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「老けない人」の秘密!体の糖化を防げば肌のくすみは撃退できる

  • 2024.9.13

くすみやシワ、たるみなどのない若々しい肌を保つ食習慣を、消化器内科医で美腸・美肌評論家の工藤あきさんに教えてもらうシリーズ。最終回の今回は、体の糖化による肌のくすみやたるみを改善する食材について。工藤さん曰く「糖化はまさに老化」なのだとか。

肌のくすみや慢性疲労の原因になる「糖化」って?

突然ですが、こんがり焼けたパンケーキを想像してください。表面にほんのり焼き色がついていますよね。あれは糖とタンパク質が結びついた化学反応の証拠で、実は同じような反応が私たちの細胞の中でも起こっているのです。

肌のくすみや慢性疲労の原因になる「糖化」って?

運動不足や食べ過ぎで体の中に糖質が増えると、血中の糖が「AGEs(最終糖化産物)」という老化物質に変わります。これがいわゆる「体の糖化」で、AGEsの影響で肌が黄色くくすんだり、ハリがなくなったり、カサカサになったりします。透明感も失われ、たるみが生じ、年齢以上に老けて見えやすくなるでしょう。

さらに、AGEsは体のあちこちで悪さをします。動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病など生活習慣病の原因になったり、筋肉を硬くしてしなやかさを奪ったり。疲労が蓄積しやすくなる弊害も招くといわれています。

酸化と同じく、糖化は体の老化を進めてしまう、むしろ「老化そのもの」といってもいいでしょう。 

糖化は体の老化を進める「老化そのもの」

見た目がちょっと気になるだけならメイクで隠すこともできますが、体全体に糖化の影響があるのだとしたら、やはり根本的な改善には食生活の見直しが必要。例えば、糖化を早めるスイーツや焼き菓子を控えるだけでも、体の中から若々しさを保つことにつながります。

低GI値の食べ物で肌のくすみを防ぐ

糖化を防ぐには、それが起こるタイミングもポイントです。糖化が起こりやすいのは、血糖値が上昇する「食後1時間くらいの間」。ですので、なるべく食後の血糖値が上がらないようにすることが大切です。

糖化が起こりやすいのは「食後1時間くらいの間」

では、食後の血糖値が上がらない食べ物とは、何なのでしょうか?そのキーワードが「GI値」。「グリセミックインデックス値」の略で、食後に血糖値がどれだけ上がりやすいかを数値化したものです。GI値が高い食べ物ほど血糖値が上がりやすく、低い食べ物は上がりにくいことを示しています。

つまり、GI値の低い食べ物を食べれば、糖化を抑制しやすくなるということです。

GI値の低い代表的な食べ物

GI値の低い代表的な食べ物
  • そば、玄米、全粒粉のパスタ、パン
  • 葉もの野菜、きのこ類、ピーマン、ブロッコリー、玉ねぎ
  • 大豆、ナッツ類
  • リンゴ、いちご
  • 牛乳、チーズ、ヨーグルト、高カカオチョコ

ここに紹介したのはほんの一部ですが、炭水化物も野菜も果物も、GI値は食品によってさまざまなので、少しでもGI値の低い食品を選ぶことで糖化を予防することができます。

また、どうしてもGI値が高い食べ物を食べるときは、食物繊維を一緒に取るようにすると、糖化が進みにくくなります。

ただし、一つ注意してほしいのが、「GI値の低い食べ物が、必ずしも低カロリーではない」という点。低GI食品は糖化という面では体に良いのですが、ダイエットという観点では逆効果になる場合もあります。いずれにせよ、どんな食べ物でも食べすぎは良くないということですね。

サプリも取り入れて無理なく続けることが重要

このシリーズでは、5回にわたり肌や腸内環境に良い効果が期待できるさまざまな食べ物・飲み物を紹介してきました。しかし、すべてを完璧に取り入れ、バランスの取れた食事を毎日続けることは簡単なことではありません。

忙しくて食事が作れず、外食やコンビニ食が続いたときや、ストレスや過労で疲れていて肌の調子が悪いときもあるでしょう。

そんなときは、無理をして高価な化粧品に飛びついたり、エステサロンに駆け込んだりせず、サプリメントなどの健康食品を上手に活用するのも一つの知恵だと思います。自分の食生活に足りないものを思い出して、それを補うサプリメントを食事にプラスすればいいのです。

サプリメントなどの健康食品を上手に活用

野菜やフルーツが足りないかな?と思ったら、ビタミンCのサプリ。お肉や魚を食べてない?と感じたときは、アミノ酸系のドリンクやビタミンBのサプリ。そんなチョイスで構いません。

ただし、過剰摂取には注意が必要です。いくら栄養といっても、例えば亜鉛やビタミンAは過剰摂取すると健康被害につながる恐れがあります。

中には、一つのサプリメントにいくつかの栄養成分が相乗りしている場合もあるので、複数のサプリを併用していると気付かないうちに一つの栄養素をとり過ぎていた……ということも起こりえます。そのためにも、1日の目安量は必ず守るようにしましょう。

ダイエットや運動もそうですが、なかなか結果が出ないと続けるのも大変ですよね。食事を変えたからといって、一日、二日で見た目や体が劇的に変化するわけではありません。肌のターンオーバーが4〜6週間かかるように、体を「中から」変えていくにはそれなりの時間が必要です。

ですから、急激に無理やり変えようとするのではなく、できることから始めて、「続ける」ことが大切です。

教えてくれたのは工藤あき(くどう・あき)さん

教えてくれたのは工藤あき(くどう・あき)さん

消化器内科医、美腸・美肌評論家。一般内科医として地域医療に貢献する一方、腸内細菌・腸内フローラに精通。腸活×菌活を生かしたダイエット・美肌・エイジングケア治療にも力を注いでいる。また「植物由来で内面から美しく」をモットーに、日本でのインナーボタニカル研究の第一人者としても注目されている。 

※本記事は、『老けない人が食べているもの』(株式会社アスコム/1540円・税込)より一部抜粋して構成しています。

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