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【横浜市】国内最大級規模の ”鉄道模型博物館” は九州との関係が深かった

  • 2024.9.15

こんにちは。趣味は乗り物、特技は食べ歩きのリビングふくおか・北九州Web地域特派員 ”ほっぺた親爺” です。 家の近所にあると、いつでも行けると思ってしまい後回しになっちゃうスポットって、結構あると思います。 ”ほっぺた親爺”も、東京在住中には行かずにいたけど、一度は行っておきたい‥そう思っていたのが神奈川県横浜市にある「原鉄道模型博物館」です。 今回、東京に行く機会があったので、「原鉄道模型博物館」を訪問してきました。

横浜駅から徒歩5分の距離、羽田空港、新横浜駅から半日あれば‥

出典:リビングふくおか・北九州Web

「原鉄道模型博物館」は、横浜駅から徒歩5分の距離で、日産自動車本社ビルの隣にある横浜三井ビルの中にあります。 横浜駅は、JR東日本、東急東横線、京浜急行本線、相模鉄道本線、横浜市営地下鉄など多くの路線が乗り入れている神奈川県最大の駅です。 横浜駅は、JR横浜線で新横浜駅まで3駅、11分。京浜急行で羽田空港まで最短28分の距離にあるので、福岡に戻る前後に半日時間があれば、十分に見学に行ける距離です。

出典:リビングふくおか・北九州Web

横浜三井ビルに入ると、2階の「原鉄道模型博物館」まで専用エスカレータがあります。 駅でよく見る自動改札機が設置されていて、ここから入場します。 ここでは入場券が購入できないので、事前にネットかコンビニで日時指定の入場券を購入する必要があります。

「原鉄道模型博物館」とは、鉄道愛好家による唯一無二の博物館

出典:リビングふくおか・北九州Web

「原鉄道模型博物館」は、世界的に有名な鉄道模型の製作家・収集家の原信太郎博士の制作物、収集品を展示する博物館で、2012年に開館、今年で開館12周年になります。 鉄道博物館は全国各地に存在しますが、ここ「原鉄道模型博物館」は ”個人が” 制作したもの、収集したものだけの展示になります。

出典:リビングふくおか・北九州Web

ワックスでピカピカに磨かれた床の第二展示室。 ここには国内外の鉄道模型、鉄道関係書類が展示されています。

出典:リビングふくおか・北九州Web

路面電車のコーナー。 どの車両も、写真では表現しきれないくらいに、精巧に作られています。

第三展示室には唯一無二のコレクション どんどん吸い込まれてしまいます

出典:リビングふくおか・北九州Web

原信太郎博士が日本のみならず海外で撮りためた豊富なフォトライブラリー。 2台のパソコンを自由に操作して見ることができます。 混雑時は一人10分以内の使用制限があります。当日は、混雑していなかったので見放題でしたが、10分はあっと言う間です。

興味深い写真の一例として、 現在、西鉄天神大牟田線の薬院駅は、西鉄が高架線、福岡市地下鉄七隈線が地下を走っています。 かつて福岡市地下鉄七隈線が走っている渡辺通1丁目~六本松間には、1975年に廃止されるまでは西鉄福岡市内線という路面電車が走っていました。 西鉄薬院駅がまだ地上駅だったころ、天神大牟田線と福岡市内線とが線路同士が交差する写真が収納されていました。 福岡県に限らず、九州の懐かしい写真も多数保存されているので、興味深く楽しめます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

発行番号「1番」の切符の収集。 紙の切符の時代は、それぞれに通し番号が付与されていました。その番号が「0001」の切符コレクション。

多数展示されていましたが、これは東海道新幹線開業の1964年(昭和39年)10月1日、ひかり1号の指定券。 座席番号が1号車、座席番号が1番の1づくし‥。どうやったら手に入るのでしょうか?

