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「腸活にヨーグルト」は間違い?ダイエットを成功に導く「正しい腸活」のコツ

  • 2024.9.13

健康や美容を意識する人の多くが注目している腸活。便秘改善や免疫力アップ、ダイエット効果などたくさんのメリットが期待できますが、正しい方法で行わないと逆効果になってしまうことも。今回は腸活の効果や正しい方法について、薬剤師の碇純子さんに伺いました。

そもそも「腸活」とは?

腸活とは腸内フローラのバランスを整えて、健康的な腸内環境を目指す取り組みのこと。

私たちの腸内には健康に欠かせない多くの腸内細菌が生息していて、その数は約1,000種、計100兆個にものぼります。(※1)これらの腸内細菌が形成する生態系が「腸内フローラ」です。

腸内細菌は主に善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類され、理想的なバランスは2:1:7とされています。(※2)

腸内フローラのバランスを整える具体的な方法としては以下のことが挙げられます。

腸内の善玉菌を増やす

善玉菌には、腸内を弱酸性に保ち、アルカリ性の環境を好む悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。代表的な善玉菌は、ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌などです。

腸活の主な目的は、この善玉菌を増やすことです。

さまざまな種類の菌が共存する腸内環境を作る

腸内細菌の多様性も腸活には大切です。

先述の通り、腸内には約1,000種類もの腸内細菌が存在します。ですが、加齢とともに腸内細菌の種類が減少し、それによってからだに悪影響をもたらす可能性があるといわれています。(※3)

そのため、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の割合を重視するだけでなく、多種多様な種類の菌が共存する腸内環境を作ることが重要です。

腸活による効果

腸活と聞くと、便秘解消につながるイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。次のようなうれしい健康効果も期待できます。

免疫力が上がる

免疫細胞の約70%は小腸の粘膜に存在する(※4)といわれており、腸内環境を整えることで免疫力が上がるとされています。

腸活をすると腸内のバリア機能が強化され、病原菌やウイルスがからだへ侵入するのを防げるでしょう。(※5)

ダイエット効果

腸内細菌は、オリゴ糖や食物繊維を分解・発酵し、短鎖脂肪酸を生成します。

短鎖脂肪酸には余分な脂肪がたまるのを防ぎ、脂肪燃焼を高める効果があるとされています。そのため、ダイエット効果が期待できるでしょう。(※6)

肌トラブルを予防する

腸内環境の乱れは肌に悪影響を及ぼします。

悪玉菌が増えると、有害物質が腸から血液に入り、肌に到達して肌荒れやニキビを引き起こすと考えられています。肌荒れが気になる人は、腸内環境の改善を意識すると良いでしょう。(※4)

睡眠の質が上がる

良い睡眠のためには、腸内環境を整えることが大切です。

腸内細菌はタンパク質を分解して、トリプトファンという必須アミノ酸を作ります。トリプトファンは睡眠ホルモンであるメラトニンの生成に関わるので、眠りを誘う効果が期待できます。(※4)

正しい腸活の方法を紹介

腸内フローラのバランスを整え、健康なからだに導くための具体的な方法は以下の通りです。

善玉菌を含む食品、善玉菌のエサになる食品を摂取する

腸内環境を整えるには、善玉菌を含む食品と、善玉菌のエサになる食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取しましょう。

納豆やキムチ、みそには善玉菌が含まれています。これらを食物繊維が多く含まれる野菜やきのこ類、豆類などと一緒に食べると良いでしょう。(※8)

適度な運動やマッサージをする

運動には自律神経を整える効果があり、運動のあと副交感神経が優位になったときに腸の動きが活発になります。

また、腸の動きを良くするためには、おなかのマッサージも効果があるとされています。おへそを中心に「の」の字を書くように、時計回りに優しくマッサージをしましょう。(※9)

腸活を行う際の注意点

メリットの多い腸活ですが、正しい方法で行わないと、かえってからだの不調を招く可能性があります。

腸活を妨げる食事や生活

極端な食事制限を行ったり、栄養バランスの偏った食事を取ったりすると、腸内環境が乱れて便秘を引き起こす可能性があります。また、脂っこい食事は腸内フローラのバランスを変化させ、健康に悪影響を及ぼすと考えられています。

腸活のためにはバランスの良い食事を心がけ、脂質を控えるようにしましょう。(※10)

実はヨーグルトは人によっては腸活に不向き?

