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実は避けたほうがいいんです… 管理栄養士が教える「にんじんのNG食べ方」

  • 2024.9.16

にんじんは一年中手に入りやすく、和洋中どのような料理でも合うため、家庭料理に使いやすい食材ですよね。しかし、食べ方や調理方法によっては、その栄養価が十分に活かされないことがあります。今回は管理栄養士の筆者が、にんじんのNGな食べ方や調理方法、にんじんに含まれる栄養価について解説します。

にんじんに含まれる栄養素とは

にんじんは緑黄色野菜のひとつであり、栄養価が高いイメージがあるかもしれません。実際にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。にんじんに含まれているおもな栄養素や、期待される健康効果について解説します。

β-カロテン(ビタミンA)

にんじんの鮮やかなオレンジ色は、β-カロテンによるものです。β-カロテンは体内でビタミンAに変換されて働きます(※1)。

ビタミンAは目の健康や皮膚・粘膜の健康維持に役立ちます。また、抗酸化作用があり、免疫機能の強化や老化予防にも効果が期待されています(※2)。

ビタミンC

ビタミンCにも抗酸化作用があり(※2)、免疫力の向上や老化予防などに役立つとされています。また、肌の弾力を保つコラーゲンの生成に不可欠であり、皮膚や粘膜の健康のためにも重要な栄養素です。

カリウム

カリウムは、体内の水分バランスを調整してくれる栄養素です。余分なナトリウムを体の外に排出する作用があるため、高血圧やむくみ予防の効果が期待されます(※3)。塩分を多く摂ったときには特に補給したい栄養素です。

にんじんのNGな食べ方とは

にんじんにはビタミンやミネラルが豊富に含まれていますが、食べ方によってはせっかくの栄養素を十分に活かしきれない可能性もあります。ここからはにんじんのNGな食べ方について解説します。

にんじんの皮を全てむいてしまう

にんじんの皮の近くには多くのβ-カロテンが含まれているため、皮をむいてしまうと重要な栄養素が失われます。栄養素をしっかり摂りたい場合は、にんじんは皮つきのままよく洗ってから皮ごと食べるのが理想的です。

汚れや食感などが気になる場合は、なるべく薄めに皮をむいて調理しましょう。

長時間茹でる

にんじんを長時間茹でると、水溶性のビタミン(特にビタミンC)が流れ出てしまいます。また、加熱しすぎると食感が損なわれる可能性も。にんじんは蒸したり、電子レンジで加熱したりと、なるべく短時間で加熱するようにしましょう。

油を全く使わないで調理する

にんじんに含まれるβ-カロテンは油に溶けやすい性質があり、油と一緒に摂ると体内での吸収率が高まります(※4)。油で炒めたり、適度な油を使ったドレッシングと一緒に摂ったりすることで、β-カロテンを効率よく摂取できますよ。

ただし、揚げ物にしたり大量の油を一緒に摂ったりすると、脂質やカロリーが多くなってしまいます。油を使う場合は使いすぎに気を付けましょう。

また、にんじんは生食がよくないというわけではありません。生で食べると熱に弱いビタミンが摂りやすいというメリットもあります。

栄養価の高いにんじんを毎日の食卓に取り入れよう

緑黄色野菜のひとつであるにんじんには、私たちの健康を支えてくれるさまざまな栄養素が含まれています。スーパーで年中手に入りやすいため、ぜひ常備してほしい食材です。今回お伝えした調理方法もぜひ参考にして、にんじんを使った料理を楽しんでください。

※1 厚生労働省.e-ヘルスネット カロテノイド
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット 抗酸化ビタミン
※3 厚生労働省.e-ヘルスネット カリウム
※4 厚生労働省.e-ヘルスネット 緑黄色野菜
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筆者情報

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。

文/管理栄養士・寺内麻美

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