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パウダー状のピーナッツバターって本当にヘルシーなの?

  • 2024.9.23

パウダーの方は脂質が圧倒的に少ない!

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タンパク質が豊富なピーナッツバターは、ヘルシーおやつに欠かせないアイテム。でも、最近はクリーム状のピーナッツバターより粉末状のピーナッツナッツバターの方が目立ってない?

ピーナッツバターが登場した当初は、歯応えのいいチャンキータイプと滑らかなクリーミータイプが中心だった。その後、時代のニーズに応える形で脂質と塩分を減らしたタイプが仲間入り。そして、さらにヘルシーな“パウダー状”のピーナッツバターが生まれた。ピーナッツバターパウダーは、従来のピーナッツバターより低カロリーで、脂質は85%も少ないそう。

でも、実際パウダー状のピーナッツバターは従来のピーナッツバターよりヘルシーなのだろうか? スーパーへ行く前に、ピーナッツバターパウダーのメリットとデメリットを比較しよう。

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そもそもナッツバターパウダーとは?

ナッツバターパウダーは、ローストナッツから脂質の大半を取り除き、ナッツの風味をキープしたまま、きめの細かい粉末状にしたもの。ピーナッツバターのパウダーに続いて、いまではアーモンドのバターパウダーも入手可能。メーカーによって風味は違い、プロバイオティクスやプロテインパウダーが含まれたものある。

大半のナッツバターパウダーは、従来のナッツバターよりも脂質が約85〜90%少ない。つまり、ナッツバターパウダーの主要成分はタンパク質と糖質ということになる。食べる時は水を足してクリーム状にする。

従来のピーナッツバターとの違い

Helen Camacaro

 

パウダー状のピーナッツバター大さじ2杯分の栄養組成は以下の通り。

カロリー:45kcal
タンパク質:5g
脂質:1.5g
糖質:5g
食物繊維:2g
糖類:1g

それに対して、従来のピーナッツバター大さじ2杯分の栄養組成は以下の通り。

カロリー:191kcal
タンパク質:7g
脂質:16g
糖質:7g
食物繊維:2g
糖類:3g

※上記はアメリカ版ウィメンズヘルスによる数値

タンパク質、食物繊維、糖類の含有量は似たり寄ったり。でも、脂質はパウダー状のほうが85%も少ない。カロリーを抑えつつ、ピーナッツバターならではの風味を味わいたい人にはパウダーがピッタリ。

「パウダー状のピーナッツバターなら、しょっちゅう食べても脂質の摂りすぎになりません」と話すのは、ダイエットリゾート『ヒルトン・ヘッドヘルス』に所属する公認管理栄養士のリンジー・マーティン。それ以外は、パウダー状のピーナッツバターも従来のピーナッツバターとあまり変わらず、タンパク質、葉酸、ナイアシン、ビタミンEを豊富に含む点でも同じ。

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食生活に脂質が必要なワケ

ナッツバターに含まれる脂質のほとんどは、心臓にやさしい不飽和脂肪酸。ピーナッツバターの場合は約75%、アーモンドバターの場合は約85%の脂質が、一価不飽和脂肪酸を含む不飽和脂肪酸だ。

「ナッツのように一価不飽和脂肪酸が豊富な食品は、コレステロール値と血圧の両方を改善することが分かっています」と話すのは、公認管理栄養士のモリー・キンボル。「でも、このようなメリットが得られるのは、日常的に摂取する飽和脂肪酸と加工度の高い炭水化物を一価不飽和脂肪酸で置き換えたときだけです」

従来のナッツバターに含まれる脂質は、食後の満腹感と満足感を高めるので、全体的な摂食量が減る可能性もある。「だから食事や間食では、何らかの脂質源を必ず摂取するべきなのです」とキンボル。「その点ナッツバターは手軽ですね」

従来のナッツバターには、脂溶性栄養素のビタミンEも含まれている。でも、ナッツを粉末状にすると、その過程でビタミンEの大半が取り除かれてしまう。これまでの研究結果も、ビタミンEを豊富に摂取すれば脳機能が改善することを示しているけれど、アメリカ人の9割はビタミンE不足。粉末状のナッツバターだけでは、ヘルシーな脂質とビタミンEの摂取量が増やせない。とはいえ、この2つの栄養素は、オリーブオイル、シード類、アボカドなどの食品からも摂取できる。

