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見比べるのが楽しい? 大阪でユニークな展覧会、豪華150点

  • 2024.9.20

3都市の美術館から、共通点のある作品をトリオで紹介するユニークな展覧会『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』が、現在「大阪中之島美術館」(大阪市北区)で開催中。ピカソ、モディリアーニ、草間彌生、奈良美智など110名の名だたる作家の豪華競演が楽しめる。

テーマ「美の女神たち」(左から)マリー・ローランサン、藤田嗣治、ジャン・メッツァンジェの作品

「パリ市立近代美術館」「東京国立近代美術館」「大阪中之島美術館」の3館から、約150点の作品を集めた同企画。3館ともコレクションの核が「近代美術」という共通点から、その魅力を伝える新たな切り口を模索し、通常は隣りに展示されないであろう時・場所を越えた「作品同士の出合い」を実現させたという。

作品の組み合わせは3館の学芸員が1年以上かけて議論し、主題やモチーフ、色や形、素材など自由な発想のもと、34組のトリオが誕生。担当学芸員は「『椅子に座る人』など、ひと目で共通点が分かりやすいものもあれば、形態が異なる意外なトリオも。この展示会ではぜひ他の方の意見を聞いたりしながら、見くらべでほしい」と話す。

テーマ「空想の庭」(左から)辻永、ラウル・デュフィ、アンドレ・ボーシャンの作品

会場には、トリオごとにキーワードが書かれており、それをヒントに鑑賞するのがおすすめ。例えば「空想の庭」では、『果物棚』『家と庭』『椿と仔山羊』の3作品が並び、どこか幻想的な雰囲気が漂う。画家たちを深掘りしてみるといずれも植物にゆかりがある経歴で、作品が生まれた背景が見えてくる楽しさも。

「モデルのパワー」ではモディリアーニ、マティス、萬鉄五郎が描いた横たわる女性作品が登場し、くつろいだ腕のポーズや色彩の鮮やかさといった共通点が。名作へのオマージュ要素が潜むマグリットらの「現実と非現実のあわい」、パリで交流があった藤田嗣治、ローランサンの「美の女神たち」など東西の巨匠らの傑作を贅沢に鑑賞でき、担当学芸員は「実は『似ている』見せ方だからこそ、それぞれの手法や個性が引き立つ」とトリオ展示の醍醐味を語った。

テーマ「まどろむ頭部」(左から)コンスタンティン・ブランクーシ、ジョルジョ・キリコ、イケムラレイコの作品

絵画以外にも、透明の椅子・鳥かご・ホチキスで留められた折り紙が置かれた「日常生活とアート」、日本の主婦など誰かの生活を垣間見ているような3タイプの映像「自己と他者」といった多彩な作品が顔をそろえ、20世紀以降の「モダンアート」を体感できる空間となっている。

期間は12月8日まで。前期(~10月27日)・後期(10月29日~)で一部作品を展示替え予定。料金は一般2100円ほか。

取材・文・写真/塩屋薫

『開館3周年記念特別展 TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』

期間:2024年9月14日(土)~12月8日(日)
※月曜休館、9/16・23・10/14・11/4は開館、翌火曜日休館
時間:10:00~17:00(入場は閉館30分前まで)
会場:大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4-3-1)
料金:一般2100円、高大生1500円

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