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持続可能な暮らしは豊かである──食や文化から気候危機を捉えるイベント「地球のため わたしのため」

  • 2024.9.21
Photo_ Courtesy of yaow
Photo: Courtesy of yaow

2024年夏は日本の広範囲を記録的な猛暑が襲った。40度を前後する危険な暑さが続き、1898年の統計開始以降、観測史上最も暑い夏となった。さらに年々深刻化する自然災害。今夏は台風も複数発生し、進みが遅いことから各地に大雨の被害を与えた。これは海面水温の上昇が要因の一つだといわれている。

二酸化炭素の排出を主な原因とする気候変動によって、引き起こされる“危機的”な状況。それは体感できる温度や天候だけでなく、日常的な食生活や文化など“暮らし”にも影響を及ぼしている。その一例として、変化が激しく予測できない異常気象は、毎年の農作物の収穫に影響を与える。さらに過剰な漁獲と海水温の上昇によって魚の量や生息エリアに変化が起こり、漁業も大きな打撃を受けている。

>>Read More 日本の海から魚が消える──持続可能な漁業と消費のあり方を、Chefs for the Blueの佐々木ひろこに聞く。【女性リーダーたちの挑戦】

Photo_ Courtesy of AIueO
Photo: Courtesy of AIueO

一方で、日々の消費行動や選択で気候変動を引き起こしているのも私たちだ。そのため、暮らしのなかで何を着るか、食べるか、買うかによって未来が決定づけられるといっても過言ではない。

9月29日に開催されるポップアップイベント「地球のため わたしのため」は、“持続可能な暮らしは何かを我慢することではなく、豊かな喜びに溢れている”と提唱する。今回のマルシェで買うことができる野菜や服などの日用品、さらに提供される料理やスウィーツはどれも、危機的な気候変動が起きている現状に歯止めをかけるに留まらず、土地を回復させることを目指して作られている。さらに、「気候変動と食」や「先住民の暮らしからみる地球と私の関係」などをテーマとしたトークショーが新しいインスピレーションを与えてくれる。

未来への希望と不安に関する世界的な対話をするため、9月22日〜23日に国連で行われる「未来サミット」に合わせた本イベント。このイベントに足を運ぶことは、サミットが実施される米国から遠く離れた東京で、“地球とわたしの未来”について考える第一歩になるのではないだろうか。

Photo_ Courtesy of ARBOL ICECREAM
Photo: Courtesy of ARBOL ICECREAM

当日トークショーに登壇するコムアイと太田光海、リジェネラティブコンセプトに基づくレストラン・プロジェクトCIMI Restorant、アーティスト/アクティビストの黒部睦、そして佐久間裕美子主宰のコレクティブSakumag。“気候危機と暮らしを繋げたい”という想いから、今回イベントに出展する5組に、それぞれの視点からメッセージを寄せてもらった。

ぜひ当日足を運んで、地球と人が恵みをわけあう暮らしを想像してみてほしい。

「未来に不安を感じている人はぜひ来てください」──コムアイ(アーティスト)

「いつものデモも好きだけど、マルシェを中心にしたイベントでいろんな対話と友情も生まれそう。こんなイベントって意外になかった気がします、なのでとても楽しみ! 登壇するトークショーでは、訪れたアマゾンで感じた感動とジレンマをそのままお伝えできるように努めます。さまざまな意見が飛び交う1日になること間違いなし。未来に不安を感じている人はぜひ来てください」

「今自分が生きている環境が、あらゆる地球の課題と繋がっている」──太田光海(映像作家・文化人類学者)

「今自分が生きている環境が、あらゆる地球の課題と繋がっている。どんな食べ物も、どんな製品も、どんな命も……この星にあるどこかの土地で生まれている。僕らが買うものはやがて土に還る、あるいは還らないかもしれない。僕らが食べるものや着るものは、やがて土を肥やすかもしれない、あるいは土を汚すかもしれない。すべてを同じ線の上で捉えることが今とても重要だと思う」

「料理をする私たちは、この地球をひとつの庭だと考える」──CIMI Restorant(東京・代々木)

「“この地球をわが家の庭のように”。日々生産者の思いのこもった食材に触れ、料理をする私たちは、この地球をひとつの庭だと考えるようになりました。庭は、つまり土であり、あらゆる生命が生まれるところです。庭が健康であるほど、そこにはたくさんの命がはぐくまれ、私たちもまた健康に暮らし続けることができる。

地球の健康は、私たちの健康でもあるのだと。これは私たちが料理をするときに心に留めていることです。CIMI Restorant では、自然のサイクル、生物多様性や土壌の生命を育む農法によって栽培された食材を提供することで、私たちの健康と地球の健康の両方を回復したいと考えています。気候アクションを支援することは、地球の健康を回復させることにつながると思っています」

「“選択を変えよう”という想いが個人のなかで終わらないように」──黒部睦(アーティビスト)

「依然として気候変動に危機感を持っていない人も多いなか、マルシェなど消費行動を伴う今回のイベントは、“いかに気候変動が私たちの生活と結びついた問題か”がわかる場になると思っています。そしてそのとき芽生えた“選択を変えよう”という想いが個人のなかで終わらないために、私の登壇するトークショーがあるのかなと。個人の行動がどう社会の変化に結びついているのか、アクティビズムの必要性や可能性などを会場のみなさんと考える時間になればと思います! お互いにエンパワーメントし合いましょう」

「目に見える範囲を越えて遠くの世界を想像する」──Sakumagメンバー 坪井茉衣良(メイクアップアーティスト)

「今年もとにかく暑すぎる。夏をサバイブするのではなくて夏をもっと楽しみたい。そのためにも、私たちの住むこの地球についてみんなで少しずつ考えてみませんか。毎日忙しいけど、気候変動は待ってくれない。春に桜が咲きづらくなって、夏のビーチが楽しめないどころか島々が海面上昇で沈みつつあり、動物たちがますます絶滅し、干ばつや豪雨での気象災害が悪化している。

地球という大きな問題に立ち向かうとき、自分ひとりの存在ってなんだかちっぽけに感じたりするけれど、そんな一人ひとりが集まると、だんだん小さな輪が膨らんでいく。心地のいい未来を思い描くこと、誰もが自由に生きる権利を忘れないでいたい。目に見える範囲を越えて遠くの世界を想像することで、みんなで少しずつこの輪を膨らませていきたい」

「地球のため わたしのため」

日程/9月29 日(日)11:00〜19:00

場所/下北沢 BONUS TRACK 世田谷区代田2丁目36番12号〜15号

主催・運営/ワタシのミライ

https://watashinomirai.org/

Editor: Nanami Kobayashi

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