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特別公開やイベントも!北九州市立美術館で「大コレクション展 ―あの時、この場所で。―」開催中

  • 2024.9.21

­こんにちは。フリーキュレーターのSEIJIです。価値観や表現方法が多様化しているアートの世界を、ニュースや展覧会、作家や作品に注目したコラムにしてお届けする「今どきのアート」。近頃、気になったのがコチラ!

出典:シティリビングWeb

ピエール=オーギュスト・ルノワール《麦わら帽子を被った女》1880年 北九州市立美術館蔵

北九州市立美術館で開催中の「大コレクション展 ―あの時、この場所で。―」は豪華なラインナップの展覧会。特別公開やイベントが楽しめる演出も見逃せない!

西日本における公立美術館の先駆け!

­昭和49年に誕生した北九州市立美術館は西日本における大規模な公立美術館として開館。同館の前身で昭和33年に開館した八幡市美術工芸館(その後北九州市立八幡美術館に改称)からのコレクションを引き継ぎ、その後も近代美術や現代美術を中心にコレクションの収集を続けているのです。その収蔵点数はなんと約8000点。

収集した作品を収集・保存し、その研究成果として数々の展覧会を企画開催してきたのです。

「大コレクション展」は同館の開館50周年を記念して開催されています。半世紀にわたるコレクション収集のあゆみを体系的に振り返る展覧会。

同館の収蔵するコレクションがどのような経緯で形成され、そしてどんな特徴をもつのか、選りすぐられた約200点の展示から紐解かれています。

出典:シティリビングWeb

クロード・モネ《睡蓮、柳の反影》1916-19年 北九州市立美術館蔵

すごいラインナップの展示

「睡蓮」や「散歩、日傘をさす女」などで知られるクロード・モネ、「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」や「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の肖像」などで知られるピエール=オーギュスト・ルノワール、「踊りの花形」や「緑の服の踊り子」などで知られるエドガー・ドガといったフランス印象派を代表する画家たちの作品をはじめ、自身の娘をモティーフにした「麗子像」で知られる洋画家の岸田劉生、「冨嶽三十六景」で知られる浮世絵の葛飾北斎、そして「道」や「緑響く」など巧みな色彩が放つ風景画で知られる東山魁夷など、誰もが知っている著名な芸術家のレアな作品を鑑賞できる「一期一会」の機会だといえます。

出典:シティリビングWeb

エドガー・ドガ《マネとマネ夫人像》1868-69年 北九州市立美術館蔵

出典:シティリビングWeb

葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》1831-34年 北九州市立美術館蔵

学芸員のトークや特別公開の展示も見逃せない!

学芸員ならではの着眼点で、推し作品や注目ポイントを紹介する「ピンポイント・ギャラリートーク」で、展示を楽しめるのも魅力です。こちらは毎週日曜日の11時から開催されています。ギャラリー・トークは会場全体の案内ではありませんのでお間違えのないように。

会場は本館1階企画展示室受付または3階コレクション展示室受付のいずれかになります。当日、館内放送にて案内してくれます。事前申込み不要ですが、展覧会チケットが必要です。

出典:シティリビングWeb

岸田劉生《Tの肖像》1914年 北九州市立美術館蔵

特別公開の《鉄の墳墓》

また特別公開では、鉄の彫刻家・村岡三郎が1987年開催の「国際鉄鋼彫刻シンポジウム YAHATA ’87」のために制作した《鉄の墳墓》を日時限定で公開。2023年に同館へ寄贈され現在は美術の森公園へ移設設置されている同作品の内部を公開するというときめく企画です。

公開日は、10月19日(土)、10月20日(日)、10月26日(土)、10月27日(日)、11月2日(土)、11月3日(日・祝)。各日とも14:00~15:00(各日定員10名)なので、興味がある人は確認してみてください。

集合場所は北九州市立美術館 本館 1階エントランス。

参加無料ですが展覧会チケットが必要です。事前申込み制で雨天の場合は中止。

「ゲキシビジョン×飛ぶ劇場」では推理劇を再現

美術館で演劇と美術鑑賞を同時に楽しむコラボ企画が、2013年から2017年までに北九州市立美術館と北九州芸術劇場により制作されました。その第1弾として上演し好評を博した、エドガー・ドガ《マネとマネ夫人像》をめぐる推理劇『切り裂かれたキャンバス~「マネとマネ夫人像」をめぐって』が再演されます。

公演日は10月12日(土)、10月13日(日)、10月14日(月・祝)各日2回公演。日時指定、全席自由(未就学児入場不可)。有料公演(観覧料含)。情報は変更になる場合がありますので事前に確認してください。

学芸員からのひと言

「50周年を祝して、当館の1階・3階のすべての展示室をつかって、時代もジャンルもさまざまな作品たち約200点を一挙公開する、文字通り「大コレクション展」です。

当館を代表するドガ《マネとマネ夫人像》をはじめ、近代絵画から現代のインスタレーション作品、浮世絵版画、そして普段なかなか展示されない大型作品まで、バラエティーに富んだ当館のコレクションを、この機会にぜひご覧ください!」(担当学芸員 重松さん)

大コレクション展は展示のみならず、様々なイベントが楽しめる立体的な企画展。ここまで企画が盛りだくさんの展覧会はなかなか見当たりません。

北九州市は、美味しい海の幸や観光を楽しめる旅行先としてもおススメ。秋を迎えるこれからは、ますます豊かな自然美や食事を楽しめる時期です。秋の旅行を考えている人は、ぜひ北九州に行ってみては!

出典:シティリビングWeb

北九州市立美術館本館(撮影:大森今日子)

会期は11月10日(日)まで。展覧会の詳細は下記のURLからご確認ください。

北九州市立美術館

「大コレクション展 ―あの時、この場所で。―」

https://kmma.jp/

プロフィール/SEIJI(小太刀正史)

フリーキュレーター。MeDEL個人事務所主催。学芸員の目線から美術館の情報を発信する活動を始める。自身もオブジェ作家として活動歴あり。

OBJECT東京展入選 From A The art日本オブジェ部門佳作 日本文化デザイン会議

ETDA展参加など。

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