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離婚に伴う感情は6段階。それぞれに上手く対応するには?

  • 2024.9.28

時間と共に、受け入れられるようになる。

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Peter Dazeley

離婚は人生最大の試練の1つで、世界的に有名なカップルでも直面することがある。例えば、ジェニファー・ロペスとベン・アフレックの離婚は世間を騒がせた一方で、「離婚に伴う感情の波を乗り越えるのは大変」という普遍的な真理を浮き彫りにした。今回、この内容をアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

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別れを選んだ理由や背景が何であれ、離婚のさまざまな段階を乗り越えるのは、関係者全員にとって辛く困難なこと(セレブにとっては特にそうかもしれない)。しかも、離婚届の提出や財産分与、場合によっては和解交渉や訴訟といったゴタゴタの中にいると、自分の心の健康をないがしろにしてしまいがち。

でも、米ラストリゾート・リカバリーセンターのトラウマ・ファミリーウェルネス担当ディレクターで、認定臨床ソーシャルワーカーのブリアナ・セフスィック氏によると、このような複雑な時期にはメンタルヘルスのケアをすることが極めて重要。最高の弁護士、一流のサポート体制やセラピストの存在があったとしても、離婚は人生で最も個人的かつ複雑な出来事の1つであり、その受け止め方は人によって全然違う。

「離婚に対する感情反応は、その状況や人間関係の性質によって異なり、怒りやうつ、安堵や楽観などさまざまです」とセフスィック氏。「離婚に対処する上で大事なのは、人に決められた道ではなく、自分にとってベストな道を選ぶことです。この困難な転換期を乗り越えるには、専門家のサポートを受け、健康的な習慣をキープして、自分にやさしくすることが重要です」

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米Group Therapy AssociatesのCEOで認定マリッジ・ファミリーセラピストのエスター・ボイキン氏によると、人間関係の終わりは深い悲しみの一種なので、死と同じように扱うことが大切。離婚をすると「1つの人間関係とつながりだけでなく、その配偶者と描いていた未来も失われます」とボイキン氏。たとえ結婚が円満な形で終わっても、離婚後は夫婦として付き合っていた人々との関係も大きく変わる。

離婚に明確な段階があるのは確か。でも、米Growing Self Counseling and Coachingの創業者で、著書に『Exaholics: Breaking Your Addiction To An Ex Love』を持つ認定マリッジ・ファミリーセラピストのリサ・マリー・ボビー博士によると、感情のタイムラインは、その人が置かれた状況次第で変化する。「離婚に対する考え方は、誰がその結婚生活を終わらせたのかによって変わります」。例えば、離婚を“切り出した”側は相手と距離を置こうとする一方で、離婚を“切り出された”側は引きこもるケースもある。

だから、離婚後の道のりが平坦じゃなくても心配しないで。ほとんどの場合はデコボコ。でも、離婚に伴う感情の段階を知っておけば、その変化を受け入れやすくなり、孤独感も和らぐ可能性がある。そこで今回は、心理的に離婚を乗り越えるためのステップをセラピストの見解を交えながら紹介したい。

第1段階:ショックと否認(1日目~2か月)

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「結婚生活が終わるなんて信じられない」と思うのは、そうなることが分かっていた場合でも、完全に予想外の場合でも自然なこと。「否認は、強烈な感情に対処するための自然な防御メカニズムです」とセフスィック氏。その離婚が自分の意に反して起こる場合は特に、不意を突かれたような感じがするはず。否認が習慣の崩壊という形で現れ、入浴や食事をスキップしたり、運動や出勤をないがしろにしたりする人は少なくない。逆に、結婚指輪を外さなかったり、パートナーが寝ていたところで寝たりして、失われた現実にしがみつくのも否認の現れ。

最初の数日から数週間は、あらゆる感情を受け止めたり悲しんだりする許可を自分に与えることが大切。素直に怖がり、人生を左右する重大な決断に時間をかけて向き合おう。でも、ボイキン氏によると、気持ちが一旦落ち着いたら再び地に足をつけ、現実を見る必要がある。

そのプロセスを促進するには、2つのリストを作るといい。1つ目のリストには「自分が理想とする結婚生活」、2つ目のリストには「これまでの結婚生活が実際どんな感じだったか」を具体的に書いてみる。「次に、その2つのリストを見比べて、現状の生活を理想の生活に近づけるために自分がしなければならないこと、学ばなければならないこと、変えなければならないことを3つ目のリストに書き出します」とボイキン氏。このプロセスは、結婚生活の終わりが個人的な失敗ではなく、むしろ勇気ある決断であることを理解する上で役立つそう。

セフスィック氏によると、安全に悲しむ場を与えてくれるセラピストの力を借りたり、日記をつけたりすると、自分の考えを表現し、来たるべき変化と折り合いをつけるのが楽になる。セラピー前とセラピー後の自分の気持ちを日記に書けば、自分の成長も確認しやすい。

第2段階:怒り(3か月後)

