1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 【THINKER】ULラバー刮目!実践的なアイデアとプロの技術が凝縮した金属ギア

【THINKER】ULラバー刮目!実践的なアイデアとプロの技術が凝縮した金属ギア

  • 2024.9.18

ユニークなビジュアルと口コミで広まった補助五徳

複数の溝と中心へ向かって伸びる突起を施した薄いドーナツ型の金属プレート。これを使うことで、シェラカップのように底面が小さな調理器具も安定します

2020年3月、これまでに見たこともないような補助五徳で、ULハイカーやバイカーからの注目を浴びるようになった「THINKER(シンカー)」

薄い円盤型とトライアングル型をした2種類のギアは、一見すると「どうやって使うの?」と思うようなルックス。でも、その使い方が画像で紹介されるや「なるほど!」の声が続出。実際に使った人の口コミも手伝ってあっという間に人気になり、2021年9月にはブランド設立となりました。

母体は企画・加工・コンサルティングまでこなす金属のプロ

シンカーの母体となっているのは、金属の加工や技術コンサルティングをメインに、アルミの押し出し材(※)の販売も手掛けている祖峰企画(そほうきかく)。企業からのオーダーを受けて、照明や調理器具などの小さなものから交通標識といった大きなものまで、幅広い製品をつくっています。

そんな会社がなぜアウトドアギアをつくるようになったのか。企画部部長であり、シンカーの企画開発プロデューサーでもある佐藤 賢さんにお話を聞きました。

※加熱した金属を金型から押し出して成形したもの

使い心地や機能が問われる道具として「アウトドア」を選択

耐久性やつかみ心地が重要な火バサミなど、アウトドアギアはハンドツールとしての性能が問われることが多い

金属製品の製造に関する多様なオーダーが持ち込まれる中で、技術力はもちろん、企画力や発想力も磨かれた祖峰企画。企画から製造までワンストップでおこなう自社製品として「ハンドツール」をつくってみようという話が社内で持ち上がりました。

それまで自社製品としてつくってきた耐震用の突っ張り棒やPCクーラーだと、なかなか「使い心地のよさ」を体感してもらいづらい。使ってこそ良さが分かるハンドツールへのチャレンジとして選んだのが、アウトドア用のギアだったというわけです。

アウトドア歴30年のプロデューサーが企画

シンカーが魅力的な理由は、金属のプロがつくっていることだけではありません。プロデューサーの佐藤さんは、自らも約30年の経歴を持つアウトドア愛好家。20代のころから渓流釣りや軽登山、キャンプツーリングなどを楽しんでいる彼のこだわりがギュッと詰まっているのです。

佐藤さんが好むスタイルでは、「荷物を軽くコンパクトにする必要」があったため、実体験に基づくULギアを開発。また、フィールドテストにもじっくり時間をかけており、自分だけでなく、ツーリングや渓流釣りの仲間たちにもさまざまな環境、さまざまなギアとの相性を試しながら使ってもらっているそうです。

自身や仲間から出た「アウトドアあるある」を解決

フィールドで感じる不便さや、仲間たちとの会話から出る「こういうの困るよね」という課題を持ち帰り、カタチにしているのがシンカーのギア。

たとえば、代表作である「Moca Pot Circle」誕生のきっかけは、キャンプで焚き火をしているとき、コーヒー好きの仲間が発した「エスプレッソメーカーを屋外で使用するのに安定した五徳が欲しい!」という発言だったそう。

コンパクトな中に詰め込まれた「プロの熟考」に唸るギア3選

佐藤さんの知見と、祖峰企画の技術力。それに、金属の仕入れ・販売ルートから、目的に合わせて最適な素材を選べるという強みが凝縮されたシンカー。なおかつ、メーカーだから自社で型をつくれ、価格をグッと下げて提供できるのもユーザーにとってはうれしい限りです。

ULギアを愛するプロデューサーのこだわりが詰まった3アイテムを紹介します!

【Moca Pot Circle100】コーヒータイムに欠かせないシンカーの代表作!

12個の溝と3本の突起で、調理器具の安定性と五徳とのフィット感を向上させる便利ギア!

まずはやはり「Moca Pot Circle(モカポットサークル)」。

さまざまなストーブで安定して調理器具を使うためのサブ五徳」です。佐藤さんの友人の「エスプレッソメーカーを使うのに安定した五徳が欲しい」という発言から名前に「モカポット」と付いてはいるものの、シェラカップや小鍋、ポットなど何にでも活躍。

12個の溝が幅広い五徳やストーブにフィットするほか、実は両面使いもOKです。「カチッとはまらなくてもいいし、裏返してポットを載せればほぼ動きません。裏表、いろいろ試しながら使ってほしいです」と佐藤さん。汎用性のあるギアながら、80、100、110の3サイズ展開をしているのもこだわりです。

【Gazer 200】約20cmのミニサイズ!変形しにくさも魅力の火バサミ

2つめは長さ約20cmの火バサミ「Gazer 200(ゲイザー200)」

佐藤さんが「小型のストーブにちょうどいい火バサミを求めて、他社製の料理用トングなどをいろいろ流用してみたけれど、しっくりくる物がなかった」というのが開発背景。

ただでさえ使用しているうちに開いてきたり、先端がずれてきたりする火バサミですが、そんなストレスを感じずに愛用できるよう、ステンレスのバネ材を使用。曲げ方も工夫し、つかみやすい形状に仕上げています。さらに、つかむだけではなく、持ち上げる・かき出すを1本でできるのもこだわり。

表面はマットなサンドブラスト仕上げ。使い込んでいるうちに光り方が変わっていき、より愛着が湧く一本になっています。

【Alex 240】もう少し大きな火バサミが欲しい人はこちら

ラストは長さ約24cmの火バサミ、「Alex240(アレックス240)」。

一見、Gazer 200のサイズ違い?と思いますが、よく見れば持ち手の透かし彫りデザインが違います。これは、Gazer 200と同じデザインのままサイズを大きくすると「スリットに指が入って危ない」から。

Moca Pot Circleと同じで、たとえ少しの差でも、ユーザーが心地良くギアを使えるためなら細かなデザイン変更も厭わない――。聞かなければ分からないけれど、聞くとプロとしてのこだわりに唸る逸品。自分にとってちょうどいい火バサミを安心して選べます。

派手じゃないけど、ないと困る!小さな縁の下の力持ち

hinataストアのバイヤーからも「派手ではないけれどとても実用的で、キャンプのあとに"やっぱり必要!"となる商品が多い」と、その便利さに太鼓判が押されるシンカーのギア。

使うまではその存在を忘れてしまいそうな小ささですが、いざ火をおこせば名脇役に躍り出る存在感です。たとえばMoca Pot Circleは口の広いカップのコーヒードリッパー受けにするなど、シンプルながら使い方に余白があるのも魅力。

シンカーのギアがあれば、ULスタイルがさらに心地良いものになりそうです。

元記事で読む
の記事をもっとみる