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【腸活と心身の関係】その自律神経の不調=「不腸」かも? 脳と腸内環境の乱れが引き起こす、さまざまな心身不調とは?

  • 2024.9.14

胃腸と自律神経の乱れについて教えてくれたのは…

江田クリニック院長 医学博士 江田証先生

日本消化器病学会専門医。胃腸の不調に悩む国内外の多くの患者を診察。『60 歳で腸は変わる 長生きのための新しい腸活』(新星出版社)など著書多数。

自律神経を整えて、腸の働きを改善する

室内外の温度差や熱帯夜の寝苦しさなど、自律神経の不調が起こりやすい夏。食欲不振のほか、ストレスなどでおなかが痛くなったり下痢をする、過敏性腸症候群も、夏に悪化することが多いというデータがあるそう。

「ストレスでおなかが痛くなるのは、決して気のせいではありません。ストレスを感じると、脳の視床下部から腸へストレスホルモンが分泌されます。そのストレスホルモンが腸のなかで炎症を引き起こし、それが痛みになるのです。こうした脳と腸の関係を、脳腸相関といいます」

さらに、自律神経の働きを整え、気分を前向きにしてくれるセロトニンは、実は9割が腸管でつくられています。幸せを感じてセロトニンが作られると、腸のぜん動運動が活発になり、おなかの調子もよくなります。逆に、腸内環境が悪化してセロトニンが作られなくなると、腸のぜん動運動も鈍るうえに自律神経も乱れ、イライラするなど、悪循環に。肩こり、頭痛なども起こります。

「脳と腸の関係は、一方通行ではなく、双方向のネットワーク。心と体の健康を保つために、胃腸を整えることが大切になります

自律神経からくる「不腸」で起こる、体の変化とは?

①イライラ

腸内のセロトニンが不足するとノルアドレナリンなどの興奮物質が増えて、イライラしやすい状態に。イライラすると、腸の働きも悪くなり、ますます不調が続きます。

②おなら、便秘

自律神経が不調になると、腸の働きが悪くなります。それによって便秘が起こり、腸内の悪玉菌が増えていきます。悪玉菌がガスを発生させ、くさいおならが出やすくなります。

③肩こり、腰痛

胃腸の不調が続くと、体は常に交感神経優位の状態になって、筋肉も緊張します。一見、腸の状態と関係しなそうな肩こり、腰痛なども脳腸相関から起こる場合があります。

④不眠

睡眠ホルモンであるメラトニンは、セロトニンが材料になっています。腸内のセロトニンが不足すると、メラトニンも足りなくなり、寝つき
が悪くなります。

text : Ema Tanaka illustration : Kaho Yamaguchi

リンネル2024年10月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

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