1. トップ
  2. 恋愛
  3. 出血は痔のせいだと思ってた。37歳の若さで「大腸がん」ステージ4と診断された女性のリアルな闘病日記

出血は痔のせいだと思ってた。37歳の若さで「大腸がん」ステージ4と診断された女性のリアルな闘病日記

  • 2024.9.18

『痔だと思ったら大腸がんステージ4でした 標準治療を旅と漫画で乗り越えてなんとか経過観察になるまで』(くぐり/KADOKAWA)は、病院を受診したときには大腸がんのステージ4になってしまっていた女性の経験を描いた作品だ。

作者のくぐりさんは、日中は事務の仕事をして、夜は家事、深夜は絵師としての仕事をしながら毎日忙しく過ごしていた。体を冷やしながら椅子に座り続けた結果、いぼ痔になってしまい、即入院し、手術を受けることに。こうした経験から、トイレでの出血=痔という思い込みが生まれていく。

くぐりさんは「マンガ家になりたい」という子どもの頃からの夢を叶えるため、不健康な生活をし続けた結果、またトイレでの出血が目立つように。健診で指摘されなかったこともあり、体の不調を放置していた。そして、母からの強い勧めでやっと病院を受診したときには、37歳という若さにもかかわらず「大腸がんステージ4」と診断されてしまう。さらに、肺に多発転移しているため、現時点では手術で除去できないことがわかり――。

突然「大腸がん」と診断され、だんだんと「死」の恐怖が鮮明になっていく展開に思わず胸が締め付けられる。それでも、くぐりさんは生きることを諦めず、抗がん剤治療を受けると決意した。そして、抜け毛や味覚障害などの副作用に苦しみながらも、懸命に治療を続けていく。

だが、そう簡単にメンタルは付いていけず、「死んでしまうのかもしれない」という不安に本人も家族も押しつぶされそうになっていた。本作では、こうしたがん患者のリアルな葛藤がまざまざと描かれている。

くぐりさんのリアルな大腸がんの闘病生活では、夢を諦めない気持ちの底力を教えてもらえる。くぐりさんは夢だった「マンガを描くこと」と「四国八十八カ所巡りの旅」を叶えることを心の支えにし、決して治療を諦めなかった。そして、だんだんと抗がん剤治療の効果が現れはじめ、最終的に「経過観察」になるまで回復することに。

本作を通して何より実感できるのは「体の不調を放置してはいけない」ということだ。もしあなたが今、体への不安を抱えているのなら、忙しさを言い訳にせずしっかり検査を受けてもらいたい。

文=ネゴト / 押入れの人

元記事で読む
の記事をもっとみる