鉄道ファンは、電車に乗る「乗り鉄」、写真を集める「撮り鉄」、切符や案内図などを集める「収集鉄」など、分野ごとに細分化されています。原信太郎博士は、どの分野もファンの領域を超えた まさに ”博士” だと思いました。

スケール桁違いの鉄道模型を運転

出典:リビングふくおか・北九州Web

鉄道模型のサイズを比較しています。 一般に、鉄道模型を楽しむ人は上から2段目のNゲージを所有しています。 適切な例えではありませんが、サイズ的には「長ネギ」の太さをイメージしてください。 ちょっと本格的な鉄道模型を楽しむ人はその下のHOゲージを所有します。大きくなると重量感がグッと増しますが、金額も相当高額になります。サイズ的には「ちょっと太い人参」。 原鉄道模型博物館のレイアウトは一番下の「1番ゲージ」という巨大な模型で、サイズ的には「立派な大根」です。

出典:リビングふくおか・北九州Web

再現された当時の模型工房。 冷房の無い夏の暑い日も、この模型工房で数々の模型造りに没頭されていたんだと思います。

出典:リビングふくおか・北九州Web

これだけ大きな鉄道模型のレイアウトは初めて見ました! 鉄製のレール、本物同様に空中に張られた架線の線路は、一周70mのコース。 色とりどりの街並みに、自動車、人形など生活感のあるジオラマは見事です。

何より、「1番ゲージ」の巨大な模型が相当なスピードで線路を走る音を聞いているだけで、「あれ?直ぐ近くに電車走っていたっけ?」と錯覚するような重量感のある本格的なサウンドで、ワクワクします。

出典:リビングふくおか・北九州Web

昼、夜と、時間経過による雰囲気の違いも楽しめます。 実際に現地に行ったことはありませんが、パリのリヨン駅をモチーフにした模型を見ると、行った気になります。

出典:リビングふくおか・北九州Web

博物館入口で当日予約の ”動鉄(ウゴテツ)実習” で、実際に運転席に座って巨大な鉄道模型が運転可能です。 元国鉄の通勤電車の運転台で、右手でブレーキレバー、左手でノッチ(自動車でいうアクセル)を操作します。 それぞれ独立して、減速操作、加速操作する運転台は、他の博物館ではなかなか体験できない優れものです!

スタッフから、操作方法の手解きを受け3周の運転が始まります。 1,2周目は出発して元の駅で停車。3周目は上級編で、途中のリヨン駅に停車して戻ってくる課題でした。 正面の画面には、電気機関車の先頭カメラの画像が映し出され、本当の機関車を運転している感覚です。

出典:リビングふくおか・北九州Web

ジオラマには、色々なキャラクターが隠れています。 リヨン駅のロータリーでタクシーを待つ紳士の前をタクシーが通過。その前で手を挙げる婦人の方に向かうタクシーを見送る紳士が寂しく見えます。また、絵画のモナリザが売店の売り子をしていたり、随所に存在するようなので、それを見つける楽しみもあります。

模型「或る列車」が生みだした九州との太い関係に驚き!

出典:リビングふくおか・北九州Web

第一展示室に展示されていたゴールドに輝く「或る列車」の模型。 「或る列車」は、九州鉄道が1906年にアメリカのメーカーに豪華列車を発注、1908年に横浜港に到着。 しかし、横浜港に到着した1908年には、九州鉄道は国鉄に買収されたあと。 九州鉄道自慢の豪華列車のハズだったのに、営業運転されることなく国鉄の教習車に改造され、全国に分散された‥悲しい過去があったと、説明パネルに記載されていました。 原信太郎博士が、少年時代に車庫に留置されていた「或る列車」を内部まで見ていて、図面と記憶から忠実に再現したのがこの模型。 1935年に「或る列車」として雑誌で紹介され、鉄道ファンの注目を集めたとのことです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

時を経て、皆さんご存知のとおり、国鉄が分割・民営化されてJR九州になりました。 JR九州はたくさんの豪華列車を作っていて、「或る列車」は2015年に誕生しました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

博物館で展示されているこの模型が、列車製造の原型となったとのこと、JR九州から感謝状が授与されていました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

昨年10月には、「原鉄道模型博物館」で「或る列車展」を開催。 その際に門司の九州鉄道記念館との間で、友好協定書を締結したとのこと、九州との関係がより一層深まった「原鉄道模型博物館」でした。

個人が作った鉄道模型が、80年の時を経て、JR九州自慢の豪華列車誕生、遠く離れた九州鉄道記念館との関係構築に驚きました。

乗り物好きの ”ほっぺた親爺”はとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。また、東京在住時にもっと早く、何回も行くべきだった‥と反省した次第です。 鉄道好きの方には、とても楽しめるところです。東京に行った折には、「原鉄道模型博物館」でタップリお楽しみください!

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