1. トップ
  2. おでかけ
  3. 【兵庫県神戸市】竹中大工道具館40周年記念企画展「日光の彩色と金工-社寺建築の美しさの謎を解く」

【兵庫県神戸市】竹中大工道具館40周年記念企画展「日光の彩色と金工-社寺建築の美しさの謎を解く」

  • 2024.9.13

兵庫県神戸市にある大工道具の博物館「竹中大工道具館」では、開館40周年記念企画展「日光の彩色と金工-社寺建築の美しさの謎を解く」を、9月14日(土)〜12月15日(日)に開催する。

日本で唯一の大工道具の博物館

竹中大工道具館は、大工道具を収集・保存し、研究や展示を通じて後世に伝えていくことを目的に設立された、登録博物館において日本で唯一となる大工道具の博物館だ。

常設展は7つのコーナーに分かれており、唐招提寺金堂組物の実物大模型、五感に響くハンズオン展示などを通して大工道具の魅力を伝えている。また、博物館そのものが「匠の技の数々を肌で感じてもらえる場」となっており、建物の各所には大工や左官、瓦師などによる伝統の職人技がちりばめられ、人と自然をやわらかくつなぐ存在としての「和」の建築を楽しめる。

日光の社寺を彩る装飾技術の「彩色」と「金工」に着目

世界遺産「日光の社寺」は、国宝9棟、重要文化財94棟の文化財建造物を中核とする日本が世界に誇る文化遺産。17世紀の日本を代表する天才的芸術家の作品群といわれ、当時最高水準の建築技術によって作られた。日光東照宮や日光山輪王寺大猷院などの圧倒的に絢爛豪華な建築装飾が最大の魅力だ。

これらの建造物は、伝統的な技と技術、そしてそれらを活かす知識を確実に継承し、保存修理を繰り返してきた匠の力によって、今日までその輝きを保っている。こうした「伝統建築工匠の技」は、2020年12月にユネスコ無形文化遺産として登録された。

「日光の彩色と金工-社寺建築の美しさの謎を解く」では、東照宮下神庫建築彫刻4点、彩色作品9点、彩色図6点、錺金具15点、東照宮陽明門組物模型、制作材料・道具など、約100点を展示。日光の社寺を彩り、比類のない豪華さときらびやかさを際立たせている装飾技術の「彩色」と「金工」に着目し、その美しさの謎に迫る。

きらびやかな装飾を間近で鑑賞できる

同展は、普段は遠目にしか見ることができない、きらびやかな建築装飾の世界と伝統技術の粋を、間近で鑑賞することができる機会となる。

日光の社寺の修理交換中の部材も特別出品され、「東照宮下神庫結綿彫刻 獅噛」(17世紀・重要文化財)、

「東照宮下神庫 蟇股」(17世紀・重要文化財)を見ることができる。

また、日光の社寺をはじめ、数々の文化財建造物の修理を手掛けてきた工匠によるきらびやかな金工作品・彩色作品の数々も展示。「東照宮陽明門貫金具」、

「東照宮陽明門金剛柵金具模型」、

「置上繧繝極彩色手板」、

「平繧繝極彩色手板」などが出品される。

彩色図や道具も展示

日光の社寺彫刻の修理にあたっては、江戸時代より、将来の修理に備えて色鮮やかな彩色図が描かれている。「東照宮下神庫蟇股彫刻および枇杷板 彩色見取図」や、

「東照宮神廐欄間彫刻 平彩色見取図」から、修理の副産物である彩色図も芸術の域に達していることを感じられる。

作品展示とあわせて、その製作技法も、材料や道具の実物展示、写真・映像で詳しく紹介される。「金沢の金箔製造道具」や、

「浄法寺の漆掻き道具」から、美しさを生み出す職人技の秘密を理解できる。

体験教室やワークショプなどを開催

そのほか、関連イベントも実施される。申込み不要で自由に見学可能な「日光の彩色・漆箔押し」の実演は、9月28日(土)・29日(日)に各日2回実施。

体験教室「伝統的な彩色技法で花文様を描く」は10月5日(土)に4回実施。参加費は2,000円、定員は各回小学3年生以上10名。申込は9月20日(金)まで。

ワークショップ「浄法寺漆でお椀をつくる」は、11月9日(土)に2回実施。浄法寺漆を採取する伝統の技が2020年にユネスコ無形文化遺産「伝統建築工匠の技」の一つとして登録されたことを記念して開催される。参加費は24,000円(お椀代・完成後の送料込)、定員は各回高校生以上5名。申込は10月25日(金)まで。

ワークショップ「浄法寺漆のストラップをみがく」は、11月10日(日)に3回実施。参加費は2,500円(漆ストラップ代込)、定員は各回10歳以上10名。申込は10月26日(土)まで。

実演・体験教室「錺金具の彫金」は、11月16日(土)に2回実施。参加費は2,000円、定員は各回小学4年生以上10名。申込は11月1日(金)まで。

すべてのイベントで、参加には別途入館料が必要。応募者多数の場合は抽選となる。詳細や申込については、下記URLより確認を。

竹中大工道具館の企画展「日光の彩色と金工-社寺建築の美しさの謎を解く」を訪れて、間近で社寺建築の装飾や伝統技術を堪能してみては。

■開館40周年記念企画展「日光の彩色と金工-社寺建築の美しさの謎を解く」 会期:9月14日(土)〜12月15日(日) 会場:竹中大工道具館 住所:兵庫県神戸市中央区熊内町7-5-1 入館料:一般700円、大高生・65歳以上500円、中学生以下無料 詳細:https://www.dougukan.jp/special_exhibition/nikko_kobe

(山本えり)

元記事で読む
の記事をもっとみる