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男のブランド下着に込められた謎のプライド。

  • 2016.3.19
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男のブランド下着に込められた謎のプライド。

仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。男も女も脱いだら脱いだでいろんなものが見えてくるが、男が全裸になる直前、女は意外なところで悶々としているらしい。その訳は…。三十路独身女がぶっちゃける男のパンツ論!
【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.31

好きな男性との初めての夜。ズボンを脱いだらそこにペラッペラの薄くて安そうなトランクスがあったら…そしてそれが後日、100円均一製のトランクスだと判明したら、あなたはどうしますか?

私はそのとき、彼から嫌われるのが嫌で、傷つくのが怖くて、経済的な男性なんだなーって無理やり自分を納得させました……って、自分の話かーい! そうです。私の苦い恋の思い出でした。

今、冷静に考えたら「ひゃ、ひゃ、100均パンツ!? ありえねー」って話なのですが、当時も驚きはしたけれど、好きだったから怖くて本音が言えなかったんだ。ああ、懐かしき青春よ。

ところで、そんな経験をいくつも乗り越えた三十路独身の今、男のパンツにはプライドが隠れていると思うのだ。

そんな中でも、女とそういうことになってズボンを脱いだら、ギラギラしたブランド物のボクサーパンツだったら…独断と偏見が混じっているけど、これ、一番ヤベエ奴だと思うんです。下着にまで気を配れるなんてオシャレでいいじゃんって? 甘い甘い! 勝負のときしか見えない場所だからこそ、男のプライドが滲み出ているデンジャラスゾーンなのである。

ブランド下着は男のプライドそのもの

そもそもなんでブランド下着が一番問題なのかっていうと、下着という日常生活の中では誰からも見られない部分に、あえて“ブランド物”をハメて、セックスに臨み、少しでも「俺を良く魅せよう」とするセンスとプライドが問題なのである。だって、たとえば私らの世代でいったら、高校時代に香水が大流行したあの青春ブランドを、20、30歳頃の男性が股間に「俺のココ! ドヤア!」ともってきているんですよ(正しくは股間ではなく腰のゴムであるが)。

もしかしたら、そんな「ドヤア!!」のために、デパートで背中を丸めて、「この下着、やっぱ普通のパンツより高けえな〜」なんてためらった後の購入かもしれないではないか。

もしかしたらパンツの上のジーパンは1,990円のファストファッションかもしれないではないか。

「とりあえず分かりやすい部分だけいい物つけるか」って、安易にパンツに2倍近いお金を出しているかもしれないではないか。

そんなみみっちい感性が透けるからこそ、セックス始めに披露されるブランド下着には、ナルシシズムの香り以外何も感じないのである。どうせ、そんな大したイチモツでもなかろうに。いや、たいしたイチモツじゃないからこそ、パンツに金をかけるのか?だったらもっと、前戯に労力でもかけよ!ということである。

もちろんこれが女子だったら話は別だ。高い下着は高いなりの作りと構造になっているから、財布が許すかぎり、いい下着を着るほうが、ボディメイク的には正解である。

だけど男子の股間ホールド事情なんて、たかが知れているではないか(こだわり出したらキリがないとは思うけど)。いいブランド下着を履いたって、イチモツが大きく見えるわけじゃないし、たるみ始めた肉体が締まってみえるわけでもない。せいぜいセックス前のあの一瞬、自分の股間と男としてのインパクトを高めたいだけであろう。そんな瞬間に平均以上のお金をはたく「ドヤア!」なセンスは薄っぺらくてヤバイということである。

★改ページ

婚活男子はなぜダサいのか?

こんな話をすると、みんなとは言わないけれど、けっこー共感してくれる子が多くて嬉しい。だから今日はもっと言っちゃう。

男! それも婚活中の男性って、どうしてこうも見てくれのダサい殿方が多いのだろうか。

さんざん取材やプライベートで婚活事情を見てみたけれど、真面目な出会いの場に行けば行くほど、男は総じてダサくなる不思議。よく「恋愛したければ出会いの場へ行こう♪」なんて合い言葉のように世間は言うが、ハッキリいってほとんどの男性は、あのキャッチコピーを鵜呑みにすべきではない。

こっちとら、ちゃんと恋愛しようと思って、化粧して可愛く見えそうな洋服を着て、女子っぽく振る舞おうとしているのに、どうしてそんなダサい上着を羽織り、カミソリ負けしたカサカサな肌のままで、結婚相手を探しにくるのだろうか。

別にブランド物を着てこいとか、オシャレじゃないと嫌だとか、駄々をこねているんじゃない。そうじゃなくて、リアルの婚活市場では、女よりずーっと男のほうが、出会いの数を増やせばいつか運命の人が…なんて夢を抱いてるじゃないかってことを言いたいのだ。

そのくせこっちが年収とかを重視すると「女はさあ〜」とブーたれる。年収でしか見られなかった自分を見直そうとはしないのか。こっちは挽回不可能な年齢フィルターと、日々戦っているってのにさ!

でも1番ヤバイのはこんなこと言う私?

と、婚活男子もブランド下着男もメッタ打ちにしてみたけれど、そうは言っても、目の前にそういうオトコがきたとき、私は正解(だと思っている方向)を伝えることができない。

婚活男子は、まぁ親しくないから当然言えないとしても、彼氏とセックスとなったとき、ブランドロゴが「ドヤア」と入ったパンツを見せつけられても「ウワッ…ギラギラしてる…」と内心ざわざわしながらも、やっぱり指摘して好きな人に嫌われたら嫌だ…と、臆病ながら相手に合わせてしまうのだ。

「私がちょっと我慢すればいい話。こんな小さいことでうじゃうじゃ文句を言う自分は小さい女なんだ」くらいに、自分を逆に責めることも、あったかもしれない。そうして事が終わったあと、天井を見上げながら考える。

「この人はこのギラついたパンツを買ったとき、やっぱり背中を丸めて、自分の股間が1番よく見えるのはどれかな〜と吟味しながら、デパートで買ったのだろうか。いや、Amazonで買ったかもしれない。1枚2,000円ちょっとのパンツは高いなーとか思いながら、決意を持ってポチったかもしれない」

そんな風に、臆病な乙女心は、寝付けない夜をすごすのだ。

下着だろうがファッションアイテムだろうが振る舞いだろうが、ハッキリと気に入らないなら「それって、私は好きじゃない!」と、明るく突っ込んだらよいのである。お互いの好みを、すり合わせたり理解し合ったりすることが、本来恋愛の醍醐味なのである。が、それができたら楽なのに、いや、それができないから、私たちは、あーだこーだと男に難癖を最初の段階でつけるのかもしれない。

「好きになれる人がいない」とはよく言うけれど、昔は足が早かったり優しかったりしただけで、男の子を好きになれたではないか。いい年になった今、好きになるより全然先に、相手の欠点をいくつも見つけて、恋するより先に萎えてしまう臆病さが、1番ヤバイ問題かもしれない。

でも、ブランド物のパンツにこだわる男は、やっぱり嫌だなー。

おおしま りえ/雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。20代で結婚と離婚を経験後、アップダウンの激しい人生経験を生かし、現在恋愛コラムを年間100本以上執筆中。そろそろ幸せな結婚がしたいと願うアラサーのリターン独女。

HP:http://oshimarie.com

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