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琉球一美しい島・久米島。自分のペースで島を訪ね歩いて「自分だけの絶景」を切り取る旅へ

  • 2024.9.19

美しい風景を見ると、思わず切りたくなるシャッター。

どうせ撮るなら他の人にも共感してもらいたい、自分もそこに行ってみたいと思ってもらえる、そんな写真が撮れたら嬉しいですよね。筆者の場合、アングルや条件、周囲にあるものも考慮しながら、想像力を膨らませて「自分だけの絶景」を探すよう心がけています。

今回は、琉球一美しいと謳われた沖縄の「久米島」で、自分だけの絶景を探ってきました。

琉球一美しい島「球美の島」、久米島とは

Photo by 一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー

沖縄本島の西方約100km、フェリーで3~4時間ほどの海上に浮かぶ「久米島(くめじま)」。

島の周囲約48km、人口7,000人ほどの小さな島は 、琉球王朝時代には諸外国との交易の要衝として栄え、またその美しさから、琉球列島でもっとも美しい島「球美(くめ)の島」と謳われています。

そんな「球美の島」久米島で出会った数ある絶景のうち、自分なりの視点で切り取った「自分だけの絶景」をご紹介します。

久米島で切り取った絶景たち

ハテの浜

Photo by 久米島町観光協会

島東部の沖合に横たわる、久米島のシンボル「ハテの浜」。

ハテの浜は、全長約7kmにおよぶサンゴ洲島(サンゴ砂礫や有孔虫の死骸などが堆積した砂州の島)で、正確には「メーヌ浜(前の浜)」「ナカノ浜(中の浜)」「はての浜(果ての浜)」の3つの砂州で構成されています。

きめ細かな純白の砂と360度ターコイズブルーの海が織りなす絶景は東洋一とも謳われ、 まさにその姿は“天国のビーチ”ですよね。

Photo by Mayumi

1年中見られるハテの浜ですが、とはいえ、やはり天候や干満の差で表情が変わります。

この時はちょうど干潮のタイミング。であれば、どこかで砂紋の絶景が生まれているはず……と探し歩いて見つけた絶景でした。

Photo by Mayumi

砂州にはサンゴのかけらや貝、流木だけでなく、さまざまなものが漂着しています。

そうした中で、ふとした拍子に見つけた小さないのちの芽生え。思いがけない出会いや発見もまたビーチ散歩の楽しみのひとつですね。

イーフビーチ

Photo by Mayumi

島南東部に位置する「イーフビーチ」は、「日本の渚100選」にも選ばれた、沖縄屈指の絶景ビーチ。

全長約2kmにおよぶ天然ビーチは、きめ細やかな白砂と遠浅の海、そして波の穏やかさから人気の海水浴場として親しまれています。

Photo by Mayumi

そんなイーフビーチの入口にあったコンクリート製の東屋にて。

額縁効果を狙った1枚は、イーフビーチをより美しく切り取れている気がします。

Photo by Mayumi

朝焼けの名所でもあるイーフビーチ。

目の覚めるブルーの海も素敵ですが、夜明けとともに赤く染まる朝焼けの表情もまたじつに神々しく、ロマンチック。早起きした甲斐のある絶景を切り取れました。

畳石

Photo by PIXTA

地表に噴出した溶岩流がゆっくり冷えて固まり、その過程で形成される五角形や六角形の柱が密集した柱状節理。

柱状節理そのものはそう珍しくはないのですが、ここ久米島では世界でも珍しい、柱状節理による岩畳が存在します。それが、島東部に隣接する奥武島(おうじま)の「畳石」です。

長い年月をかけて波浪で削られた柱状節理は断面が平らに磨かれ敷き詰まり、その姿はさながら亀の甲羅のよう。さらに、1つひとつが1~1.5mと巨大で、その数1,000個にものぼるともいわれています。

Photo by Mayumi

国の天然記念物にも指定された島の宝の絶景。

畳石の全容が現れる干潮時がオススメですが、それに朝日や夕日を掛け合わせるとよりダイナミックで自然の偉大さが伝わる絶景が切り取れます。

ヤジヤーガマ洞窟

Photo by Mayumi

島西部の集落から離れた森のなかにひっそりたたずむ「ヤジヤーガマ洞窟」。貝塚時代やグスク時代の土器や貝製品などが出土した古代遺跡であると同時に、明治期まで風葬に利用された洞窟墓として町の文化財にも指定されています。

手つかずの鍾乳洞は見ごたえ充分ですが、いかんせん観光洞窟としては未整備で、全長約800mの洞窟内には照明もなく真っ暗闇。個人で行くのは危険なため、ガイドツアーが一般的です。

