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伊豆の玄関口・三島に鎮座する伊豆国一宮、三嶋大社へ

  • 2024.9.21

多くの三島市民にとって、人生の節目に参拝に訪れる、大切で身近な存在でもある三嶋大社。春には桜、秋には金木犀などが花を咲かせ、四季折々の風景が広がる境内は市民憩いの場所として親しまれています。街中を流れる水辺の散策路をのんびりおさんぽしながらお参りに訪れる人も多く、三島に行くならぜひ訪れたいスポットです。かつて源頼朝が深く崇敬し、源氏の再興を祈願したことでも有名な神社で、歴史に思いを馳せてみませんか。

伊豆の玄関口・三島に鎮座する伊豆国一宮、三嶋大社へ
伊豆の玄関口・三島に鎮座する伊豆国一宮、三嶋大社へ

源氏再興を祈願し、旗挙げした地

伊豆の玄関口・三島に鎮座する伊豆国一宮、三嶋大社へ
JR三島駅からは徒歩15分ほど

創建は古く、奈良・平安時代の古書にはすでに記録が残っているという三嶋大社。その社名は「三島」の地名の由来となったといわれています。大山祇命(おおやまつみのみこと)と積羽八重事代主神(つみはやえことしろぬしのかみ)の二柱を祀っており、総じて三嶋大明神(みしまだいみょうじん)と称しています。大山祇命は山や衣食住の神として、事代主神はいわゆる商売繁盛の神様・恵比須様として知られ、様々な職種や世代からの厚い信仰を集めています。
伊豆に流されていた源頼朝からも崇敬され、源氏再興を祈願したことでも知られています。その後、治承4(1180)年に旗挙げした頼朝が見事平氏を滅ぼしたことから、必勝祈願や合格祈願に訪れる人も多く見られます。

季節ごとに趣深い風景が楽しめる境内

伊豆の玄関口・三島に鎮座する伊豆国一宮、三嶋大社へ
鳥居をくぐるとまず見えてくる神池。橋の先には家門繁栄や安産の守護神として信仰される厳島神社が

車通りの多い通りに面した大きな鳥居をくぐると、緑豊かな境内が広がっています。中央を貫く参道のわきには神池(しんち)と呼ばれる池があり、池の周りに植えられた桜の木は、春になると周囲を薄ピンク色に埋め尽くし、実に見事。吾妻鏡によると、元暦2(1185)年には源頼朝が神池で、捕獲した魚などを池に放し殺生を戒め感謝する放生会(ほうじょうえ)という儀式を行ったそう。
また、池にかかる朱い橋を渡れば、北条政子が勧請したという厳島神社にも参拝できます。

複合社殿としても見どころ満載の本殿

伊豆の玄関口・三島に鎮座する伊豆国一宮、三嶋大社へ
屋根の高さは16mにもなり、東海地域でも最大級の古建築社殿

総門や神門などをくぐり参道を進むとたどり着く本殿は、慶応2(1866)に竣功した国指定重要文化財でもあります。流造の本殿、両下造の幣殿、入母屋造拝殿と、異なる3つの建物が連なる複合社殿であり、総けやき素木造りで、伊豆の名工小沢半兵衛・希道父子一派による精巧な彫刻も見られる貴重な建物です。

参拝を終えたらおみくじや神札、御守などがならぶ授与所をのぞいて見ましょう。厄除御守や勝守、開運守など多種多様な御守がそろっています。

樹齢1200年を超える天然記念物の金木犀

伊豆の玄関口・三島に鎮座する伊豆国一宮、三嶋大社へ
かつてはその香りが2里(約8km)先まで届いたとか

神門の手前には国天然記念物指定の金木犀があります。樹齢は約1200年と推定され、どっしりと構える巨木は威厳が感じられます。9月の上旬と下旬の2回、満開を迎えるそう。その時期には薄黄色い小さな花を咲かせ、甘く心地よい香りが周囲を包みます。
周辺には原木の新芽を苗木として若い木を育成しており、これから先もフレッシュな香りを届けてくれそうです。

春日大社より譲り受けた神鹿

伊豆の玄関口・三島に鎮座する伊豆国一宮、三嶋大社へ
鹿せんべいも売られており、金網越しにあげることができる

北条政子が奉納したという国宝の「梅蒔絵手箱」など、三嶋大社の歴史がわかる貴重な資料を展示している宝物館(拝観料500円)の裏手に数十頭の鹿の姿が見えます。もともとは大正8(1919)年に奈良の春日大社から雌雄8頭の神鹿を譲り受けたもので、例年3月には神鹿記念祭も行われ、ここ神鹿園で今も大切にされています。

参拝後のお楽しみ、福太郎茶屋で一服

伊豆の玄関口・三島に鎮座する伊豆国一宮、三嶋大社へ
福太郎餅(お茶付)250円。甘さ控えめでもっちり柔らか

広い境内を散策して小腹が空いたら、総門を出て左手にある福太郎茶屋へ。三嶋大社名物でもある「福太郎餅」をいただきましょう。毎年1月7日に行われる五穀豊穣、天下泰平を祈る「お田打ち神事」に登場する、黒いお面をつけて福の豆をまくという福太郎にちなんだ和菓子で、あんこの形が特徴的。邪気を払うとされ滋養に富むヨモギを練り込んだ草もちを、福太郎のかぶる烏帽子の形に見立てたこし餡でくるんでいます。生命力を強化するという餅はヨモギの風味もしっかりと感じられ、旅の疲れも癒やされます。

広い境内にはほかにも、源頼朝が源氏再興を祈願した際に腰掛けて休憩したとされる石と、北条政子が腰掛けたとされる石や、行き交う人の流れを整理する役目を果たしたというたたり石、三島市指定文化財で彫刻がすばらしい舞殿など、見どころが盛りだくさん。年間を通じて様々な神事が執り行われるので、季節ごとに訪れる楽しみがあります。

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