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にいはま紀行④別子銅山親子旅 「マイントピア別子」@新居浜市

  • 2024.9.21

こんにちは。地域特派員momoです。 にいはま紀行④最終回は、中2・小4の娘たちと別子銅山の歴史に触れる旅へ。

国内2位の産銅量だった別子銅山は、283年という長い間採鉱が続けられており、その拠点が広範囲にわたって点在しています。今回は最後の採鉱本部が置かれた「端出場(はでば)」、最盛期の拠点「東平(とうなる)」の2つのエリアへ行ってきました。どちらも貴重な遺跡や資料が残されていて、おとなもこどもも楽しみながら銅山の歴史を学べるマイントピア別子の観光施設として整備されています。

別子銅山のテーマパーク「マイントピア別子」

JR新居浜駅・ここくるにいはまから車で約20分、新居浜インターから車で約10分走ると、別子銅山観光の玄関「マイントピア別子」の本館に到着します。本館は、端出場、東平観光への出発地点のほか、砂金採り、BBQ、レストラン、カフェ、産直、温泉、キッズパークなど日常利用できる施設があり、山間部ながら湯カゴを持った方々や親子連れで賑わっています。

出典:リビングえひめWeb

道の駅にも認定されているマイントピア別子本館

トロッコ列車で「鉱山観光」へ

入口チケット売場で鉱山観光と東平バスツアーのチケットを入手し、まずは鉱山観光へ。列車は全席自由。毎時00分・20分・40分に出発します。

出典:リビングえひめWeb

実物より若干小さいスケールで復元された列車は蒸気機関車・かご車・人車・客車3両、電気機関車の6両

出典:リビングえひめWeb

一番人気のかご車に乗って、出発!

列車に乗り込み走り出すと、「暑い〜」とヘタレ気味だった娘たちもタイムトラベルにでかけるような雰囲気にワクワクしてきたよう。国の登録有形文化財にも指定されている端出場隧道(はでばずいどう/中尾トンネル)」や「打除(うちよけ)鉄橋」を通り、約5分で観光坑道のある「幸運駅」に到着しました。

夏でもひんやり「観光坑道」へ

「観光坑道」に入ると薄暗く、急に空気も冷たくなって「わーさむ〜いこわ〜い」とニヤニヤする娘たち。幼い頃は怯えて「帰る〜」と涙ながらに訴えていたはず。成長して環境の変化にも余裕の対応ができるようになってきました。

出典:リビングえひめWeb

旧火薬庫を改装した観光坑道入口へ

出典:リビングえひめWeb

外気は30度越えの暑さでも、坑道内は18度。「さむー。冬みたい!」

約333mの「観光坑道」の内部は江戸・近代・遊学パーク体験の3ゾーンに分かれています。壮大な事業スケール。人々の採鉱の様子がリアルな人形で再現されていたり、当時使用していた様々な道具など、丁寧に説明されていてこどもたちも興味津々でした。

なにより心揺さぶられたのは鉱山で働く人たちのくらしです。いろんな地域から転職してきた単身者やファミリーは、血縁に縛られず子育てや生活を支え合う大家族のようなコミュニティでした。厳しい労働環境の中で女性も大変重要な役割を担っていて、30kgもある鉱石を背負って運び出したり、選別したり。

出典:リビングえひめWeb

当時の採鉱現場の様子が細かく再現されています。赤ちゃんを背負って作業する女性も

出典:リビングえひめWeb

行きは銅の塊、帰りは米・味噌などの生活物資を運んだ約30kgの荷を背負う「仲持(なかも)ち」体験

出典:リビングえひめWeb

さらに進んでいくと遊具もあります。天然のクーラーの中で心地よく身体を動かし大はしゃぎでした。

2階レストラン「もりの風」でランチタイム

鉱山観光を終えて本館2階にもどってきました。同じフロアにある「レストランもりの風」でランチ。軽食〜定食もありメニューが充実しています。オーダーした「別子ししカツカレー」はクセがなくおいしくいただきました。

出典:リビングえひめWeb

レストラン「もりの風」別子ししカツカレー1,250円

バスツアーに出発!

ランチ後、マイントピア別子本館前から東平行きのバスツアーに参加しました。1日1便、ハイシーズンは2便、ガイド付きで運行されている往復2時間のツアーです。

出典:リビングえひめWeb

東平行き観光バス「マチュピチュ号」に乗車

この日は“天空の語り部”白石さんのガイドで出発。山道が続く道中にはとても狭く離合が難しい場所もあるので、運転が不安な方は観光バスの利用がおすすめです。バスの車窓からの景色は自然に包まれ、数々の産業遺跡も見ることができます。我々の乗っていたバスも何台か対向車と離合しましたが、先導車もあり、曲がりくねった山道も離合も安心でした。たしかに自分の運転では、対向車が来ないことを祈るのみのドライブになってしまい、この絶景を心から満喫できないかもしれない。

出典:リビングえひめWeb

途中山肌に見える階段状の遺跡は、別子銅山の従業員社宅の一つ、「ハーモニカ長屋」といわれる呉木社宅跡

東洋のマチュピチュ、東平(とうなる)へ

別子銅山は、栃木県の足尾銅山(82万t)に次ぐ日本第2位の産出量(65万t)があり、日本三大銅山の一つだったそうです。明治38年(1905年)、東平に選鉱場が完成してからは、採鉱、選鉱や運搬に人手が足りず、社宅を増設し最盛期には約5000人もの人々が暮らし賑わった町になったとのこと。配給所で野菜や 肉、魚、お菓子などの食品や服や雑貨も販売されていて、優秀な教員を集めた学校や、病院、娯楽場、接待館等も建設され、山間部とはいえ、豊かで楽しみもあり恵まれた生活を送っていたそうです。 そんな話を聞きながらバスは東平へ到着!

出典:リビングえひめWeb

駐車場から見た遺跡群

見わたすと、空と海と山と重厚な遺跡がおりなす独特の景色が広がっています。間近で見るために220段の階段を徒歩で下っていきます。

出典:リビングえひめWeb

ガイドの白石さん。当時の写真と現在を見比べながら建物の配置や発展の経緯など詳しく説明してもらえます

出典:リビングえひめWeb

インクライン跡の長大階段。ケーブルカーのような設備があり生活用品や木材が運ばれました

出典:リビングえひめWeb

「東洋のマチュピチュ 」と呼ばれる貯鉱庫・索道基地跡

「インクライン跡」の坂道が、現在では貯鉱庫・索道基地跡に行ける階段となっています。下った先には石造りの遺跡がそびえ立ち、異次元に迷い込んだよう。娘たちは「220段の階段を降りたら、登らなくては帰れない」ことを知り、「あー…」と階段を見上げていましたが、遺跡を前に「おー」「すごー」とそれぞれ気持ちが盛り上がってきたようです。 事業や生活史が詳しく紹介されている「東平歴史資料館」や、銅板レリーフ作りが体験できる「マイン工房」は駆け足での見学だったこともあり、再びゆっくり訪れたい場所になりました。

松山から1時間という近距離で、海・山・街がコンパクトにまとまっており、どこに行くにも近い。ひとりでも、ファミリーでも新たな発見満載の「にいはま紀行」では、行く先々でたくさんの方におおらかに受け入れてもらえ、とても心地よく豊かな時間を過ごせました。巡ってみたい場所が行くたび増える新居浜。ぜひ足を運んでみてください。

マイントピア別子
住所:愛媛県新居浜市立川町707-3
tel:0897-43-1801
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