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セフスィック氏によると、怒りは否認のあとに訪れることが多く、パートナーや現状に対する不満や恨みつらみの形で現れる。「この感情は激しく、関係ない人に向けられてしまうことがあります。そのため、運動や趣味などを通して怒りをうまく放出することが重要です」

離婚に伴う怒りの原因はさまざまで、ボイキン氏いわく「捨てられたこと、裏切られたこと、相手がもっと努力してくれなかったこと、相手が素直に別れてくれないこと」はその数例。根本的な原因が何であれ、この怒りという感情は心理的な回復プロセスに不可欠なもの。「怒りは絶対に必要な感情です。いまの関係や今後の関係において、自分が変えるべき点を教えてくれますからね」とボイキン氏。

怒りにはネガティブなイメージがあるので、無理に抑え込んだり、見て見ぬふりをしたりする人が多いけれど、この感情を軽視してはいけない。かといって、怒りを理由に無謀で有害な行動や選択に走ってもいけない。「怒りの裏には大抵、とてつもなく深い悲しみ、恐怖や失望があることを忘れないでください」とボイキン氏。メンタルヘルスの専門家の中には「怒りを爆発させないように」と言う人もいるけれど、安全かつプライベートな場所で怒りを表現すれば、それだけで驚くほど癒されることもある。「自分の気持ちを表現すればするほど、自分自身と他者に対して素直になることができます」とボイキン氏。

セフスィック氏によると、この段階ではセラピーも役に立つ。「これ以上自分自身や他者を傷つけることなく、怒りを乗り越える手助けをしてくれる専門家に一度相談してみましょう。瞑想やヨガ、毎日の散歩といったマインドフルネスやリラクゼーションのテクニックも、怒りの激しさを和らげてくれます」

第3段階:取引(6か月後)

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嘆願と交渉の段階は通常、ショックと混乱が収まった直後(離婚の決断から約半年後)に訪れる。セフスィック氏によると、深い悲しみの波に襲われているときは、“もし~だったら”のシナリオが次々浮かんで、離婚を遅らせられたのではないか、あわよくば取り消せたのではないかと考えてしまうもの。でも、それが非現実な期待につながると、感情的な混乱が長引いてしまうので注意が必要。

元配偶者と再び連絡を取り、終わりのないメッセージを送ったり、ひっきりなしに電話をかけたり、恥を忍んで復縁を懇願したりした場合、申し訳なさや恥ずかしさ、後悔の念を感じるかもしれないけれど、それは(残念ながら)よくあることなので心配無用。セフスィック氏によると、別の現実を夢見てしまっているときは、自分のコントロールが及ぶことに集中し、将来の計画を立て直したほうがいい。

「その際にはセラピストやカウンセラーに相談すると、安全な環境で思考の幅を広げ、より健全な見通しを立てることができます」とセフスィック氏。セラピーを受けられないときは、身近な人々や活動、セルフケアを通して自分を落ち着かせるといい。「あなたに喜びをくれることをして、健康的な習慣を維持し、あなたの支えになるような友達と連絡を取りましょう」

ボイキン氏によると、離婚を決断したのが自分であろうとなかろうと、悲嘆や怒りを感じることには変わりない。でも、ボビー博士いわく、この段階では、離婚を切り出した側が自分の決断に疑念を抱き始めることがある。離婚届を出す前から精神的にも感情的にもパートナーと距離を置いていた場合は特に、その関係がとうの昔に終わっているように見えるはず。

ところが、ボビー博士の話では、取引の段階に突入すると自分が過ちを犯したような気がしてきて、あわよくば離婚を取り消そうとすることさえあるという。その場合は、元配偶者にアプローチする前に必ずセラピストと話し合い、自分の本当の気持ちを確かめて。さもないと、あなたの行動が混乱の嵐を引き起こし、元配偶者の心理的な回復をひどく妨げることがある。

第4段階:抑うつ(8か月後)

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離婚のような出来事で強い悲しみを感じるのは、当然かつ正当なこと。「離婚の現実が迫ってくるとうつになり、悲しみ、喪失感、絶望感に襲われることが多々あります」とセフスィック氏。また、心が離婚に対処し始めると、身体的、そして精神的に孤立したくなるかもしれない。

残念ながら世間は、あなたがどれだけ修復を試みたとしても、結婚に“失敗”したことを大きな恥だと思わせる。「この恥辱感は、その土地の文化的・宗教的な背景、あなたが他にも離婚した夫婦を知っているか、あなたに子どもがいるかなどの要素によって増幅します」とセフスィック氏。ボイキン氏によると、恥辱感は黙って耐えている間に強くなるので、セラピストに相談したり、友達に話したりすることが大切。離婚や別離の真っ只中にいる人のためのサポートグループに参加するのもいい考え。

