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「持ち家を手放そう!」憧れの一軒家を建てたものの、家族の幸せのために手放した実録エッセイ

  • 2024.9.20

マイホームを建てることは、人生の目標のひとつともいわれる。特に、理想の一軒家を建てることを夢見る人は多いのではないだろうか。しかし、実際に持ち家を建てると、理想とは違う現実が見えてくるケースもあるようで――。

『賃貸か持ち家か? こだわりマイホームを手放して賃貸生活でお金も貯まりました』(アベナオミ/KADOKAWA)は、こだわって建てたマイホームを手放すことを選んだ夫婦の実録コミックエッセイだ。生活の中で抱えるお金の不安をどこまでもリアルに考えるプロセスが描かれているので、暮らしに役立つ知識を学ぶことができる。

本作の著者・アベナオミさんは、夫と3人の子どもの5人暮らし。長男が年中のとき、小学校への通学に便利な著者の実家近くに、マイホームを建てることに。一生に一度の大きな買い物なので、絶対に後悔したくないと思っていた。その結果、部屋ごとに違う壁紙や2階のトイレ、カウンターキッチンなど、あらゆるこだわりを詰め込んだ一軒家が出来上がる。

一軒家なら家の中で子どもがのびのび遊べるし、騒音を気にする必要もない。ピカピカの新しい設備で快適に子育てしたい人にとって、まさに理想の環境なのだろう。しかし、実際に暮らしはじめると、広すぎて掃除が大変・光熱費がかさむ・町内会の担当といった一軒家だからこそのデメリットに気づいてしまう。

3人の子どもがいるアベ一家。長男はピアノが好きで、将来は音大に行くことを希望している。そんな長男と6歳差の次男と、次男の3年後に生まれた長女の進学も控えているので、これから莫大な教育費が必要になるのだ。次男と長女にも、お金を理由に希望の進路を諦めさせたくない…。そうした「将来のお金の不安」をリアルに考えたとき、住宅ローンの返済という固定費を削った方が良いと判断し、一軒家を手放すことを決意する。

本作では、こうした子育て世代が抱える不安とその乗り越え方がリアルに描かれている。教育費の概算がひと目で分かる記入式の「家族年表」や「不動産売却の流れ」まで載っているので、本当に使える知識が学べるのもうれしい。

3人の子どもの幸せを考え、憧れのマイホームを手放すことを決意した著者の実録エッセイを読んで、ぜひ日々の生活に役立ててもらいたい。

文=ネゴト / 押入れの人

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