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邦画史上最高の音楽映画は? 魂を震わす珠玉の日本映画(2)劇中曲のクオリティが高すぎる…最強キャストの名作

  • 2024.9.17
小松菜奈【Getty Images】

いつの時代も人々に感動を与えてきた音楽。ビートルズしかりローリングストーンズしかり、自身の思いを世界に表現し続けるアーティストや歌手たちは、存在自体が芸術といえるだろう。今回は、数ある音楽映画の中から、日本で製作された珠玉の作品をセレクト。観れば勇気がもらえること請け合いの5本を紹介しよう。(文・ZAKKY)
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●『さよならくちびる』(2019)

上映時間:116分
監督:塩田明彦
脚本:塩田明彦
キャスト:小松菜奈、門脇麦、成田凌、篠山輝信、松本まりか

●【作品内容】

解散を決めたインディーズ女性ギターデュオ「ハルレオ」。そのメンバーであるハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)は、ローディ兼マネージャーのシマ(成田凌)と共に、全国7都市を巡る「さよならツアー」に出発する。しかし、その道中、少しずつ3人が胸に秘めていた感情が露わになっていく。そして、そんな3人の葛藤から、新たな名曲が誕生する-。

●【注目ポイント】

『黄泉がえり』(2003年)や『風に濡れた女』(2016年)で知られる塩田明彦による音楽映画。小松菜奈、門脇麦、成田凌の共演のほか、主題歌「さよならくちびる」を秦基博が、挿入歌「誰にだって訳がある」「たちまち嵐」をあいみょんが提供したことでも話題を集めた。

「バンドの解散」という比較的ありふれた出来事を、リアリティたっぷりに描いた本作。全国ツアーの最中には、解散を決めたハルが歌詞に自身の真実を託し、レオは自身の想いを歌声でしか表わせない状態になる。互いに一方向の恋愛感情をぶつけ合う中、この映画と同タイトルである『さよならくちびる』という楽曲が生まれてゆくわけなのだが、そのさまがなんともはがゆくて切ない。

『さよならくちびる』は、レオとハルの耽美的なキスシーンはあるものの、劇的なストーリー展開や演出があるわけではない。むしろ、全国ツアーを通して3人の心情が穏やかに変わっていく雰囲気が丹念に活写されており、その演出がなんとも心地よいのだ。

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