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「SHOGUN 将軍」が史上最多18冠! エミー賞2024の印象的なシーンをハイライトでお届け

  • 2024.9.16

司会は「シッツ・クリーク」のユージン&ダン・レヴィ親子

エミー史上初となる親子司会を務めた父ユージン(左)と、息子のダン(右)。 Photo_ Leon Bennett /Getty Images
76th Primetime Emmy Awards - Showエミー史上初となる親子司会を務めた父ユージン(左)と、息子のダン(右)。 Photo: Leon Bennett /Getty Images

第76回エミー賞の司会を務めたのは、俳優&コメディアンのユージン・レビとクリエイターのダン・レヴィ親子。二人はコメディドラマ「シッツ・クリーク」で親子共演をし(それも親子役で!)、2020年にはエミー賞史上初の親子同時受賞に輝いている。今年の授賞式も、受賞者たちのスピーチに厳しい時間制限がもうけられていたが、オープニングモノローグで息子のダンは、制限時間を超えた人のスピーチを途中で中断させる役目を、温和で優しく、穏やかだとされるカナダ人に負わせる皮肉について、こんな冗談をとばして会場の笑いを誘った。

「ひどいジョークとしか言いようがありませんが、二人のカナダ人が今夜のみなさんのスピーチを打ち切る役を任されました。誰かの邪魔をするというのは、カナダ人の気質に反しています。一般的に対立は不安を引き起こすものです。特に77歳の父にとっては」

二人は、親子ならではの冗談や「一流シェフのファミリー・レストラン」をはじめとするいくつかの番組をネタにしたジョークを交えながらも、平穏にオープニングを進行した。

エリザベス・デビッキは受賞スピーチでダイアナ元妃を称賛

「ザ・クラウン」はNetflixにて配信中。 Photo_ Daniel Escale/Netflix
Crown Season 6 「ザ・クラウン」はNetflixにて配信中。 Photo: Daniel Escale/Netflix

「ザ・クラウン」のダイアナ妃役で、ドラマシリーズ部門の助演女優賞を受賞したエリザベス・デビッキは、自身初となるエミー賞の受賞スピーチで、ダイアナ元妃を称嘆。今年33歳になったオーストラリア出身のデビッキにとって、生涯忘れられない役となったようだ。

Photo_ Gilbert Flores/Getty Images
76th Primetime Emmy Awards - Press RoomPhoto: Gilbert Flores/Getty Images

「この比類なき素晴らしい人物をモデルにした役を演じることは、私にとって大きな特権であり、大きなギフトでもありました。本当にありがとう」

ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナがスペイン語でプレゼンツ

今年45歳になったガエル・ガルシア・ベルナル(左)と、44歳のディエゴ・ルナ Photo_ Robert Gauthier/Getty Images
76th Primetime Emmy Awards - Show今年45歳になったガエル・ガルシア・ベルナル(左)と、44歳のディエゴ・ルナ Photo: Robert Gauthier/Getty Images

23年前に『天国の口、終りの楽園。』の共演で世界的な人気を獲得したメキシコ出身の仲良し俳優、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナは、リミテッド/アンソロジーシリーズ部門の作品賞のプレゼンターとして登場。全編スペイン語でプレゼンを行うという、これまでにないスタイルをとった。

「この国でスペイン語を話す何百万という人々にご挨拶を」とスペイン語で話し始めたルナは、そのまま自身がプレゼンターを務める部門の内容をスペイン語で説明。その間、一切の訳はなし。続いてガルシア・ベルナルが、同じくスペイン語で受賞作を読み上げた。

ストーカー被害の実体験から生まれた「私のトナカイちゃん」。リチャード・ガッドは虐待サバイバーにコメント

「私のトナカイちゃん」はNetflixにて配信中。 Photo_ Ed Miller/Netflix
Baby Reindeer「私のトナカイちゃん」はNetflixにて配信中。 Photo: Ed Miller/Netflix

Netflixオリジナルシリーズの「私のトナカイちゃん」は、スコットランドのコメディアンのリチャード・ガッドが、10年以上前に受けたストーカー被害の経験を元に描いたドラマだ。ガッドが自らストーカー被害者を演じ、出演者たちもほぼ無名な作品ながらも、配信がスタートするや世界中で高評価を受けて大きな話題となった。