この段階では、親しい友人や家族以外に離婚したことを打ち明けたり、所有物を分配したり、元配偶者抜きで将来のマイルストーンを思い描いたりする必要も出てくる。セフスィック氏によると、こうした試練は間違いなく、活力の低下、不眠、食欲の変化、気分のむらといったうつ病の症状を引き起こす。

とりわけ、うつ病の病歴がある人は先回りして事前対策を講じておこう。さもないと、恥辱感のスパイラルから抜け出せなくなり、暗くて精神的に危険な場所に落ちてしまう。「信頼できる友達や家族の誰かに“警告係”になってもらうのもいいですね。警告係は、あなたに何か気になる変化が現れたら、それを正直にあなたに伝え、必要なサポートを受けるよう促してくれる人です」とボイキン氏。「自分のことには、状態がかなり悪化するまで気付かないことが多いですから」

第5段階:適応と再建(1年後)

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受容の段階に辿り着く前にしておくべきことが1つある。それは、物理的にも心理的にも、離婚後という人生の新しいチャプターに自分を適応させること。ボイキン氏によると、離婚後の生活がどのようなものになるのかを考えるのは一瞬の作業ではなくプロセスなので、辛抱強さと勇気が必要になる。

そして、自分の人生を新たな形で再建するには多くの試行錯誤も必要。「結婚生活の中では、2人のためを思って、自分のことを後回しにしたり脇にやったりすることがよくあります」とボイキン氏。「再建の段階は、そういう部分を取り戻し、新しいことを受け入れるスペースを自分の中に作る期間でもあります」。元配偶者を恋しく思うことはあっても、以前ほど悲しみは強くない。

セフスィック氏いわく再建の段階は、前に進む準備が整ったことも示しているそう。「元配偶者のいない未来を描く許可を自分に与えてあげましょう。これは、結婚している間はできなかったことに再挑戦するチャンスです」

離婚後の人生には楽しいことが山ほどあるはず。もう一度デートをしたり、一人旅をしたり、新しい趣味を見つけたり。友達や家族と過ごす時間も増える。「美味しいレストランを発掘するのも、新しいレシピに挑戦するのも、元配偶者は嫌がったであろうドキュメンタリーをゆっくり観るのもいいですね」とボイキン氏。「興味をそそるものは何でも、自分と再びつながるためのチャンスですよ」。困難なときも、そのプロセスを楽しんで。

第6段階:受容(14か月後)

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ついに夢の受容段階に到達! 身体的にも精神的にも苦しい道のりではあったけれど、ここまで来ればあなた自身も、この短期間の苦労が一生の幸せに値することに気付いているはず。

受容は12か月を過ぎたあたりから表面化してくるけれど、ボイキン氏いわく、この段階に辿り着くまでのタイムラインは人それぞれで、波のようにやって来ることもある。「パートナーの意見を聞かずに全て自分で決められるという自由を満喫し、将来の展望に胸を躍らす日もあれば、2人にしか分からない冗談を言い合って、誰かと一緒に眠るという単純な喜びが恋しくなる日もあるでしょう」

ボイキン氏によると、ときどきちょっと淋しくなったり恋しくなったりするのは、あなたが現実を受け入れていないからではなくて人間だから。「思い出すたびに懐かしさを感じるか怒りを感じるかは別として、過去の記憶は消えないかもしれません。いまや全てがあなたの人生の一部ですから。ただ、その記憶を否定しなくても、次のチャプターを完全に受け入れることはできます」。でも、結婚生活が終わったことを受け入れるのと、あなたがいま独身で、これからは1人の人間として恋愛や子育てをしながら生きていくことを受け入れるのは全くもって別の試練。だからこそ、それを乗り越える過程では自分にやさしくしてあげて。

ボビー博士は、この段階を受容ではなく、精神的・感情的な“自由”として捉えるようにしているそう。「“自由”の段階に達したということは、自分と必死に向き合って、強い感情を全て上手に処理したということです。次のチャプターをどのように生きていくかを、しっかり考えているということです」

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Andriy Onufriyenko

結婚生活の終焉を感謝の念で振り返ることもあるだろう。元配偶者に対する恨みつらみはまだ残っているかもしれないけれど、もう過去を夢見ることはなく、現在と未来にフォーカスしている。「これはパワフルかつ実り多き自己成長のステージで、今後より良い人間関係を築くための土台になります」とボビー博士。やっぱり、これからの人生には楽しいことがたくさんありそう!

※この記事はアメリカ版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: Meguire Hennes Translation: Ai Igamoto


Meguire Hennes
Meguire Hennes is a freelance lifestyle journalist specializing in fashion news, celebrity style, dating, and wellness (her Libra moon won’t let her settle on one beat). She received a B.A. in fashion studies from Montclair State University, and her words can be found in Bustle, The Zoe Report, Elite Daily, Byrdie, and more. When she’s not debunking a new TikTok wellness trend or praising Zendaya’s latest red carpet look, you can find her in yoga class, reading a cutesy romance novel, or playing Scrabble with her puppy in her lap. 

伊賀本 藍翻訳者
ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。 

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