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夢のアイテムが現実に? 開発進行中のSF映画の科学技術(5)世紀の名作…世界中の子供が憧れたガジェットは?

  • 2024.9.17
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』【Getty Images】

未来はすでにここにある―。SF小説の大家ウィリアム・ギブソンは、かつて、そんな言葉を言い遺した。この言葉通り、SF映画が描いてきた未来像は、次々と現実化している。今回は、SF映画に登場するテクノロジーやガジェットから、特に印象的なものを5つ紹介しよう。(文・司馬宙)
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●『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989)のホバーボード

制作国:アメリカ合衆国
上映時間:108分
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイル
出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、トーマス・F・ウィルソン、リー・トンプソン

●【作品内容】

PART1で無事に両親のよりを戻し、1955年から1985年へと帰還したマーティ。しかし、そんな彼の前に今度は2015年からやってきたドクが現れる。彼が語るところによると、将来のマクフライ家は、マーティの息子のトラブルをきっかけに破滅の危機にあるという。未来のマーティを救うため、早速彼はタイムマシンのデロリアンに乗り込み、恋人のジェニファーや愛犬のアインシュタインともども30年後の未来に向かう。

●【テクノロジーの概要】

これまでSF映画には、数多くの魅力的なガジェットが登場してきた。しかし、多くの少年たちを虜にしたと言う点で、ホバーボードほど魅力的なガジェットはそうないだろう。

車輪抜きのスケートボードのような形をしているこのガジェットは、地球の磁力を利用することで10cm程度浮遊できるという代物。作中では、マーティがこのホバーボードを駆使し、街中を滑走するシーンが登場する。

大人になれば、マーティのように、街中をスイスイと滑走できるんだ…。公開当時、本作を見た多くの子どもたちが、そんな夢の未来に目を輝かせたに違いない。しかし、現状はご覧の通り、作中の未来(2015年)から10年近く経た今でも実用化には至っていない。

ただ、実用化の機運が全くないわけではない。例えば、2015年には、トヨタの高級自動車ブランド「レクサス」が、液体窒素で冷却された超電導体と永久磁石で駆動する「レクサス・ホバーボード」の開発を発表。さらに、2016年には、ルーマニアの民間宇宙団体ARCA Spaceが、36個のファンで6分間の滞空を実現するホバーボード「ArcaBoard」を開発している。

また、近年では、韓国原子力研究院と大邱慶北科学技術院が共同で、空気圧で浮上できるホバーボードを開発。『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』に登場するものよりは随分と不恰好だが、自動運転が可能なため、ラストワンマイル(顧客に商品が到達する最後の接点)をサポートする宅配ロボットなどへの活用も期待されている。

多くの少年の夢を載せたホバーボード。誰もが憧れる決定版が早く開発されることを願うばかりだ。

(文:司馬宙)

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