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子どもの素顔を投稿するのは罪なのか? SNSにのめり込み、子どもを利用する母。成長した娘が抱える問題とは…

  • 2024.9.15

現代社会におけるSNSの光と影を鮮明に描き出した『子どもをネットにさらすのは罪ですか?』(まきりえこ/KADOKAWA)は、身近に潜む子育てとSNSの関わりにおける危険性と、承認欲求と経済的利益に翻弄される人間の脆さを浮き彫りにした作品だ。

主人公のあずさは、どこにでもいるような料理好きな主婦。 彼女は動画サイトで自己表現をする喜びを知るが、夫の裏切りがきっかけでSNSへの依存を深め、娘のふうかの運命をも巻き込んでいく。

あずさは、最初は料理の動画を投稿していたが、再生数を増やすために、次第にふうかを動画に出すようになる。 ふうかは「ののか」というキャラクターとして人気になり、チャンネル登録者数は増加していくが、あずさは経済的自立と夫への復讐心から、ふうかの意思を無視して動画投稿を続けてしまう。

一方、同じマンションの住人・貴山は息子を「集客素材」とし、安易に個人情報を公開した結果、詐欺に遭い多額の借金を背負ってしまうのだった。

シングルマザーの地見井は、息子との日常を発信しそれなりの収入を得るが、収益の不安定さから、資格取得のために勉強を始める。

本作は3人の女性を通して、読者に「安全なSNSライフ」を送るための教訓を伝えている。特に子どもの露出は、「かわいい」「再生回数を稼げる」という理由で安易に利用されやすいが、一度公開された情報の削除は難しく、大きなリスクとなることを、保護者や身近な大人は忘れてはいけないのではないだろうか。

この作品は、SNSを利用するすべての人にとって、自身の行動がもたらす結果を考えさせてくれる。承認欲求や経済的利益に惑わされず、冷静に判断することの大切さを訴えかけている。

SNSの光と影が混在する現代。私たちはどのようにSNSと向き合っていくべきだろうか。『子どもをネットにさらすのは罪ですか?』は、その答えを見つける一助となるだろう。

文=ネゴト / ニャム

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