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【オリゴ糖のメリット・デメリット】食べやせが叶う?「危険」って噂の真相は?

  • 2024.9.13
教えてくれたのは……

管理栄養士

望月理恵子さん

管理栄養士をはじめ、ダイエット指導士やサプリメント・ビタミンアドバイザーなどさまざまな資格を有し、テレビや雑誌といったメディア監修や講演などで活躍。健康、美容、ダイエットなどヘルシーな栄養情報の発信や、美と健康にいいおいしいレシピの考案をしている。『やせる時間に食べてみた!』(主婦の友社)ほか、著書も多数。

オリゴ糖って一体何? 砂糖との違いは?

望月理恵子さん

砂糖やオリゴ糖といった糖質は、最小単位である『単糖』というものが鎖状で結びついたもの。その鎖がどういう風に繋がっているかによって、砂糖やオリゴ糖、ほかにも麦芽糖など、さまざまな種類に分類されています。

オリゴ糖は、2~10個の単糖が繋がっているものをさし、砂糖との違いはその結びつきのみ。オリゴ糖は一般的に“砂糖の代用品”というイメージが強いかもしれませんが、その認識で問題ありません。
※ここでいう「オリゴ糖」とは機能性が認められている難消化性のオリゴ糖を指します。


オリゴ糖の甘さは砂糖の約3分の1

望月理恵子さん

オリゴ糖は砂糖の代わりという認識で大丈夫ですが、甘さの度合いは異なります。ものにもよりますが、基本的にオリゴ糖の甘味度は砂糖の3割ほど。オリゴ糖で砂糖と同じ甘さを出そうとすると、3倍以上の量を使わなければならない計算になります。

とはいえ、私は普段の料理にオリゴ糖をよく使っていますが、甘みが少ないとはそれほど感じておらず、人によって“甘さ”の捉え方は変わるかもしれません。


オリゴ糖は「人工甘味料」ではありません!

望月理恵子さん

オリゴ糖=人工甘味料だと勘違いされている方がとても多いのですが、明確に違います。まったく別のものです。


【オリゴ糖の効果】腸内環境を整える強〜い味方に!

オリゴ糖に期待できる3つの効果
整腸作用
砂糖より虫歯になりにくい
ミネラル吸収促進

望月理恵子さん

オリゴ糖のいちばんの効果は、整腸作用。善玉菌であるビフィズス菌の増殖を促して、腸内の細菌バランスを改善してくれます。また、虫歯を防ぐという点でも期待できます。口腔内の細菌が砂糖を消化すると、歯のエナメルを溶かしたり、歯石の原因になったりします。

ですが、オリゴ糖は口腔内の細菌に利用されない、もしくは利用されにくいため、甘いものを摂ったとしても虫歯になりにくい傾向にあります。オリゴ糖を食べたから虫歯にならないということはなく、あくまでも“砂糖を使ったものよりも虫歯になりにくい”、ということです。


さらに、ミネラルの吸収を促進してくれるのもうれしいメリット! ミネラルは体内で合成できないため食べ物から摂取する必要があり、臓器や細胞の活動をサポートしてくれる五大栄養素のひとつ。

望月理恵子さん

大腸内でオリゴ糖が発酵すると、腸内細菌によって代謝されて『短鎖脂肪酸』が産生されます。この短鎖脂肪酸が産生されると、大腸内のpHが低下。カルシウムやマグネシウムといったミネラルが溶けやすくなり吸収を促してくれるため、ミネラル豊富な食材とオリゴ糖を一緒に摂るのもおすすめです。

また、砂糖は血糖値を急激に上げてしまいますが、血糖値が急上昇すると血液の流れや腸内環境が悪くなったり、生活習慣病につながったりする可能性が出てきます。オリゴ糖のほとんどは血糖値に影響を与えるという心配がそれほどないので、そういった点も魅力の一つだと思います。


オリゴ糖はダイエットにもお役立ち!

望月理恵子さん

オリゴ糖には整腸作用があるため、腸内環境が整うことで代謝がアップ。また、砂糖は1グラムあたり4キロカロリーなのに対し、オリゴ糖は1グラム2キロカロリーほど。甘さが違うとはいえ、砂糖と比べて約半分のカロリーです。

さらに、オリゴ糖が腸内で発酵するときに産生される短鎖脂肪酸は、脂肪細胞の蓄積を抑制する働きが期待でき、いまとても注目されています。ぜひダイエットにもオリゴ糖をうまく活用してほしいですね!


「オリゴ糖は危険」って本当? デメリットはある?

望月理恵子さん

「オリゴ糖は危険」と言われることがあるのは、オリゴ糖を人工甘味料だと勘違いしていることによる風評被害のようなものだと感じています。一時期、人工甘味料が健康に良くないと言われていたため、その影響をオリゴ糖まで受けてしまった・・・・・・という側面が大きい気がしますね。


では、オリゴ糖を摂ることによるデメリットって?

