの題材の映画化に興味を示していたキャメロンは、同著の刊行前にペレグリーノと共に山口氏と対面を果たしており、今回の報道に際し「これは私が長年映画にしたいと思っていたテーマであり、どう描くかをずっと考え続けてきました。山口彊さんにお会いしたのは彼が亡くなる数日前。入院していた彼は、個人的な物語のバトンを私たちに託してくれました。その思いを無視することはできません」とコメント。

【写真を見る】「アバター」シリーズから離脱する可能性を語っていたジェームズ・キャメロン。今後の動向は? [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】「アバター」シリーズから離脱する可能性を語っていたジェームズ・キャメロン。今後の動向は? [c]Everett Collection/AFLO

そして今回キャメロンが権利を獲得したと報じられた「Ghost of Hiroshima」は、「Last Train From Hiroshima」と同様、原爆被害者の声と法医学的なアプローチを基に、1945年の8月6日と8月9日の出来事と、その後が詳らかに記されているとのこと。キャメロンはこの両著を原案にした1本の作品のタイトルを『Last Train From Hiroshima』とし、現在進行中の「アバター」シリーズの合間を縫って開発を進めていくようだ。

昨年1月の現地メディアのインタビューで「Last Train From Hiroshima」の映画化に着手する意欲を示していたキャメロン。その時点では『Avatar4』の本格的な撮影開始を前に時間を見つけて製作すると語っていた。2029年12月に北米公開予定の『Avatar4』は、第2作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(22)と2025年12月に北米公開予定の第3作『Avatar: Fire and Ash』と並行して一部シーンの撮影を終えているが、残りの撮影が開始されるのは第3作の公開前後ともいわれている。

「アバター」のシリーズ第3作『Avatar: Fire and Ash』は2025年12月に公開予定(画像は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』より) [c]Everett Collection/AFLO
「アバター」のシリーズ第3作『Avatar: Fire and Ash』は2025年12月に公開予定(画像は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』より) [c]Everett Collection/AFLO

今年2月、キャメロンは「アバター」の第5作までのシナリオがすでに書き上がっており、第6作と第7作はアイデア段階であることを発言。さらに第6作以降は監督の座を降り、別のクリエイターにプロジェクトを託す考えがあることを明らかに。また、4月には長年構想を重ねてきた『ミクロの決死圏』(66)のリメイク企画を近いうちに本格的に始動させる意思があることを語っていたが、その直後の7月に盟友であるプロデューサーのジョン・ランドーが逝去。同プロジェクトの今後については明らかにされていない。

「アバター」シリーズと『Last Train From Hiroshima』、そして『ミクロの決死圏』のリメイクと、複数の大きなプロジェクトが控えるキャメロンも現在70歳。世界的巨匠の今後の動向から、ますます目が離せなくなりそうだ。

文/久保田 和馬

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