一方で、今作のストーカーのモデルとなった実在の女性が、ネットを通じて特定されることに。女性は素性をさらされたことで名誉を傷つけられたと、Netflixを相手に訴訟を起こしたり、YouTubeの人気番組に出演して作品を批判したり、マージンを要求したりと現在もゴタゴタの真っ只中だ。そんな「私のトナカイちゃん」だが、ガッドは一人でリミテッド/アンソロジーシリーズ部門で主演男優賞、脚本賞、作品賞を獲得。脚本賞のスピーチで自身の虐待の過去について言及し、困難な思いをしている人たちに逆境に負けないようにというエールを送った。

結果的に3度登壇することになったリチャード・ガッド。 Photo_ Leon Bennett/Getty Images
76th Primetime Emmy Awards - Show結果的に3度登壇することになったリチャード・ガッド。 Photo: Leon Bennett/Getty Images

「(受賞するなんて)夢のような話です。10年前、私はひどく落ち込んでいました。人生をやり直せるなんて思ってもみなかった......。自分の身に起きたことを正し、再び立ち直ることができるなんて思ってもみませんでした。あれから10年以上経ち、こうしてテレビ界で最も大きな脚本賞のひとつを受賞することができました。傲慢に聞こえるかもしれませんが、そういうつもりはありません。これは今、困難な時期を過ごしている人たちに辛抱してほしいという励ましの言葉なのです」

ウィル・スミスの名前にドキッ⁉ 自虐ネタで笑いをとったベテラン脚本家

ウィル・スミスが脚本を手がける「窓際のスパイ」は、Apple TV+にて配信中。 Photo_ Christopher Polk/Getty Images
76th Primetime Emmy Awards - Showウィル・スミスが脚本を手がける「窓際のスパイ」は、Apple TV+にて配信中。 Photo: Christopher Polk/Getty Images

受賞者の名前を聞いて、一瞬「ドキッ」とした人もいるだろう。ゲイリー・オールドマンが主演するイギリスのスパイスリラードラマの「窓際のスパイ」が、ドラマシリーズ部門の脚本賞を受賞した。そこで呼ばれたのが、脚本家「ウィル・スミス」の名前だ。檀上にあがったベテラン脚本家のスミスは開口一番、「みなさん落ち着いてください。私は名前とは裏腹に、危険な人間ではありませんから」と語り、会場は大爆笑。もちろん、これは2022年のアカデミー賞で、ウィル・スミスがクリス・ロックに平手打ちを喰らわせたあの事件のことを指している。

6.「SHOGUN 将軍」の快挙。時代劇がエンターテイメントして世界に認められた日

受賞を喜ぶアンナ・サワイと真田広之。「SHOGUN 将軍」はDisney+にて配信中。 Photo_ Disney/Scott Kirkland/Getty Images
ANNA SAWAI, HIROYUKI SANADA The 76th Emmy Awards受賞を喜ぶアンナ・サワイと真田広之。「SHOGUN 将軍」はDisney+にて配信中。 Photo: Disney/Scott Kirkland/Getty Images

今回のエミー賞の最大のハイライトは、何と言っても「SHOGUN 将軍」の快挙だ。ドラマシリーズ部門の作品賞など18冠に輝き、本作のプロデュースを行い自ら主演する真田広之は主演男優賞を、アンナ・サワイは主演女優賞を獲得。ともに日本人俳優初のエミー賞受賞者となった。

涙を流しながら檀上にあがったサワイは、「真田さんは私のような人たちのために、活躍の機会を与え続けてくれました」と真田に感謝の意を述べ、こうスピーチを締めくくった。

「チームのみんな、そして家族にありがとうと言いたいです。お母さん、愛しています。あなたのおかげで、私は今ここに立っています。鞠子を上手に演じられたのも、お母さんが忍耐強くあることをお教えてくれたから。この賞を、何かを期待することなく、ずっと人々のお手本であり続ける女性たちに捧げます」

Text: Rieko Shibazaki

第76回エミー賞(2024年)- Read More

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