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【高知の“酢みかん”とは?使い方は?】柚子・すだち・ブシュカン・直七…驚きの種類の多さ!木曜市も現地ルポ

  • 2024.9.22

柚子やすだち、かぼすなど、爽やかな酸味を楽しむ柑橘類は、調味料・薬味としても大活躍。高知では、こうした食用ではない柑橘類を“酢みかん”と呼び、驚くほどたくさんの種類があるんです。中には聞いたことのないものも。高知の木曜市を巡りながら、お店の人に酢みかんの使い方・活用法も聞いてみました!

高知の“酢みかん”とは?

みかんのように実を食べるのではなく、果汁を絞ったり皮を薬味として使ったりする柑橘類のことを、高知では「酢みかん」と呼びます。

柚子やすだち、かぼすなどは、都内のスーパーでも見かけますよね。高知にはこれ以外にも多くの「酢みかん」があり、食材はもちろん、季節によっても使い分ける「酢みかん文化」があるんです。お酢の代わりに柚子など酢みかんの果汁を使う「田舎ずし」は、全国でも珍しい野菜を使ったお寿司。さっぱり爽やかな風味の郷土料理です。

OMO7高知の朝食バイキングで並んでいた「田舎ずし」

田舎ずしは、土佐弁で宴会を意味する「おきゃく」の際に振る舞われ、「おきゃく」文化の料理の定番である「皿鉢(さわち・さはち)料理」の一品にもなります。

“酢みかん”にはどんな種類があるの?

OMO7高知の日曜市ツアーにて

一番なじみがある酢みかんが柚子であることは、高知も関東も同じ。お酒やお鍋、魚などの料理に使ったり、お風呂に入れたり……高知では柚子以外にもこんなにたくさんの酢みかんを季節や料理などによって使い分ける、豊かな食文化があります。

高知の“酢みかん”

青ゆず 酸味きつめ。皮を使うことが多い。

黄ゆず 高知で最もなじみのある酢みかん。

すだち 小ぶりで上品な風味。酸味が強い。

かぼす 香り控えめでさっぱりとした爽やかな酸味。

直七 酸味・苦味・甘みのバランスがよい。スッキリしつつまろやか。

ブシュカン まろやかな酸味と独特の風味。

ゆこう 果汁を柑橘酢として利用されることが多い。

はなゆ 柚子より香り少なめ。お吸い物や料理の香り付けに。

へベス 香りと酸味に特徴あり。料理の香り付けやドリンクに。

獅子柚子 ブンタンの仲間。柚子のような強い香りはない。

多田錦 まろやかな甘み。スイーツやジュースに。

ジャバラ 果汁たっぷりで香りは柚子に似ている。

柚月 オリジナルのブランド柚子。

木曜市で“酢みかん”を探してみました!

県庁や市役所,オフィスビルが立ち並ぶ好立地の木曜市。高知城と鷹匠公園の間の道に露店が並びます

路上で開かれる市(いち)としては日本最大級の規模を誇る、公設の街路市「日曜市」。今回、高知の旅で筆者が宿泊した「OMO7高知 by 星野リゾート」では、「酢がきいちゅう、日本一の日曜市ツアー」が開催されています。ツアー中は土佐の名産「酢みかん」を題材に、柑橘の種類の違いや地元ならではのアレンジ方法を伝授していただけるんです。

残念ながら取材日の関係で日曜市には行けなかったのですが、日曜市に次いで人気が高いという木曜市を訪れてみました。街路市は日・火・木・金曜日と週4日あります。

筒井康代さんのお店で見つけたのは、酢みかんを使った田舎ずし 480円。寿司ネタは、たけのこ、こんにゃく、みょうが、椎茸、りゅうきゅうなどの野菜がメインです。さば寿司入りは500円。

岡林さんのお店 ブシュカン1盛り100円など

山本さんのお店 直七1盛り100円など

パンの「NARABIYA」さん カツオのコンフィのサンド550円 手しぼり柚子酢180ml 700円〜など

森果樹園直送のお店 すだち・ブシュカン1盛り100円〜

木曜市

場所:高知県庁前

長さ:約200m

店数:約70店

期間:毎週木曜日(1月1日・2日を除く)

時間:午前6時頃から午後3時頃まで

“酢みかん”の使い方

柚子酢も販売するパン屋「NARABIYA」さんが紹介していた柚子酢(柚子の果汁)の使い方|木曜市にて

“酢みかん”の使い方

温かいご飯にかけて酢めしに

お刺身やしらすなどに

醤油とブレンドしてポン酢に

お鍋に

唐揚げやフライに

焼き魚や焼き鳥に

ドレッシング代わりに

柚子皮を刻んだりおろしたりしてトッピング

炭酸水に

焼酎などのお酒で割って

牛乳にハチミツと入れればラッシー風

“酢みかん”の1つ「直七」の使い方を試してみました!

直七は大ぶりですが、カットしてみると種も大ぶり。果汁もたっぷりです。香りは奥ゆかしいので、柚子よりも大胆に使った方が風味が楽しめます。

個人的に一番気に入ったのは、サラダにかけてドレッシング代わりにする使い方。繊細な葉物のサラダに柚子は強すぎるなと感じることがあるので、直七の風味に感激。爽やかで強すぎない酸味や風味が絶妙で、塩と直七の果汁だけで、オリーブ油などなくても大満足でした。

直七をハイボールにキュッと絞ってみましたが、個人的にこれはちょっと失敗でした。ハイボールに入れるには直七は繊細すぎ。かといって果汁の量を増やすとスモーキーなハイボールのよさが失われるように感じました。一方で炭酸水にはこれ以上ない! というほどベストマッチ。

朝、トマトジュースに入れるのもお気に入り。

直七を絞ったしらす丼も絶品。大葉・のり・ごまをトッピングしましたが、ミョウガもいいと思います。醤油や卵をプラスするのはお好みで。筆者はしらすの塩味と直七の果汁だけで十分ごちそうでした。

醤油とブレンドした自家製ポン酢も大活躍。こちらはもやしの豚バラ巻き。

焼きうどんやラーメンなどは、ちょっとバランスが難しかったです。少量だと麺側の強い味に負けてしまい、存在感を出そうと果汁を多めにすると、料理としての塩味と酸味のバランスが崩れる感がありました。

塩もみしたキャベツなどにサッとかけて即席漬けにしたり、コールスローを作ったりするなら、少量で風味がしっかり出る柚子酢がピッタリ。

鶏のソテーや雑炊など、ネギポン酢を作ってかけるのも味変できて楽しめました。

爽やかな香りと風味で気分もリフレッシュ!

うまく使えば、油や塩の量を控えめにできる、酢みかん文化。夏の疲れが出る今の時期は特におすすめです!


※価格はすべて税込です。

※店舗や時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。

※店舗営業については最新情報をご確認ください。

©︎Aya Yamaguchi

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