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織田裕二“司馬”が胸ぐらをつかみ「誰だおまえ」…31年前の三谷幸喜作品がギラギラムード<振り返れば奴がいる>

  • 2024.9.13
「振り返れば奴がいる」 (C)フジテレビ/共同テレビ
「振り返れば奴がいる」 (C)フジテレビ/共同テレビ

【写真】「IQ246~華麗なる事件簿~」で再共演した織田裕二と石黒賢

9月13日より三谷幸喜監督・脚本の映画「スオミの話をしよう」が公開された。三谷監督にとっては9作目となる映画だが、三谷氏が初めてテレビの連続ドラマ脚本を担当したのが今から31年前に放送された「振り返れば奴がいる」(1993年、フジテレビ系)である。

現在、FOD・TVerの無料公開で見ることができる今作は、大病院に赴任してきた熱血漢の青年医師・石川(石黒賢)と、若くして天才的なメスさばきを誇る司馬(織田裕二)が、医師としての信念を巡って激しく衝突していく様が描かれる。出会いのシーンからバチバチにライバル関係が生まれていた第1 &2話を紹介する。 (以下、ネタバレが含まれます)

大ヒット曲「YAH YAH YAH」が主題歌の医療ドラマ

冒頭からCHAGE and ASKAが歌う主題歌「YAH YAH YAH」が流れ、その時代を生きた世代にはたまらなく懐かしい気持ちが呼び起こされる。93年といえばほかに松任谷由実の「真夏の夜の夢」やB’zの「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」の曲などがヒットした年であり、Jリーグ開幕で日本中がサッカー熱に包まれたり、ナタデココブームが起きたりと、振り返ってみてもとても活気づいていた時代だろう。

「振り返れば奴がいる」の劇中も、何だかとにかく熱い。主演の織田と石黒、2人の醸し出す“一触即発”の空気は火傷しそうなほど熱く、それがまたカッコいいと感じさせるムードが漂っている。

第1話は、天真楼病院の外科医・司馬(織田)とアメリカ帰りの新任外科医・石川(石黒)の出会いを描く。司馬は、腕は確かだが世の中をハスに見つめているクールな人間。手術を終えた司馬は、当直で麻酔医の沢子(千堂あきほ)、患者らと留守の外科部長室で麻雀に興じていた。外科部長の中川(鹿賀丈史)は製薬会社の接待に招かれ、新人研修医の春美(松下由樹)を当直に残し出かけて行き、春美は心細い夜を迎える。

その時、交通事故の患者が運び込まれ、手術が必要に。春美はたまたま研究室にいた石川(石黒)に手術を頼む。同時に、入院中のがん患者の容態が急変。手術しなくてはならないと、春美は麻雀をしている司馬に手術を頼むが「自分で何とかしろ」と言われてしまう。

オペを終えた医師たちがいがみ合う「君が殺したんだ」

急患が相次いで、医師たちが夜中にどれほどバタバタしようとも、司馬は「当直じゃない」「あのクランケはどうせ死ぬ、無駄なオペはしない」と意思を貫く。その態度に石川は「それでも医者か!」と声を荒げるが、司馬は「誰だおまえ」とびくともしないばかりか、2人は出会って早々いがみ合い胸ぐらをつかんで口論をする始末。

続く第2話でも司馬と石川の言い争いはヒートアップし、息を引き取ってすぐの患者の横で「君が殺したんだ」「てめーが殺したんだよ」と罵倒しあう姿が描かれる。この頃の織田裕二のギラギラ加減は、本当に誰も止められないといった感じで、浅黒い肌と大きな身体で廊下をかっ歩していく司馬のキャラは、物語が始まってすぐに強い印象を残す。「この物語の主役はこの2人だ」ということが誰にでもすぐ分かる展開は見事である。

FOD・TVerでは「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」キャンペーンを開催中で、10月5日(土)まで「振り返れば奴がいる」第1~3話が無料公開されている。ドラマ再放送時には「三谷幸喜の作品なの?まじで?」という声がSNS に上がるなどしたが、喜劇やドタバタ群像劇を持ち味とする三谷作品の中では異色の“振り奴”こそ、今抑えておきたい味わいがあるヒット作である。

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