これ正に青春！空音央監督の長編劇映画デビュー作『HAPPYEND』

2024.9.16

こんにちは！リビングふくおか・北九州Web地域特派員のゆーれんママです！今回は2024年10月4日(金)より全国公開となる（配給:：ビターズ・エンド）映画『HAPPYEND』の試写を観させていただきました。

『HAPPYEND』は、短編映画「The Chicken」、コンサートドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』で世界中の映画祭から注目を集めた新鋭・空音央(そら・ねお)監督の長編劇映画デビュー作。今月末から始まるヴェネツィア国際映画祭では日本唯一の選出でオリゾンティ・コンペティション部門に正式出品が決定し、日本のみならず世界中から期待の声が寄せられている作品だそうです！

ストーリー

ユウタとコウは幼馴染で大親友。仲間たちと音楽を聴いたり悪ふざけをしながら毎日を過ごしていた。高校３年のある晩、こっそり忍び込んだ学校でユウタはとんでもないいたずらを思いつく。翌日いたずらを発見した校長は激昂し、学校に四六時中生徒を監視するＡＩシステムを導入する騒ぎにまで発展。この出来事をきっかけに、大学進学を控えるコウは自らの将来やアイデンティティについて深く考えるようになる。その一方で、変わらず楽しいことだけをしていたいユウタ。２人の関係は次第にぎくしゃくしはじめ…。

見事な演出！

物語の舞台は、「XX年後の日本」という設定ですが、昨今のAIの進化や普及のスピードを考えると、決して遠くない、今の世の中と地続きで、リアリティのある未来だと意識させられます。それは、独特なサウンドとハーモニーによる音楽、圧倒的にエモーショナルな映像美による効果によるもの！そして、オーディションで選ばれたW主演の栗原颯人と日高由起刀が見せる、微妙な表情からは、監督が表現したいだろう、高校生にしか感じえない想いやアイデンティティに対する課題などが、見事に演じられています。

新たな切り口！

「世界は変わる、僕らも変わる」というナレーション通り、小さい頃からずっと一緒だった親友が気持ちをぶつけ合うシーンからは、青春期独特の危うさを感じ、未来の設定でありつつも、大人だったら誰もが懐かしく思うような演出が新鮮です。若さゆえに後先考えずに突っ走れる正義感や、ストレートに気持ちをぶつける姿に、羨ましく思ってしまうかもしれませんよ。親友だったはずが、ちょっとした掛け違いであっという間に危うい関係になってしまうなど、青春映画独特の雰囲気を感じさせてくれる内容ですが、この映画は今までにないような切り口で、表現されています。それはもしかすると、アメリカ生まれ日米育ちという、監督の生い立ちが影響しているのかもしれません。邦画でありながら、この映画の軸となるスピリットには、日本の域を超えたものを感じました。

あり得そうであり得ない、でもやっぱりあり得るかも！？という感覚にもなる、青春映画の新たなる金字塔『HAPPYEND』を是非劇場でご覧ください。

『HAPPYEND』
栗原颯人日高由起刀林裕太シナ・ペンＡＲＡＺＩ祷キララ中島歩矢作マサルＰＵＳＨＩＭ渡辺真起子／佐野史郎
監督・脚本：空音央
撮影：ビル・キルスタイン美術：安宅紀史音楽：リア・オユヤン・ルスリ
サウンドスーパーバイザー：野村みき
プロデューサー：アルバート・トーレン、増渕愛子、エリック・ニアリ、アレックス・ロー、アンソニー・チェン
製作・制作： ZAKKUBALAN、シネリック・クリエイティブ、Cinema Inutile
配給：ビターズ・エンド日本・アメリカ/2024/カラー/DCP/113分/5.1ch/1.85:1 【PG12】
© 2024 Music Research Club LLC
映画『HAPPYEND』公式 (bitters.co.jp)
X：https://x.com/HAPPYEND_mv
Instagram：https://www.instagram.com/bitters_end/

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