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人気エディター・川口ゆかりの「ふたり暮らしのおしゃれレシピ」第91回「下町の魅力を感じるアンティーク散策」

  • 2024.9.15

代々木公園や明治公園のフリーマーケットで買い物を楽しんでいた学生時代から、海外のマルシェにも興味を持つようになり、パリのモントレイユやロンドンのカムデンマーケットとマルシェ目当てに旅をするようになりました。

結婚してからは、うつわに興味がわいて、益子や九谷焼の陶器市に出かけたりと、ご近所でなくとも気になるイベントがあれば迷わず駆けつけてしまうほど、マルシェが大好きです。

なかでも、ここ数年は環境に優しい選択をしながらも自分だけの特別な物を手に入れることができる骨董市の魅力にどっぷりとハマっていて。

久しぶりに休みが取れた週末、学生時代の友人と共に、古き良き日本の風情が残る富岡八幡宮の骨董市へと足を運びました。

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富岡八幡宮の骨董市は平成6年から続く下町の風物詩。1627年に創建された歴史深いこの神社の境内で開催されること自体が特別な体験です。

私たちが到着したのは、朝10時半過ぎ。

鳥居をくぐると、そこには色とりどりのテントが立ち並びんでいました。外国のアンティーク雑貨から着物に古道具、ハンドメイドのバッグや巾着など、多彩なアイテムが勢ぞろい。その中から「今日はどんな掘り出し物に出会えるのだろう?」と考えただけでもう、ワクワクが止まらない!

まず目に入ったのは、着物や帯を取り扱うブース

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山のように積まれた着物や帯のなかから、自分好みの一枚を探していきます。デパートのようにサイズごとにきれいに陳列されているわけではないので、お気に入りを見つけるのは途方に暮れるほど時間がかかる作業。でも、その時間さえもが愛おしいというか、宝探しのようで心躍る瞬間なのです。

次に惹かれたのは、骨董のうつわが並ぶ店先

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年代物のうつわには独自の絵付けが施されており、どれもが個性的。お値段も数百円から揃っているので、初心者さんには特におすすめのアイテム。骨董の知識がないから……と難しく考えずに、お洋服と同じ感覚で自分がときめくものを購入してみてください。

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最近では旅先でうつわを買い求めることが多いですが、こうしてたくさんのなかから、自分の直感に従って出会いを楽しむのもいいですよね。

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「このうつわにはケーキが合うかな」「意外にアクセサリーを置いてもかわいいかも」そんなことを友人とおしゃべりしながら選んでいる瞬間は、何より楽しくて。新品にこだわる人も、中古品にロマンを感じる人も、それぞれの楽しみ方ができるのも骨董市の大きな魅力。

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この日、ひときわ印象的だったのは友人が購入したフランス製のピッチャー。迷っていたら「少しお値下げしますよ~」と、気さくに店主の方が声をかけてくださり、1500円で購入。

なんでもスマホひとつで手に入るご時世だからこそ、こうやって値段交渉しながらお買い物できるのも、マーケットの醍醐味ですよね。このやりとりがたまらなく好き!

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私はアンティークの着物を扱っていたお店で、和装用のバッグを購入しました。ワンコインだったので思い切って2つ! お得に買えて、ホクホク。

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私にとって骨董市は、五感を呼び覚ます特別な空間でもあります。

古びたうつわや繊細なレース、経年変化を経た革製品。軒先に並ぶアイテムのなかで特に惹かれるもの、心が躍るものを見つけることで、自分の感性が少しずつ研ぎ澄まされていく。

さらに、実際に触れることで感じる感触や指先に伝わる歴史の深さは、視覚だけでは味わえない感動を提供してくれます。

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香りもまた、こうした骨董市の魅力のひとつ。古書やアンティークの布地が発する微かな匂いには、過去の時代が息づいており、その香りが漂う場所に立つことで時を遡る旅をしているような気分になるのです。

視覚だけでなく、触覚の感触、嗅覚の香り──。食べ物を扱うマルシェなら、ここに聴覚や味覚が加わって五感で楽しむことができる。富岡八幡宮の骨董市は、そんな心躍る体験を提供してくれる下町の宝石箱のような場所でした。

次回の開催は2024年9月22日とか。街の喧騒を逃れ、少しだけ違う世界に足を踏み入れてみては? 骨董市のにぎわいに身を委ねながら、自分だけの一品を見つけるのも楽しいものですよ。

写真・構成/川口ゆかり

※この記事は2024年9月15日時点の内容です。

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