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「なんでも鑑定団」でおなじみ 玩具コレクター・北原照久が説く “ツキ”呼び込む思考

  • 2024.9.21
ツキを呼び込むのに必要な心構えとは?
ツキを呼び込むのに必要な心構えとは?

テレビ東京系列で放送中の「開運! なんでも鑑定団」は、鑑定家やコレクターが、絵画や焼き物、玩具などの歴史的な価値や金銭的な価値を鑑定する人気番組です。

今回は、この番組に出演する世界的なブリキ玩具コレクターである北原照久さんの著書、「夢の実現:ツキの10カ条」(アーティストハウスパブリッシャーズ)を紹介します。夢をかなえるための勇気と知恵と発想の妙を教えてくれる一冊で、北原さんがツキを呼び込む極意を解説しています。

褒めることは花に水をあげるようなもの

北原さんは、ツキはたぐり寄せるものだと主張します。

「僕がコメンテーターを務めていたTBSの『ジャスト』という番組で、かつて『奥様スターに変身』というコーナーがあった。『結婚するまでは、あんなにキレイだ、カワイイと言ってくれてたのに、結婚した途端、お愛想の一つも言ってくれない』。『主人は、私のことをキレイだとも、洋服を褒めてくれるわけでもない』なんて主婦の声を取り上げるのです」(北原さん)

「では、番組であなたを変身させてあげましょうと、プロのヘアアーティスト、メイクアーティスト、スタイリストをつけて、まるでスターになったかのように美しく仕立て上げる。さて、夫が帰宅する。と、ドアを開けて別人になったかのような奥さんが姿を現す。思わず『どうしたの?』と絶句する夫に、付き添い役の女子アナウンサーが『いかがですか?』と問いかける」(同)

夫は、「いやぁ、キレイになって、びっくりしました」と感心したように感想を述べます。ここから、コメンテーターとしての北原さんの出番です。

「これは、ご主人が悪いですね。キレイになると、顔の表情が違う、姿勢が違うでしょ。自信が生まれて、これだけ素晴らしい女性に変身するんですよ。そういう奥さんでなくしているのは、ご主人ですねとコメントする。そして『どんなキレイな花だって、水をやらなきゃあ枯れてしまいますよ。褒めるというのは、花に水をあげるようなものなんです』と締めくくる」(北原さん)

「『ジャスト』でご一緒していた三雲孝江さんも安住伸一郎さん、 安藤和津さん、山口良一さんやスタッフ一同も、僕の、この最後のコメントを絶賛してくれた。あんまり褒められるので、つい『あんまり水をやりすぎると根腐れしてしまうけどね』とちゃかしました」(同)

北原さんは、本書で「ツキの10カ条」というものを提唱しています。今回の褒めるスキルは成功者の一つの特徴です。

なお、筆者が共感したのは、第7条の「ツイている人と付き合う」です。会社員にとって、昇進昇格や異動、採用などの局面で重視されやすいのが「ツキ」だからです。ビジネススキルは外れることも多いし、組織に適合するかは分からないものです。

会社には経営者の性格や生き方が色濃く反映されます。適合するかしないかは「ツキ」という指標で考えると分かりやすいと思います。「ツキ」があれば組織に適合するし、経営者との相性もマッチングしやすいもの。実際に、筆者の知り合いの経営者は「ツキ」を重視する人が多いのです。

ツキのある人を見分ける方法

ツキのある人を見分けるにはどのような方法があるのでしょうか。まず論外なのが、成果を1人で上げたことを強調するタイプでしょう。組織で動く以上、1人ですべてが完結することは考えにくいからです。

次に多いのが、具体的な数字を挙げて成功体験をアピールする人です。例えば、「新製品の導入に関わり、〇億円以上の売り上げを達成した」という内容のアピールが挙げられます。

このような人には裏付けを確認する必要があります。「プロジェクトが成功した要因は何ですか?」「あなたのどんなスキルと行動が、成功するのに役立ちましたか?」と聞けばいいのです。そこで的確な答えが出てこない場合は、たまたまだったということになります。安定的に成果を出せなければツキがあるとはいえません。

ツキに恵まれている人は、自分の成功体験から、成功の要因を取り出して、自分の勝ちパターンを構築している人です。極論すれば、ビジネス上のツキはスキルから出た結果であり、成功への必勝パターンは、骨惜しみせず働き、頭もフル回転させている人にしか身に付きません。

この勝ちパターンを持っている人が見つからなかった場合は、失敗について、その敗因をきちんと語れる人が次善となります。失敗を人のせい、会社のせいにせず冷静に分析できる人なら、逆に「負けないパターン」を構築できる可能性があるからです。皆さんはいかがですか。

コラムニスト、著述家 尾藤克之

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