ハードなトレーニングをしている人は、脂質たっぷりのナッツバターを摂取した方がいい。「ナッツバターを加えれば、摂食量を大幅に増やさなくても、食事や間食のカロリー密度が高くなります」とキンボル。「カロリーの摂取量を増やしたくても、一度に食べられる量が少ないというアスリートには重要なポイントですね」

キンボルが言うように、従来のナッツバターと粉末状のナッツバターを両方使えば、アスリートのカロリーとタンパク質のニーズも満たしやすい。粉末状のナッツバターはスムージーに、従来のナッツバターはサンドイッチに使ってみよう。

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従来のナッツバターにはサヨナラを告げるべき?

従来のナッツバターと同様、粉末状のナッツバターも植物性タンパク質の摂取量を増やす上で役に立つ。これまでの研究により、植物性タンパク質をたっぷり摂れば、コレステロール値が改善し、心臓が強くなることも分かっている。

「植物性タンパク質を増やしたいと思っているなら、ナッツバターパウダーを使ってみるのもいいでしょう」とキンボル。

粉末状のナッツバターは固まらないので料理にも使いやすい。オートミール、ヨーグルト、スムージーだけでなく、パンケーキやベーキングのバターにも入れられる。

キンボルは、ピーナッツバターパウダーと植物性の甘味料をギリシャヨーグルトに入れて、タンパク質たっぷりのナッツバターディップを作っている。「フルーツをつけて食べるとおいしいですよ」

気分次第では、ナッツバターパウダーに水を加えて、従来のナッツバターの形に戻してもいい。大さじ2杯分のピーナッツバターパウダーを水で戻せば、大さじ1杯分のピーナッツバターができる。

脂質が非常に少ないため、常温での保存期間が長いのもナッツバターパウダーのメリット。

パウダー状ピーナッツバターの使い方

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「私はパウダー状のピーナッツバター大さじ2杯を大さじ1杯の水で溶かして、トーストに塗っています」とショー。「パッタイなどの料理に使って香ばしさを出したり、ベーキングでピーナッツバターの代わりに使ったりすることもありますね」

一方のマーティンは、『PB2』というメーカーのパウダーでピーナッツドレッシングを作ったり、オートミールに風味を付けたり、スプレッドとしてパンに塗ったりしているそう。

ショーによると、パウダー状のピーナッツバターは低脂質なので、美味しく食べるにはほかの脂質と併用するのがおすすめ。「私も、パウダーを炒めものに入れるときは調理にオリーブオイルやゴマ油を使い、サンドイッチに塗るときは全脂肪のヨーグルト120gか牛乳120mlを添えて満腹感が得られるようにしています」

パウダー状ピーナッツバターを買うときの注意点

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Lilkin

パウダー状のピーナッツバターの原材料は、基本的にピーナッツと塩の2つだけ。でも、買う前に添加糖の量を確かめて。

ピーナッツやアーモンドのバターパウダーには、大抵甘味料(粉末状のサトウキビ糖など)が含まれているので、普段から甘い物を食べすぎている人は要注意。砂糖の摂取量を減らしたいと思っているなら、甘味料不使用の商品を探してみよう。とはいえ、ナッツバターパウダーに含まれる添加糖類は大抵1~2g程度なので、大量に消費しない限りは大丈夫。ちなみに、大さじ1杯分あたりのコストは、ナッツバターパウダーの方が約2倍高い。

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ALLEKO

結論:ベーグルやリンゴスライスに何か塗りたいときは、クリーミーなナッツバターでヘルシーな脂質を摂取すればいい。でも、パウダー状のナッツバターはスムージー、ヨーグルト、オートミール、パンケーキなどに入れやすく、植物性タンパク質を摂取しながらナッツの風味も従来通り楽しめるすぐれもの。食生活に脂質を増やさずタンパク質をプラスしたいなら、ぜひ積極的に活用してみて!

※この記事は、アメリカ版『Prevention』とアメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Matthew Kadey, M.S., R.D Translation: Ai Igamoto

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Women's Health

甘さ控えめでおいしい!
PB2フーズ 粉末ピーナッツバター

Credit: iHerb

好きな飲み物と混ぜてスムージーやシェイクを作ってみたり、料理やお菓子作りにも活用してみて。

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