Photo by Mayumi

そんなヤジヤーガマ洞窟のハイライトが、この天井が抜けた天然ホール。密林に覆われた洞穴に降り注ぐ神々しい光、何とも言えない神秘的な絶景が眠っていました。

ちなみに、洞窟入口やこのホールには島の祖先が祀られた風葬跡(骨壺)がそのまま残され、島民にとっては神聖な場所とされています。敬意をもって行動しましょう。

シールガチ橋

Photo by 久米島町観光協会

畳石のある奧武島北側の海岸近く、ポツンと海中に立つコンクリート製の「シールガチ橋」。

じつはこれ、干潮になると両サイドに岩礁が現れ、海を渡るための海中歩道橋なのです。干潮時には沖合側の岩礁に渡って潮干狩りや釣りが楽しめたり、船が安全に沖合へ出るための海の道標として建設されたそう。

満潮時には沈んでしまうことから、 “幻の橋”とも呼ばれています。

Photo by 久米島町観光協会

この橋を渡れるのは大潮の干潮時のみ。潮が引くと、橋のしたには海へと注がれる川のような深い碧の海の道が生まれます。これがなかなか神秘的。

なお、潮が満ちると戻れなくなる可能性もあるため、歩道橋を渡る際には、事前に潮汐表を確認していきましょう。

ミーフガー

Photo by Mayumi

島北端の海に面して立つ奇岩「ミーフガー」は、約400年前にふたつの岩がぶつかり合って生まれた断崖で、島内一のパワースポットとして知られています。

というのも、島では古くからこの奇岩を「女岩」、つまり女性のシンボルとして崇め、子宝に恵まれない女性が岩を拝むと子宝が授かるという、いわゆる子宝祈願や安産祈願にご利益があるとして言い伝えが残っています。

写真で見ると小さく見えますが、実際は高さ約20mもの巨大な空洞 で、足元に立つとその迫力に圧倒されます。

Photo by 久米島町観光協会

そんなミーフガーでは、年に一度、夏至を迎える6月中~下旬の早朝にだけ太陽が穴にすっぽり収まるダイヤモンド朝日が見られます。

絶景であると同時に、ご利益も最大化されそうな瞬間ですね。

Photo by Mayumi

ちなみにこれは余談ですが、ミーフガーの前の岸壁にも注目。今まさに大地から巨人がはい出るような、何ともふしぎな奇岩がそびえ立っています。

『風の谷のナウシカ』に登場する巨神兵を彷彿とさせ、思わずカメラに収めてしまいました。

鳥の口

Photo by Mayumi

島南端の突き出た半島に位置するトクジム自然公園。その最南端の岬にそびえる、先端がぱっくり割れたふしぎな奇岩が「鳥の口」です。

文字通り、鳥のくちばしのような形をしていることから付いた名称ですが、 どちらかというとパックマンや工具のスパナにも似ていますよね。じつにユニークなかたちをしています。

Photo by Mayumi

鳥の口へ向かう道中は、春には桜、テッポウユリが咲き、冬には展望台からクジラが見えることもあるとか。 さらに、北東へ視線を向けると、ハテの浜を一望できる展望所もありました。

また、タイミングが合えば、鳥の口に夕日を灯すようなエモい絶景を撮影できるかもしれませんね。

琉球王朝時代のグスク跡

Photo by Mayumi

久米島最高峰となる標高約310mの宇江城岳(うえぐすくだけ)。その頂に築かれた琉球王朝時代の山城跡が「宇江城城跡(うえぐすくじょうあと)」です。沖縄県内にあるグスクのなかでも最高所に位置し、国の史跡に指定されています。

城跡からの眺望は360度絶景パノラマ。晴れた日には沖縄本島まで見渡せるそうですよ。

Photo by Mayumi

山頂からの眺望も最高ですが、個人的には「天空の城」がより際立つ遠望スタイルがオススメ。ちょっとジブリっぽい雰囲気がお気に入りです。

Photo by Mayumi

ジブリっぽいといえば、ミーフガーのすぐ近くにそびえる「具志川城跡(ぐしかわじょうあと)」もオススメ。グスクの城壁の保存状態が良く、よりラピュタ感が味わえます。

自分だけの風景を切り取る旅を

石垣島、竹富島、宮古島などに比べ、意外と知られていない沖縄の離島・久米島。

穴場感のある久米島だからこそ、ゆっくりのんびり自分のペースで島を訪ね歩いて、自分だけの絶景を切り取る旅が楽しめました。

ぜひみなさんも、島の絶景、島の暮らし、島の文化に触れ、新たな視点で、自分だけの風景や絶景を切り取ってみませんか。

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