望月理恵子さん

砂糖の代わりとして使う際に、砂糖と同じ甘さを求めてしまうと砂糖の約3倍の量を使うことになり、その場合はエネルギー過多になる可能性があります。また、整腸作用がある反面、過剰に食べるとお腹がゆるくなってしまうことも。

ただ、どんな食材でも、摂りすぎるとエネルギー過多になったり偏ったりするので、『オリゴ糖だから危険』ということはないに等しいです。むしろ摂るメリットがたくさんあるので、私は普段から積極的に取り入れています!


オリゴ糖を控えたほうがいいのは「便秘薬を常用している人」!

望月理恵子さん

便秘体質で整腸剤などの薬を飲んでいる方は、オリゴ糖と併用することで軟便になったり、お腹をくだしやすくなったりしてしまう場合があるので、一緒に摂るのは避けた方がいいでしょう。便秘だけど薬を飲んでいないという人は、オリゴ糖を取り入れることで自然な便通改善が期待できますよ。


【オリゴ糖の上手な摂り方】「調味料として取り入れるのがお手軽!」

望月理恵子さん

わざわざオリゴ糖をプラスして摂ろうとすると、無駄な甘みを余計に取り入れてしまうことになるので、毎日のお料理や飲み物に入れている砂糖をオリゴ糖に差し替えるのがもっとも簡単でヘルシー。最初は、甘みが少ないと感じるかもしれませんが、まずは砂糖の1.5倍ぐらいの量から始めてみましょう。

そして、徐々に減らしていき、砂糖と同じ分量でもきちんと甘さを感じられるような体にしていく。甘いものに慣れすぎると、体はどんどん甘さを欲してエスカレートしていきます。オリゴ糖に切り替えることで、それほど甘くなくても満足できるような体になっていくというのは、とても大事なことだと思いますね。


料理の調味料としてオリゴ糖を使うときは、メニューによって“向き・不向き”があったりする?

望月理恵子さん

オリゴ糖はどんな料理にも幅広く使えますが、長く加熱したり高温になりすぎたりするとオリゴ糖の働きが期待できなくなることも。商品によって“高温”は異なりますが、目安としては120~160℃あたり。

オーブンで焼いたり、揚げたりするときは、オリゴ糖の整腸作用などが発揮できなくなってしまうので、どちらかというと低温調理のほうが向いています。温かい飲み物に入れるぶんには、100℃を超えることはないので問題ありません。


【オリゴ糖入りのお菓子】も上手に取り入れて!

望月理恵子さん

オリゴ糖を使ったお菓子は甘さにも程よい満足感があり、チョコレートの場合はチョコレートに含まれるミネラルが吸収されやすくなるというメリットも。甘いものが好きなのであれば、日常的なおやつはオリゴ糖を使ったもの、疲れていてどうしても甘いものを食べたいときはお砂糖を使ったもの、という風に使い分けるのもおすすめです。


●明治 オリゴ糖ミルクチョコレート 100

明治 オリゴ糖ミルクチョコレート 100

使用する砂糖をすべてフラクトオリゴ糖に置きかえた、甘さ控えめのミルクチョコレート。フラクトオリゴ糖は腸内フローラを整え、おなかの調子を良好に保つ。機能性表示食品。
45g オープン価格/明治

【オリゴ糖の選び方】メーカーによって効果や甘みに違いが。いろいろ試してみるのがおすすめ

望月理恵子さん

基本的にオリゴ糖の甘さは砂糖の3割ほどですが、メーカーによっては5割以上の甘さを感じられるものも出ています。甘さが控えめなタイプがいいのか、しっかり感じられるタイプがいいのか、好みに合わせていろいろと試してみましょう。

あとは、整腸効果が認められた“トクホ(特定保健用食品)”かどうかというのも、選ぶ際のポイントの一つになるかと思います。液体か顆粒かといった形状の違いは効能にそれほど影響がないので、使いやすいものを選んでかまいません。私は最近、ミネラル豊富な“キビオリゴ糖”にハマっています!


●オリゴのおかげ

オリゴのおかげ

関与成分の乳糖果糖オリゴ糖が腸内のビフィズス菌を増やし、おなかの調子を良好に保つ表示が許可されたトクホのシロップタイプ。甘さは砂糖の8割ほどで、カロリーは40%オフ。
300g ¥540(メーカー希望小売価格)/塩水港精糖

●日本オリゴ フラクトオリゴ糖

日本オリゴ フラクトオリゴ糖

国産の甜菜(さとう大根)から作られた“てんさい糖”を原料に、自然の風味を最大限にいかす製法でつくられたフラクトオリゴ糖を使用。特定保健用食品の液体タイプ。
700g ¥950/日本オリゴ

沖縄・奄美のきびオリゴ

沖縄・奄美のきびオリゴ

沖縄・奄美のさとうきび100%にこだわったフラクトオリゴ糖を採用。機能性表示食品(届出番号:J34)で、ビフィズス菌を増やし、腸内環境と便秘気味の人の便通を改善してくれる。※2024年10月より新パッケージに変更。写真は新パッケージです。
350g ¥503/伊藤忠製糖

取材・文/橋場鈴里

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