乳酸菌やビフィズス菌が含まれるヨーグルトも、腸活に効果的な人もいれば、逆効果になる人もいます。ヨーグルトに含まれる「カゼイン」という消化しにくいタンパク質が、腸粘膜を傷つけてしまうおそれがあるからです。(※7)

また、牛乳などを飲むとお腹がゆるくなってしまう乳糖不耐症の人にとっては、ヨーグルトは腸への負担が大きく、腸活にも向かない可能性があります。いずれも少量の摂取であれば問題ないですが、毎日口にするうちにからだに負担をかけている可能性があるので注意しましょう。

腸活には漢方薬も役立つ

腸活を効果的に行うためには、漢方薬を取り入れるのもおすすめです。
漢方薬は体質改善や根本治療に優れているので、腸内環境を整える効果が期待できます。また、自然成分で作られているため、西洋薬よりも副作用が少ないとされています。

腸内環境のバランスを整えるためには、
腸の動きを正常化する
自律神経を整えて、ストレスによる腸内環境の悪化を防ぐ
などの働きがある生薬を含む漢方薬を選ぶといいでしょう。

腸活におすすめの漢方薬

・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
からだの血流や水の代謝を良くして、便や汗などで不要物を体外へ排出するのを助けます。便秘改善の目的にも用いられます。

・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
おなかを温めて腸の蠕動(ぜんどう)運動を整えることで、消化を助けます。下痢、軟便などにも用いられます。

漢方薬を服用するときは、自分のからだに合ったものを選択することが大切です。
からだに合っていない漢方薬を選んだり、間違った組み合わせで服用したりすると、効果が薄まったり副作用が生じたりする可能性が高まってしまいます。必ず漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談して、選ぶようにしましょう。

正しい腸活で健康的なからだを目指そう

正しい腸活を行うと腸内フローラのバランスが整い、健康や美容に多くのメリットをもたらします。

正しい腸活を行って、健康的で美しいからだを目指してみてはいかがでしょうか。

<参考>
(※1)腸内細菌と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://docs.google.com/document/d/1hbRdcmHMHIXDuvGQ6XzAMmYhYjIEdNM9/edit
(※2)知っておきたい正しい 腸活
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
(※3)健康寿命延伸を目的とした医療の取り組みと内視鏡診療の展望
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/62/5/62_538/_pdf/-char/en
(※4)腸活とは?健康や美容への効果と腸内フローラを整える正しいやり方を解説!
https://www.wakamoto-pharm.co.jp/tips/intestine-body/intestinal-activity/
(※5)腸管免疫と腸内細菌の 密接な関わり合い
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/104/1/104_81/_pdf
(※6)1.肥満・糖尿病の病態と腸内細菌叢 3)短鎖脂肪酸を介した宿主のエネルギー・糖代謝調節
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/63/6/63_373/_pdf/-char/ja
(※7)分子栄養補充およびグルテン・カゼイン除去による 認知症・発達障害治療
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdtc/8/1/8_11/_pdf/-char/ja
(※8)腸内フローラを整える方法!腸活! - 乳酸菌とおなかのこと
https://brand.taisho.co.jp/biofermin/nyusankin/chonaiflora/adjust/
(※9)“腸活”を成功に導く3つの方法
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/guthealth-02/
(※10)腸活とは? 期待できる効果や今日から始められる腸活の方法を紹介! | おなかの不調、整腸、便秘、軟便には酪酸菌配合のビオスリー | アリナミン製薬
https://bio-three.jp/contents/improve-intestinal-environment.html

writer / Sheage編集部

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