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【kippis BABY BOX】 デザインが心を動かすということ〜2024年配布レポート〜

  • 2024.9.19

「NPO法人 こどもの居場所づくり inかわぐち」の活動とは?

添田さんはもともと民生委員として地域に関わるなかで、コロナが流行る前まではこども食堂を開いていました。

こども食堂の様子。みんなで食べる食事はとても美味しいと評判でした。

「コロナ禍で集まれなくなって、2020年から企業にご寄付いただいたおむつや食品などを困窮家庭に直接届けに行く活動をはじめました。自宅に伺った際は、赤ちゃんの発育状態やママの精神状態、きょうだいがいる場合は登校状況などを見させてもらって、愚痴も含めて話を聞いたうえで、行政や地域の支援団体につなげます。児童相談所や地区の主任児童委員、学校と連携し、地域みんなで孤立した家庭を見守り支える体制を整えています」

地域で活動するうえで大切にしていること

「おむつや食品はあくまで“コミュニケーションツール”であって、持っていくだけで課題解決はできないんですね。継続的に家庭を訪問することで、家族と直接つながり、虐待の芽を摘む。孤立した家族が地域の人とつながって『助けて』と言える状態になるまで、“おせっかいおばさん”として、とことん寄り添いたいんです」

まず、認めてあげる

「お母さん自身が虐待を受けていたり施設で育ったり、誰にも頼れずに孤立した状態にあるんですね。だからまずは、現状を否定せず、こどもを産んで育てていることを認めてあげる。ここまでよくがんばったね、大変だったねと必ず声をかけるようにしています」

家族の問題を解決する

「大事にしているのは、“家族丸ごと”支援すること。家族みんなの困りごとを解決しない限り、その家庭で育つ子どもたちを助けられないと思っているんです。父親の雇い止めや母親の精神疾患など抱える課題はそれぞれですが、生活保護申請の立ち合いや地域のこども食堂の活用など、社会資源から地域資源のすべてを投入して、一つひとつ解決の糸口を一緒に探していきます」

kippis BABY BOXの配布をしてみてどうだった?

「BABY BOXは、ママに向けたものもたくさん入っているので、渡した瞬間にママたちの表情がパーッと明るくなるんです。こんな笑顔見たことないってくらいに。赤ちゃんのための必需品であるおむつとはわけが違う。デザインがかわいいから、無条件にうれしくて気分が上がるんだと思います。

『あなたもがんばっているんだから、自分を大事にしていいんだよ』というメッセージを添えて、ママに向けたギフトを一つひとつ取り出しながら、一緒に喜びを分かち合っています。そこから連帯感と信頼が生まれて、心を閉ざしていたママたちとの距離が一気に縮まる気がします。

かたちあるBABY BOXがママたちに『あなたの味方だよ』という応援と祝福の気持ちを伝える橋渡しをしてくれるんですね」

「デザインで暮らしを豊かに」をモットーにするキッピスのプロダクトが、不安を抱えるママたちの暮らしに少しでも寄り添うことができているのなら、こんなにうれしいことはありません。なくてもいいかもしれないけれど、あったら気持ちが上向きになる。そんなデザインにこだわったものづくりを、キッピスはこれからも続けていきます。

illustration:CHICHICHI text:Rurika Toku

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